表紙

  カリスマ女子大生ブロガーが、なんとタダで世界一周! とくれば、なんだか凄そうな気がするが、これが実際に凄いのだ。本書は、資金集めの奮闘から世界一周旅行までの一連の様子を描いた、涙あり、笑いあり、感動ありのノンフィクション・エッセイだ。

  タダで世界一周してしまった女子大生ブロガーは、「はあちゅう」という愛称でおなじみの伊藤春香さん。
  いくつものブログを運営しながら、さまざまなことを成し遂げてきた伊藤さんは大学1年生のときに立ち上げたブログ『さきっちょ&はあちゅうの恋の悪あが記』で若者を中心に支持を得て、一気にカリスマブロガーへと駆け上っていった。
  そうしたバイタリティはついに、タダで世界一周をするまでに至る。その結晶が本書というわけだ。

  「世界を旅する」というのは誰もが一度は憧れることだが、行くには膨大な資金が必要だしなかなか出来ないことだ。
  そうしたさまざまな障壁を彼女はどうクリアしていったのか。
  本書を読んでいると、「頑張れ!」と思わず言ってしまいそうになるような、そんな気持ちになるシーンもある。

  また、世界一周のルートは以下となっている。
  東京→チリ→イースター島→ボリビア→ペルー→スペイン→モロッコ→エジプト→ケニア→ヨルダン→イスラエル→インド→ネパール→タイ→カンボジア→ベトナム→東京

  なかなかコアなルートを選んでいると思ったのは私だけだろうか?
  「出会い」や人の優しさに触れる瞬間など、本書には旅の醍醐味がつまっている。

  ちなみに、我々新刊JP編集部取材班は、ちょうど世界一周に向かう直前の彼女に話を聞く機会があった。そのとき、伊藤さんは「めちゃくちゃ楽しみです!」と笑いながら話していたが、本書を読んでその楽しさが充分に伝わってきた。

(新刊JP編集部/金井元貴)