新刊JP FEATURING 「スタバではグランデを買え!-価格と生活の経済学」

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吉本佳生氏 プロフィール

南山大学経済学部准教授。専門は金融経済学。1963年三重県北牟婁郡紀伊長島町で生まれる。 名古屋市立大学経済学部経済学科卒業後、株式会社住友銀行入社。89年に退社し、名古屋市立大学大学院経済学研究科に進学、広島市立大学国際学部専任講師を経て現職。 主著に『金融工学 マネーゲームの魔術』(講談社+α新書)、『ニュースと円相場から学ぶ使える経済学入門』(日本評論社)など多数ある。

経済って生活にすごく密着しているけれど、それを学問として捉える、学問として考えていくというところで、「何か難しそうだ」と思ってしまう方もたくさんいらっしゃると思うんですよね。

そうなんですよね。それを分かっている人にとってはごく当たり前のことだったりするんですが、今まで触れたことのない方々には、こういう話は面白いのかなと思って書いていました。

分かりやすさの1つに図表があると思います。この本では62個の図表を使っていますよね。

これらの図表は全部自分で作っています。 実は、もちろん例外はあるんですけども、図を先に描いてから、文章を書いていく、まず図表を並べて、入れ替えたり、差し替えたりして構成を立ててから、文章を書いていくというのが私のスタイルなんです。 これは最初の著作からそうで、図表が分かりやすいと思われるのは、むしろこちら側が図表を中心に書いているからですね(笑)。 図と文章を相互に関係させながら修正していけるので、そういう点では、自分で描いていることはメリットだと思います。

この本では『コスト』を一貫したテーマとして扱っていますが、著者である吉本先生自身の、生活におけるコスト削減のためにやっていることは何かありますか?

そうですね…まさに何もないと思います(笑)。 『医者の不養生』という言葉がありますけど、本当に典型例ですね。生活としては荒れた生活していますし、行き当たりばったりです。 買い物のときも分かっていながら節約しているわけではないですし、携帯電話でも『複雑さに屈しちゃダメですよ』と言ってますけど、自分自身料金プランを代えるかというと、あまり変えませんし(笑)。 機種変更のときちょっと変えるくらいですね。 そういう点で言えば、人には教えていますが、自分では出来ていないと思います。


ただ、普通に生活していれば、一般的なことでのコスト削減は自然にできているんじゃないか、というのが私の主張なんで、『コスト削減するぞ!』とかあまり意識しなくても経済的なセンスを持って買い物していればいいはずだというのが1つあるんですね。 ただ、それは普段の経済活動について当てはまるのであって、例えば家買ったり、車買ったりというときというような、あまり一生に何度もない買い物をするときに、今言ったような話が出来ているかというと、出来ていないんじゃないかと思います。 それを普段と同じような意識をつけるには、普段から『コスト』の面の視点を考えることが重要なんじゃないかと思います。


吉本佳生氏おすすめ書籍

  • ナニワ金融道
  • ナニワ金融道
  • 大学の研究室に学生貸出用に2セット用意してあって、家にも1セットあります。この漫画は何とを言っても一押しですね。こんな良い本ないと思います。何か買い物をするにしても、この本に書いてあることを理解していれば、大抵の変な話にはひっかからないと思いますよ。

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  • 株式市場――資本主義の幻想
  • もう絶版になっているので、図書館などでお読みいただくしかないのですが、これは私が最も影響を受けた本です。いわゆるブラックマンデー、今から20年前ですけど、1987年のブラックマンデーの直後に出たので88年か89年、88年だと思うんですけど、その頃に出版されています。株式市場ってどういう風に動いているのかって話が書かれています。もちろん、ブラックマンデーがなぜ起きたかも最後の方に書かれていますが、今でも通じるような話が書かれているんですね。書かれた時代背景を考えてみると、あのときにこんな本が書けるってすごいな、と思います。

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