だれかに話したくなる本の話

私が長編を書かない理由 円城塔、新作『文字渦』を語る(3)

『文字渦』(新潮社刊)の作者、円城塔さん

出版業界の最重要人物にフォーカスする「ベストセラーズインタビュー」。

第102回となる今回は、新刊『文字渦』(新潮社刊)が話題を読んでいる円城塔さんが登場してくれました。

『文字渦』はその名の通り「文字」への偏愛と奇想が渦巻く作品集。「こんな字あるの?」と驚いてしまう漢字や、所狭しと並ぶルビ、文字でできたインベーダーゲームなど、作品のストーリーだけでなくめくったページのビジュアルにも圧倒されます。

今回は、2007年のデビュー以来「小説」の概念を揺さぶる作品を世に出し続けている円城さんに、『文字渦』のこと、あたためているアイデアのこと、そして仕事や小説のことなど、広くお聞きしました。その最終回をお届けします。(インタビュー・記事/山田洋介)

文字渦

文字渦

昔、文字は本当に生きていたのだと思わないかい?
秦の始皇帝の陵墓から発掘された三万の漢字。
希少言語学者が遭遇した未知なる言語遊戯「闘字」。
膨大なプログラミング言語の海に光る文字列の島。
フレキシブル・ディスプレイの絵巻に人工知能が源氏物語を自動筆記し続け、統合漢字の分離独立運動の果て、ルビが自由に語りだす。
文字の起源から未来までを幻視する全12篇。