一瞬で人生を変える パラダイムシフト・インタビュー

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インタビュー特集

泉忠司

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「俳優でも、ずっと俳優を目指していた方からすると、出たいから出ているというスタンスはすごく嫌だと思うのですが、実際ミュージカルで、東京国際フォーラムで準主演をしたり、劇場公開映画でも主演していますから、そこまでやっていれば『かじりやがって』とは言われないと思うんですよね」

「分かった! 広く浅くではなくて、広く深くですね」

「そうですね。広く深く」

「全部極めるところまで行って、そこから次に行ってみようという。要するに世の中の分け方でいうと作家とかプロデューサーとか分かれているけれど、実際は表現者、発信者みたいな」

「アウトプット人間ですかね」

「いろいろなアウトプットの方法があって、どれでもいいじゃないか、という」

「そうですね」

「そうですよね。僕もいろいろな会社を経営しているけれど、創業期というのは、何でもやるんですよね。事務とか電話番とか営業とか経営、管理、マーケティングなどいちいち言っていられないんですよ。必要であればプロレベルで全部やらないといけない。何をやっているかと言うと、一つの仕事をやっていると言うよりも、全体を通して何かをこなすということでやっているんですね」

「ああ、なるほど。そうですよね」

「そこから考えて今聞いた職業、小説を書いたり、舞台や映画に出たり、俳優から脚本まで何でもやっていますものね。この一つが、例えば本を書いたら300万部という」

「そうですね、トータルで言ったら」

「300万部って、なかなかいないですよ。トップ中のトップ中のトップ。そうであっても、それが専業ではないという」

「そうですね。僕は『マルチな人ですね』と言われるのがすごく嫌で、人間の活動を縦割りするのではなくて、全部繋がっていると思っているんです。僕は『ボーダレス』だと思っているんです。でも、日本って縦割りが好きですよね」

「あなたカテゴリーどこ?というかね。あなたは学校どこ? 会社どこ? と」

「結果的に本職はなんですか、とよく言われるんですけど、すべての活動は絶対繋がっていると思っているんですよ。僕はもともと大学の先生として自分のキャリアをスタートしましたし、今も大学の先生をやっています。本職はと言われたら大学の先生かもしれません。ただし、俳優の活動をすることによって、その活動は間違いなく大学での授業に役に立っている。腹式呼吸やセリフの伝え方などは授業でも使えますよ」

「表情もね」

「そうなんです。それはほかの先生たちよりも、自分が伝えたいことを体全体使っていかに学生たちに伝えられるか、ということが出来ているんじゃないかと思うのです」

「表現のプロ、ですかね」

「そうだと思うんです。俳優だと」

「俳優の表現のプロと、教える技術のプロ。その両方ができてしまう」

「繋がっているから、自分の中では同じなんですよね。舞台や映画がどういうふうに組み立てていけば面白い構成になるかと考えることを専門としているのが演出家ですが、それができると大学の授業だってきちんと構成を考えて、一つの授業を組み立てることができるようになります。小説を書くときにも繋がりますよね。ビジネス書を書くときにも繋がります。全ての活動は、全部が全部、お互いに影響を与えあっていて繋がっている。これは僕の活動に限らず、人間誰もがそうだと思うんです」

「これはあの有名なスティーブ・ジョブズの『すべては点と点が繋がっていて、意味があるんだよ』という言葉とつながる部分があるかと思います。スティーブ・ジョブズの場合は、時系列で、昔やったことが役に立ったという意味でしたけれど、泉さんの場合は今やっている様々なことを、全部統合して役に立っている」

「そうですね。本当にそう思います」

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