本書では「落書き」という表現が使われているが、これは、平たく言えば、「思いついたことを何でもいいから書く」ということだ。思考力に限りない自由を与え、とにかく何でも思いついたことを書いていく。そして、その無秩序な「落書き」を、関連づけながらまとめていったものが「マインドマップ」である。
本書は「マインドマップ」という、カラフルで放射状に枝分かれする奇妙なフローチャートのような「地図」が、脳の潜在能力を引き出し、あなたの力となってくれることを、様々な例を用いながら説明している。しかも、このマインドマップでカバーできるビジネスの領域は「ほぼ全て」である。企画立案だけではない。サポートシステム、顧客管理、コミュニケーションや面接時の自己アピールの方法、さらには今、話題の「ワークライフバランス」にまで使うことができる。
もし、果たして自分の人生がこれで良いのか考えていたり、自己アピールの方法に悩んでいたり、自分の発想力に失望している人がいれば、本書を読んで欲しい。今まで切り捨ててきた「無駄だと思い込んできたはずの思考」がどれだけ重要であったかを身に染みて感じるだろう。少なくとも、この解説を書いている筆者はそう感じている。
トニー・ブザン(Tony Buzan 1942~)
イギリスの著述家。
マインドマップの発明者であり、脳と学習の世界的権威。ブリティッシュ・ペトロリアム、GM(ゼネラルモーターズ)、ウォルト・ディズニー、IBM、ブリティッシュ・エアウェイズなどの多国籍企業でアドバイザーを務め、国際的な主要企業、大学、学校で定期的に講演を行っている。2000年には、英国、シンガポール、メキシコ、バーレーン、クウェートなどの湾岸諸国、リヒテンシュタイン公国などの政府および政府機関で主要な教育構想に着手している。
主な著書に「頭がよくなる本」、「ザ・マインドマップ」、「マインドマップ(R)for kids勉強が楽しくなるノート術」などがある。
最初に述べておくと、マインドマップとは「芸術」である。個人もしくは複数人で生み出す1つの「芸術作品」なのだ。マインドマップは普段慣れ親しんでいなくても、自己のアイデアや発想を解放し、いかんなく発揮してくれる「思考の芸術」と言える。
本書ではマインドマップの基本的な考え方と構造をまず解説してから、具体的なケースに沿ってどのように書いていけばいいかを教えてくれる。
この本を読むと、「脳」という単語を頻繁に見かけるだろう。そして、自分の「脳」はまだ眠ったままだと感じるだろう。その次の瞬間、あなたはマインドマップという「芸術」を書き出しているはずだ。「ばかげたことを真剣にやる」ということも厭わずに。
書店でチェックこの本は、マインドマップを子供向けに紹介した入門書である。いや、入門書というと少し感じが違うので、教科書と言った方がいいだろう。とにかくカラフルで分かりやすく、そして地理や歴史、算数、英語といった学校の科目に即したマインドマップを紹介し、説明している。
基本的な構造を理解するなら『仕事に役立つマインドマップ』や『ザ・マインドマップ』よりも分かりやすいので、ビジネスパーソンでも最初はこちらが役に立つかも知れない。
これを読んでいるあなたは、「関ヶ原の戦い」でマインドマップを作れるだろうか。是非挑戦してみて欲しい。そして、見本となるマインドマップがこの本の30P、31Pに載っているのでチェックしてみよう。
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