一瞬で人生を変える パラダイムシフト・インタビュー

日本の自己啓発の第一人者クリス岡崎による対談を毎月更新!

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インタビュー特集

泉忠司

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「これがどう100万部に繋がっていくかというと、大学受験の時に偏差値を上げていった方法と小説を書く方法、映画で主演する方法と何かプロデュースしてヒット商品を生み出す方法は同じなんです。自分の中で方法論が出来上がっていて、通す素材が違うだけなんです。英語を通せば偏差値75になって出てくる、小説を通せばベストセラーになって出てくる」

「人間活動、全部繋がっちゃっているんだ」

「大学受験で培った方法論でやってきて、すべて成し遂げてきている状況です」

「直接ではないけれど原理は一緒というところですね。これが二つ目の気づきです。一つ目は、全国ナンバーワンは大変そうだけど一回細分化してみたら割と身近な人たちでもできちゃった、というところですね。そして二つ目は、人間の活動はみんな結局どこかでつながっていて意味があるんだと。こうなってくると、今やっている無駄そうなこともつらそうなことも、本当は意味があるとなるわけですよね。では三つ目があるんじゃないかなと思って、いいですか?」

「これが先ほど話したやつです。人間の欲に際限がないと気づいたのが僕にとっては大きな気付きです」

「幸せに関する気づきですね」

「僕自身、全国ナンバーワンはたいしたことないんだと気付き、そこからさらに発展して気付いたのは、『人間ってすごいんだ』ということです。スカイツリーを作り、ロケットを作り、ケータイ電話を作り……これはとんでもないことですよ。人間ってめちゃくちゃすごいんだって。そんなすごい人間の一人なんだから、自分もなんでもできる、と。それから二つ目の方法論を覚えれば多くのことを成し遂げられる。この二つに気づいたことで、貧乏時代にどうしても欲しくて仕方なかった、何かモノを手に入れるというのを実現することができました」

「モノは見えますしね」

「しかも、やりたいことはどんどんやっていくことができた。でも、自分が実際に何かを手に入れても、次に欲しい物がすぐに出てくる。でも、何かを手に入れても幸せというわけではないんだなと、そこに気付きました」

「それに気づいてなかったら、ずっと『あれも欲しいこれも欲しい』『あれもやりたいこれもやりたい』になってしまったけれども、飽きることなく求め続けることではなく、その先には結局限界があるって見えちゃったんですね。今の100倍物を持っていても不満な未来があるということに。餓鬼地獄ってあるじゃないですか。いくら食べてもお腹いっぱいにならない。たくさん食べて満足するんじゃなくて、今あるもので幸せになる方法があるんじゃないかと」

「そこで気づいたのが、幼いころ家族で食べに行ったコロッケ定食なんです。今、振り返ってみると家族との幸せな時間の思い出なので、僕にとっては幸せな時間だったんですよ。このことに、後からようやく気付いたんです」

「これも何かのきっかけでハッと気づいたわけですか」

「そうですね、一瞬です。今ある状態を幸せだと感じる心があればいいんだと。その瞬間から、僕はいつでも幸せだと言えるようになったんですよ。これがあれば幸せ、これができれば幸せではなく、その瞬間から僕は、生涯最高の人生を歩む気づきを得ることができました。 その次に思ったのが、自分が欲しいではなく、視点が他者に向くようになったんですよ。ギリシャに旅行した時に、サントリーニ島に行ったとき、ロンドンの旅行代理店で予約して行ったホテルに予約が入ってないということがありまして」

「ときどきありますよね」

「フロントで副支配人とオーナーの息子が口論していたんですよ。僕が持っているバウチャーを『これは絶対ニセモノだ』と。タクシーの運転手から買ったならニセモノの可能性が高いとか、ああだこうだ言い合っているうちに、旅行代理店に電話してもらったら単純にファックスし忘れていたことが分かったんですね。『疑って悪かった』と言われたんですが、泊めようにも部屋がない。そこで周りで同じランクのホテルを紹介してくれと言ったけど、今の時期はもうない。最高のホテルか最悪のホテルかどちらかしかないと。どうしようかと思っていたら、おもむろに電話をかけ始めて、今部屋が取れたと。この地域で一番いいホテルの一番いい部屋が空いていたんです。そこに3泊ですよ。そんなものは払えないと言ったら、彼が「うちのホテルが出す」と言ってくれました。彼いわくドイツに旅行した時に日本人にすごく親切にしてもらった経験があるのだと言っていて、日本人が助けてくれて本当に救われた。あの時の日本人にお返しできないから、代わりに今困っている日本人であるお前にお返ししたいと言われたんです」

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