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「飾る」「演じる」「隠す」
「自分を」という主語がついた場合、これらの言葉はネガティブなイメージを与えるが、脳の働きに関して言えば、「自分を飾る」「自分を演じる」ことは悪いことではないらしい。
ところで、巷には「私らしく生きたい」とか「自分らしく頑張る」という表現があふれているが、「私」というものは他者との関係、他人との繋がりの中で形作られていくものであるので、「私らしさ」とか「自分らしさ」というのは本人にはわかりようがない。
あなたが認識している自分“自分らしさ”と、他人が認識しているあなたの像には大きなずれがあり、そのずれが今も昔も多くの人々を悩ませ続けているのである。
他人から見たあなたと、あなたから見たあなた。
そのギャップはどうして起こるのか。
そこには大きな理由がある。
本書は脳科学者の茂木健一郎が、脳の働きという観点から、化粧をはじめとした「自分を飾る」行為にどのような意味と効果があるのかということを記した一冊だ。
本書によると、人間は他人から見た自分像を読み取って、その自分を演じる性質がある。そして他人から望まれている自分を演じることは、少なくとも脳にとってはごく自然なことのようだ。
自分だけの思い込みではない、社会性を獲得した自分像を手にするためのヒントが、本書には詰め込まれている。
他人との折り合い、自分との折り合いに悩む人にとっては救いとなる一冊かもしれない。

茂木 健一郎(もぎ けんいちろう)
脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、 東京工業大学大学院連携教授、早稲田大学国際教養学部非常勤講師。
1962年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。 理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。
主な著書に、 『脳とクオリア』(日経サイエンス社)『心を生みだす脳のシステム』『脳内現象』(以上、NHK出版) 『意識とはなにか』『「脳」整理法』(以上、ちくま新書) 『脳と仮想』(新潮社) 『感動する脳』『脳を活かす仕事術』『すべては音楽から生まれる』(PHP研究所)『脳と創造性』(PHPエデイターズ・グループ)『クオリア降臨』(文塾春秋) 『プロセス・アイ』『やわらか脳』(以上、徳間書店)『ひらめき脳』(新潮新書)などがある。
