『ここが違った! 株で稼ぐ人、損する人』株で損をする前に、必読の一冊

連載

第3回

 今、副業などで大いに注目を集める株取引。テレビ番組などで芸能人が株で儲けたり損をしたりという姿が映し出され、「自分もやってみようかな」と思ったことがある人も少なくないはずです。

 もちろん、これまで繰り返してきたように、生半可な気持ちで株に手を出すと損をしてしまう可能性が高いのは確か。
 株式スクール冨田塾を運営する個人トレーダーの冨田晃右さんの著書『ここが違った、株で稼ぐ人、損する人』(集英社/刊)では、株で長期的に稼ぐ力を身につけるためには、プロトレーダーになる必要があると述べられています。
 トレーダーといえば、いつも複数のパソコン画面を見て、素早い判断で株の売買をしているキレ者というイメージがありますが、トレードを始めるときにどのようなことに気を付けるべきなのでしょうか? 連載3回目の今回は、プロトレーダーへの道を歩むために必要な考え方について紹介しましょう。

「カリスマトレーダー」の言うことは信じるな!?

 世の中には「カリスマトレーダー」と言われる人たちが数多くいます。もちろん、本物のカリスマもいますが、冨田さんいわく、大多数は「一時的な大成功でしかないものを、過剰な演出を施して成果を大きく見せている」だけ。これまでの売買成績表を公表していても、恣意的にマイナスを隠して利益だけを見せる方法もなくはないそうで、あまりにも簡単に信じてしまうのは危険です。
 初心者の場合、どうしてもそういったカリスマトレーダーに目がいってしまいがちですが、安易に信じてはいけません。プロトレーダーとして大事なことは、数字ではなく考え方ややり方だということを肝に銘じ、気になるトレーダーがいれば、投資理論やスタンスに着目して研究してみるといいでしょう。

「株価チャート」はトレーダーにとっての相棒だ!

 個人トレーダーたちがいつも見ている「株価チャート」。これは長時間、継続的に稼ぐために必要不可欠。チャートをしっかり見定める目を養い、値動きの起こるポイントを発見できるようになることが稼げる個人トレーダーになるために必須なのです。
 チャートには無料と有料のものがありますが、もちろん有料のもののほうが情報量も多く、分析しやすい上に、月額も2000円程度。ここをケチってしまう人は、個人トレーダーには向いていないと冨田さんは指摘します。
 株価チャートは個人トレーダーにとって、料理人の包丁と同じ。プロトレーダーは質のよいチャートにお金を惜しみません。「プロは道具にこだわるべき」ということは株取引の世界でも同じことなのです。

あなたは「ババ抜き」が強いですか?

 本書には、20個の問いから読者がプロトレーダーに向いているかどうかを診断するテストが掲載されており、非常にユニークな質問が並んでいます。それらは全て、プロトレーダーとしてお金を稼ぐために必要な要素を問うものばかり。
 例えば「あなたはトランプの『ババ抜き』が強いですか?」という質問があります。「ババ抜き」といえば比較的運の要素の強いカードゲームだと思いがちですが、他人が出すサインをうまく読みとり、ババをうまく避ける力が必要ですし、もしババをひいてしまったとしても、冷静に振る舞う力が大事です。
 トレードは儲かることも、損することもあります。そんなときにも冷静で、慌てず騒がずにいることがプロの条件だといえます。

 本書はこうした点を踏まえた上で、チャートの読み方を解説してくれるので、実際始めるとなったら、ぜひ参考にしてみてください。
 そして、次回の連載最終回では、プロであり続けるために必要なこと、その思考法について触れていきます。「年齢・性別・学歴・職業などは一切関係ない」というのがトレードの大きな特徴。普通の人でも株トレードで成功できる、その最後のエッセンスについてご紹介していきます。

(新刊JP編集部)

