新刊くん
解説

 書店に行くと、「こうすれば大金持ちになれる」「成功するための行動や考え方を教えます」といった、いわゆる「成功法則」について書かれた本が溢れています。それにも関わらず、実際にお金持ちになったり、何かで成功する人というのはごくごくわずか。
 なぜ、このような「成功本」を買っても、ほとんどの人が成功できないのでしょうか。
本書の著者である作家の水野俊哉さんは、1000冊以上の「成功本」や「ビジネス書」を読破した経験を持つ「成功本のプロ」。
 本書では、そんな水野さんが「成功本」を読んでも成功できない理由を語り、本当に成功するために必要なことをつづっています。

■ 「成功本」につきまとう弊害

 水野さんは、「成功本」、「ビジネス書」につきまとう弊害として、読んだだけで勉強したつもりになって満足してしまうことを挙げています。
 こういった本を読むと、その時は「俺もやるぞ!」と気分が高揚するものですが、多くの場合が一時的なものであり、しばらくすると元の状態に戻ってしまいます。そして、結局何も行動しないのでは、人生が好転することはありません。
 大事なのは「成功本を読むこと」ではなく、「その結果自分がどんな行動を起こすか」なのです。

■ 道徳の教科書のような「成功本」

 では、「成功本」自体には問題はないのでしょうか。
 そんなことはありません。
 巷に溢れるこの種の本を読んだことのある方ならわかると思いますが、書かれている内容は「成功するための方法」と呼ぶにはあまりにも頼りない、学校で配られる「道徳の教科書」のようなものばかり。
 これは、「成功本」を読んだ人が、その内容を行動に移すことができない理由の一つでもあります。つまり、書かれていることが当たり前すぎて、実践しようにも実践できないのです。

■ 「成功本」に書かれていることは綺麗ごとにすぎない

 では、なぜ「成功本」の内容がありきたりなものになってしまいがちなのでしょうか。
 水野さんは、「人は成功すると成功するために努力していた時の気持ちを忘れてしまう」といいます。
 「成功本」を書く人は、当然ながら何かで成功を収めた「成功者」であるはずです。
 彼らが恐れるのは、「成功者」の座から転がりおちること。つまり、傲慢になって人心が離れたり、人気がなくなっていくことです。
 成功を求めて必死に努力していた頃のギラついた気持ちは薄れ、一度つかんだ「成功者」の座を手放すまいとしている彼らが書いた「成功本」が、刺激的で実用性に富んだものになるはずもありません。
 「成功本」が「道徳の教科書」のようになってしまうのは、無理からぬことなのです。

 このように「成功本」を読んでも成功できない理由は様々。
 しかし、水野さん自身は「成功本」を読み漁り、実践することで成功を収めた経験を持ち、これらの本の効果も人一倍わかっています。
 本書には、「成功本」のいい面も悪い面も知り尽くした同氏だからこそ書くことのできる、成功のための鉄則が網羅されていますので、どうにかして仕事で成功したい人、何かで有名になりたい人は一度手に取ってみるといいかもしれません。

目次情報

はじめに
「なにが『思考は現実化する』だ、バカバカしい」と思っていた
成功本はエロ本である
成功のジレンマ
成功とは何か?
年収1億円の成功者との会話
成功する方法を教えます
何度でも成功できる
成功のゴールデンルール

第1章 お金の奴隷から抜け出す

有名になることは成功か?
あの金で何が買えたか?
高級ホテルのスイートルームでカップラーメンを食え!
筋トレならぬ金トレ
ギャンブルは時給が低い人間の娯楽(麻雀の法則)
お金の本質
お金を受け取る勇気
バブル崩壊はワイドショーで読める
お金について真剣に考える
これからの「お金」の話をしよう

第2章 仕事を支配する

人生はサバイバル
クライアントもビジネスも分散させろ
見る前に、考える前に、感じて飛べ!
時給100万円の仕事
美女に対してルックスで勝負するな!
ゲリラ戦を制するものはビジネスを制す
学歴や職歴にこだわるアホにはビンタを食らわす
リアルビジネスとネットビジネス

第3章 時間の檻から脱出する

時間とお金は等価交換できる
朝4時に起きて午前中に仕事を終わらせてみる
時間を4分割して管理する
時間を忘れてハマることの大切さ
時を止める
集中力を持続させる
なぜ年をとると時間の流れを早く感じるのか?
小田原移住計画
テレビは捨てろ!

第4章 本当の自分を探す

成功本を読んだら成功できるのか!?
成功法則のモルモット
成功法則はあてにならない?
前のめりな努力で男は一点突破
幸せはすでにあなたの心に宿る
本当の自分に出会う
夢・目標を立て、紙に書く
夏のスーパーダイエット術

第5章 人間関係を掌握する

人間関係の目的は「モテ」と「名声」(あるいは金)である
「ドミノ倒し」と「センターピン」
人脈の先にあるものとは
安住しない
ダイヤモンドの原石がタダでみつかる
成功は大義に宿る
身近な人を全力で応援してみる
子供にはサラリーマンにだけはなるなと教えている理由
人脈の時給を考える
あとがき

著者プロフィール 水野俊哉(みずの・としや)

1973 年東京生まれ。
大学卒業後、金融機関を経て、億単位のカネが怒濤のように流れては消え、また流れ込んできていた2000年代初頭のIT バブル期に、若手起業家としてベンチャー起業し、この世の春を謳歌していた。
しかし、人生のすべてを捧げ目標としていた「上場」の直前で、内紛をきっかけに取締役を解任され会社から追放される。
その時に、個人保証を入れていた3億円の負債を抱える。月々の返済額は500万円。仕事もなく、返す当てもないままに利子だけが膨らんでいく悪夢のような現実と向き合い、すべてを失う。
予定もなく、膨大な時間だけが残されたあげく、吸い寄せられるようにビジネス書や成功本と出会い、自分自身が成功本のモルモットになることを決意し、実際に「ベストセラー作家になる」と紙に書いてみる。
その後、絶望から再生し、経営コンサルタントとして数多くのベンチャー企業経営に関わっていると、たまたま友人に誘われた麻雀の雀荘に編集者がいて……という不思議な形で執筆のチャンスを掴むとその本がいきなりベストセラーになり、執筆依頼が殺到するという思いもよらぬ事態に見舞われるとともに紙に書いた夢が現実のものとなる。
それからは、世界中のありとあらゆる成功本、ビジネス書、自己啓発書を4000 冊以上読破し、成功法則の研究と執筆の日々が続く。
現在は、作家活動を中心として、セミナー、講演などの活動も行っており、なかでも出版セミナーに関しては、日本一の美女率を誇るといわれている。

著者

成功本50 冊「勝ち抜け」案内』(光文社ペーパーバックス)
「法則」のトリセツ』(徳間書店)
「ビジネス書」のトリセツ』(徳間書店)
お金持ちになるマネー本厳選50冊』(講談社)
徹底網羅!お金儲けのトリセツ』(PHP 研究所)
幸福の商社、不幸のデパート』(大和書房)など多数。

リンク

水野俊哉オフィシャルサイト:http://mizunotoshiya.com/
水野俊哉の日記(公式ブログ):http://d.hatena.ne.jp/toshii2008/
メールマガジン:http://www.bshonin.com/mizunotoshiya/