テーマ３：「自信」
「自信」ですか。そうですね…、自分がこうやって突き進み続けられるのは自信がある・ないというより、失敗を失敗だと受け止めていないからだと思うんですよ（笑）。
マザーハウスってとても面白い会社で、失敗しても皆が応援してくれるんですね。私はマザーハウスって、単純に上手くいった成功体験を語るというブランドではないと思っていて、失敗があったり波が起きたりしながらもやってきた。そういった等身大の姿を見せながらマザーハウスのバッグを提供してきたというところがあると思います…ちょっと上手く言えないんですけど（笑）。
私はどちらかというと問題があったほうがよく眠れるんですよ（笑）。順調に売り上げが伸びていたりすると、すごく不安になります。だから、私自身は失敗している状態の方がモチベーションが高いですね。
でも、起業前、バングラデシュの大学院で勉強している頃から考えてみると、ここまで自分が頑張れるとは思わなかったですね。やっていったらできちゃったという感じです（笑）。だから自分が今やっていることは、本当に普通の人にもできると思います。結局、そういったことは自分がいる環境が変わらないと気づかないんじゃないかな。
同じ時間を費やすのであれば、意味のあることをしたいですし、意味のあることをするとしたら、根本的に好きじゃないといけませんよね。でも好きなことをやるって、実は全然楽じゃないじゃないですか。私は根本的に途上国やものづくりが好きだけど、そこでビジネスとしてお金をまわすというのは結構大変で、ちょっとでも経営者としての自分とやりたいことをやっている自分のバランスが崩れると、経営部分でリアルに響いてきたりするので（笑）。そこらへんはバランスをとってやっていますね。
私の根底にあるものは、途上国のイメージを変えるような商品を作り出したいということです。「貧困をなくす」とか「誰かの為に」となると、何処かでしわ寄せがきます。会社を経営している以上、まずはお客様がハッピーになることを考えないといけません。お客様を第一に考えて、その結果、工員が１人増えたらいいことだとは思いますが、これが工員優先だと必ず上手くいかなくなります。そうすると、いいものも出来なくなりますしね。