目次

第1章:
あなたが「株で損をしている」15の理由
  • 「自分は株で儲けられる」と信じている
  • 「自分は個人投資家である」と名乗っている
  • かつて株で儲けた記憶をいまだに忘れられない
  • すぐに結果が出ると患っている
  • とにかく「株で大儲けしたい!」と考えている
  • 日常生活の一部としてなんとなく株式投資を行っている
  • 株式投資によって企業を応援したい
  • 新聞やニュースを見て株価予想するのが大好き
  • 「会社四季報」をいつも手放さない
  • 儲けるチャンスは誰にでもあると思っている
  • 「特ダネ」や「ブランド」が大好き
  • 予測と予想を、同じ意味だと思っている
  • 大きく損が膨らんだ株を放鐙している
  • 損をしたことをすぐ忘れてしまう
  • 「あなたの趣味は何ですか?」と聞かれて、「株です」と答えている
第2章:
チャンスをつかんで前に進もう!
  • 人生で、ドキドキするのはどんなことですか?
  • 過去を楽しむことができますか?
  • 絶対にだまされたくない!と思っていませんか?
  • 競馬場へ行って馬券を買わずに帰れますか?
  • お金持ちだけでなく、お金を稼げていない人とも付き合っていますか?
  • ためらわずにお金を使えますか?
  • 最後に笑うために、今、リスクを取れますか?
  • 頭でっかちになっていませんか?
  • 「迷い」のサインを受け止めることができますか?
  • 「簿記」という言葉に苦手意識がありませんか?
  • サラリーマンだから…を言い訳にしていませんか?
  • 人の話をすぐ鵜呑みにしていませんか?
  • 行き詰まったときの解決方法を持っていますか?
  • 過去の自分が好きですか?
  • カフェで聞き耳を立てたことがありますか?
  • 「夜行バスには乗らない!」という選択ができますか?
  • 異業種交流会に頻繁に参加していませんか?
  • 会社員であることを大切にしていますか?
  • 株の本ばかり読んでいませんか?
  • 神社の参詣で察銭箱に5円玉を投げ入れていませんか?
  • 「銀行に預けておけば安全」、そう思っていませんか?
  • カリスマ投資家の手法ばかり気にしていませんか?
  • 証券マンは株のプロだと思っていませんか?
  • 株の「買い物依存症」になっていませんか?
  • 株主優待や配当生活を夢見てはいませんか?
  • 時には、わざと負ける勇気がありますか?
  • 買った株が「ドカーン」と上がると思っていませんか?
  • その「勝てる自信」に根拠はありますか?
第3章:
さあ、プロとしてトレードを始めよう!
  • 「プロトレーダー」になる、と決める
  • トレードを始める前に整理しておきたいこと
  • 初期投資がほとんどいらない
  • 本業がうまくいくようになる
  • 信じるのは自分だけでいい
  • 一人でできる
  • 日中は自由に好きなととができる
  • カリスマトレーダーの97%は嘘である
  • プロトレーダーがこっそりやっている「稼ぎ方」はこれだ!
  • 簡単診断! あなたの「プロトレーダー度」は?
第4章:
株の稼ぎ方は、すべてチャートが教えてくれる
  • 株価チャートって、そもそも何?
  • 自分で分析するな!分析してあるものを使え!
  • 株価の気持ちを読み取ろう
  • 企業業績なんて気にするな
  • 株式相場はオークションと同じだ!
  • 株価予測は天気予報に学べ!
  • トレードカとはカンニングカだ!
  • 長く稼ぐトレーダーだけが知っている売買法
  • 株は店頭や電話で買うな!
第5章:
ここが違う!冨田流チャートの読み方
  • 「冨田流」チャートの読み方の極意とは?
  • 「冨田流」チャートの読み方のメリットとは?
  • 相性の良い指標を組み合わせる
  • 図解!チャートのここを見ろ!
  • 39週移動平均線を使ってみよう
  • 26週移動平均線を使ってみよう
  • だまされることもあると、知っておく
  • 株価の上がり方・下がり方
  • ロスカットはいつ判断するか?
第6章:
株でお金を稼ぐ人になるために大切なこと
  • ブロであり続けるために、絶対にやってはいけないこと
  • ノウハウコレクターになってはいけない
  • いいセミナー、悪いセミナー
  • お金を稼げる人、稼げない人の思考法
  • お金のことばかり、考えない
  • 株で損をしている人へのお願い

著者プロフィ―ル

冨田 晃右
株式スクール冨田塾代表
株式会社日本トレード技術開発代表取締役

1970年生まれ.京都府出身。同志社大学経済学部卒業。大手会計事務所で税務コンサルティングを担当、数回の転職を経て、株のトレーダーとなる。多数の売買を繰り返し、試行錯誤を重ねて景気や業績でなく株価の値動きだけを見て売買する冨田流の「稼ぐ株式トレード手法」を確立。2005年より
個人トレーダーへの育成を開始。2010年、株で損している個人投資家や、株の初心者に冨田流の売買法を伝える「株式スクール冨田塾」を開校。東京、名古屋、京都、大阪、福岡など全国15カ所以上で、これまでに1200名を超えるプロ個人トレーダーを世に送り出している。

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