一瞬で人生を変える パラダイムシフト・インタビュー

日本の自己啓発の第一人者クリス岡崎による対談を毎月更新!

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インタビュー特集

泉忠司

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「1位になっちゃうと」

「1位になっちゃう。ということは、国語では目の前にいるこいつに勝てばいいんだと、簡単にイメージできるじゃないですか」

「つまりライバルが日本全国のどことも知れない誰かではなく、目の前の人になったと」

「それでまた3ヶ月勉強して、彼らより自分が勝ったなと思った状況で、予告したんですよ。俺全国1位取るからと。予告ホームランですね」

「何かをするときに、モチベーションって2種類あるんです。ひとつは何が何でもやり遂げるという強い意志。もうひとつはたいしたことないんじゃないか、俺でもできるんじゃないかと思ったときにできてしまうもの。泉さんのモチベーションは後者ですね。気づいてしまったという。あと3000人抜くにはどうしたらいいということではなく、5人になって、一人一人の実力が見える状況になったら、分かるようになった。これは大きな気付きですね。そうなったら、もうあとは勉強すればいいじゃない、と。でも、『こいつらに勝つ』というのも大変じゃなかったですか?」

「いろいろ工夫しますよね。その辺が本物の『ドラゴン桜』と言われる所以ですが、僕が勉強を始めたのは高校2年生の秋だったので、時間がないのが分かっていて、100のことを100で覚えようとするのではなく、いかに1で済ますかを考え始めるんです」

「ふつうは1じゃなくて、20ですよ、そこ」

「全然できなくて、偏差値30だったのが良かったんですよ。疑問しかないんです。やることなすこと」

「全部分からない」

「意味が分からないことだらけ。たとえば英語で不定詞はto+動詞の原型ですが、僕は不思議でならなかったんです。なんでtoなんだ、と。そのうちに、自分の中で『こういう理由でtoをつけるんだ、だからこういうときにはtoをつけなきゃいけないんだ』と、ストンと落ちたんですよね。そうしたら、カッコ抜きの問題で、toを入れたくてしょうがなくなったんです。そうしているうちに、一発で解決しました」

「素晴らしいですね。できるようになるには最短でどうしたらいいかという方法ですね。その気付きで勉強を工夫して、全国模試1番取るぞと言って、実際に取ってしまった。さらに、その高校生はその後、ベストセラー作家となって何百万部も売り上げるという状態になります。これは模試1位より難易度が高いと思うんですけども、そちらとも繋がってくるんでしょうか」

「繋がります。方法論が同じなんですよ。人間の活動は全部繋がっているんだと気づいたのは大学3年生のときです」

「何があったのですか?」

「大学の課題で英文学のレポートを書いていたんです。そうしたらふと気づいたんですね。自分がいま書いている文章の方法や頭の働かせ方は、数学の図形の合同を証明したときと同じじゃないか、と。高校生の時に、確かに偏差値上げるために勉強やりましたけど、やっぱり分からなかったのは、なぜ図形の証明をしなきゃいけないの、二次関数解かなきゃいけないの、ということです」

「たぶん今でも皆、分かっていないでやっていると思いますけどね」

「今、40歳になっていますけど、大学受験終わってから合同の証明したこと一度もないですよ」

「テストだけですよね」

「けれども、実際に証明そのものはしないけれど、そのとき使っていた頭の働かせ方が文章書くときに使えているんだという気づきがあったんです。英文学のレポートと数学の問題は対極にあるようなイメージですね。そこで、『ああ、人間の活動って全部繋がっているんだ』と思ったんです。学校でやってきたことはずばり、いろんな形でエッセンスとして、自分の生き方に取り入れられているんだと気付きました。繋がっているんだったら人間の活動を縦に割っていくのではなく、一つの活動としてやっていけばいいんだなと、大学3年生の時に思ったんですよ」

「どの職業かというよりも、関連するすべてのことを自分の基を支えていく形でやっちゃえばいいと」

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