新刊くん

お坊さんが教える「悟り」入門

お坊さんが教える
「悟り」入門

定価: 1,300円+税
著者: 長谷川俊道
出版社: ディスカヴァー・
トゥエンティワン
ISBN-10: 4799314688
ISBN-13: 978-4799314685

amazonでみる

解説

 お金や仕事、健康、将来など、私たちはさまざまなことで悩みます。
 そんな時は、友だちや家族に相談したり、一人になって考える時間を持ったりと、なんとかその悩みを軽くしようと努めますが、どうしてもうまくいかなかったら「仏教」の教えに触れてみるといいかもしれません。
 本書は、現職のお坊さんである著者が、私たちの直面するさまざまな悩みや困難から心を楽にしてくれる仏様の教えを紹介してくれる一冊。
 たとえば「恋の悩み」には、こんな教えが効くかもしれません。

■執着を捨てる

 仏教用語の「喜捨」とは、読んで字のごとく「喜んで捨てる」という意味。
 何を捨てるのかというと、「自分の執着」です。
 たとえば、「私はこんなに彼に尽くしているのに、彼は私に何もしてくれない!」ということで彼氏に不満を持っている人には「これくらいしてあげたんだから、このくらいはしてくれるよね?」という、自分の行動への執着があります。
 これを捨てて「相手が喜んでくれるなら、それでいい」と考えるようにすると、人のために行動することの抵抗がなくなり、相手から何も返ってこないことに思い悩むことはなくなるはずです。

■「ありがとう」を伝える

 普段意識せずに使っている「ありがとう」は漢字で書くと「有難う」になります。
 これは「得生人道難 生寿亦難得(人として生まれることは難しく、今生きていることも有難いことだ)」という仏様の言葉が語源になっているともいわれています。
 つまり、自分が今生きてること自体が奇跡のようなものであり、自分の身の回りにいる人が生きていることも奇跡、そんな人と出会えたことも奇跡なのです。
 そう考えると、身の周にいる大切な人に対してやさしい気持ちを持って「ありがとう」と言えるはず。ぜひとも「巡り会えた奇跡」に思いを馳せてみてください。

■誰かと自分を比べない

 恋人との関係がうまく行っていないと、つい友達のカップルと自分たちを比べては、うらやんだり不満を溜めたりしがちです。
 しかし、人と比べている限り、幸せを感じることはできません。どんなに比較しても他人になれるわけではありませんし、そもそもその人が幸せかどうかわからないからです。
 自分の幸せは自分で決めること。もし今の生活に不満があるなら、何気ない日常に目を向けてみてください。いたるところに小さな幸せは転がっているはずです。

 本書には、恋愛に限らず、あらゆる悩みに対して私たちの気持ちを楽にしてくれる仏様の教えが、お坊さんとして仏に仕える著者の言葉でわかりやすくつづられています。
 手にとってみると、あなたの悩みにぴったりマッチする言葉が見つかるはずです。

目次情報

  • プロローグ
  • 第1章 身を整え、呼吸を整え、心を整える
  • ・「ありがとう」を伝える(有難し)
  • ・「いのち」のつながりに目を向ける(諸法無我)
  • ・誰かと自分を比べない(主人公)
  • ・身を整え、呼吸を整え、心を整える(身心一如)
  • ・こだわりを捨てる(執着)
  • ・辛さや悲しさを味わう(四十九日)
  • ・不安は受け流す(諸行無常)
  • ・占いは気にしない(運命と宿命)
  • ・自分と向き合う時間をとる(リトリート)
  • ・善い行いを心がける(因果応報)
  • 第2章 喜捨 ―― ためこまない生き方
  • ・執着を捨てる(喜捨)
  • ・他人を助ける(陰徳)
  • ・イライラする気持ちを洗い流す(お布施と三毒)
  • ・戒律を守って生きる(本証妙修と十善戒)
  • ・「戒名」ってなんだろう(授戒)
  • ・まず、自分を好きになる(布施波羅蜜)
  • ・小さな成功体験を積み重ねる(精進波羅蜜)
  • ・口に出す言葉を意識する(言霊)
  • ・言葉の裏にある気持ちを思いやる(愛語)
  • ・「いただきます」「ごちそうさま」と言う(五観の偈)
  • ・全ての「いのち」に敬意を払う(悉通仏性)
  • 第3章 人はなぜ生まれ、死んだらどこへ行くのか
  • ・人はなぜ生まれてきたのか(六道輪廻)
  • ・人は死んだらどこへ行くのか(死後の世界)
  • ・霊魂はあるのか、ないのか(霊魂)
  • ・宗教はなんのためにあるのか(解脱)
  • ・死を受け入れる(日々是好日)
  • ・自分の最期を自分で選択する(尊厳死)
  • ・どうして人を殺してはいけないのか(不殺生戒)
  • ・自らいのちを絶つということ(自殺)
  • 第4章 これからの「お寺」との付き合い方
  • ・「お寺」はなんのためにあるのか(寺・僧侶)
  • ・「お葬式」はなんのために行うのか(葬式)
  • ・四苦八苦、七五三……数字の意味は?(仏教にまつわる数字)
  • ・少子高齢化時代の「お墓」のあり方(墓)
  • ・「お彼岸」に故人と心をひとつにする(彼岸)
  • ・法事ではなぜ「塔婆」を立てるのか(法事と塔婆)
  • ・「お盆」には自分の背筋を正す(お盆)
  • ・お盆になぜ茄子やキュウリで乗りものをつくるのか(精霊棚)
  • ・「友引にお葬式をしない」のはなぜか(六曜)
  • ・心にしみる「お経」の秘密(棚経)
  • ・祈りは、時空を超える(祈)
  • 第5章 小さなことにくよくよしない
  • ・お釈迦様が悟った4つの真理(四法印)
  • ・なかなか就職が決まらないあなたへ(人生相談1)
  • ・自分は評価されていないと感じているあなたへ(人生相談2)
  • ・いつも他人と比べてしまうあなたへ(人生相談3)
  • ・出会いがなくて困っているあなたへ(人生相談4)
  • ・愛する人との別れに苦しむあなたへ(人生相談5)
  • ・子育てに悩むあなたへ(人生相談6)
  • ・感性豊かなお子さんを育てたいあなたへ(人生相談7)
  • あとがき

プロフィール

長谷川俊道(はせがわ としみち)
天文12年(1543年)創建の瑞岩寺副住職。社会福祉法人毛里田睦会理事長(札幌市麻生むつみ保育園、横浜市北寺尾むつみ保育園、毛里田児童クラブを運営)。毛里田保育園園長。
1967年2月27日、群馬県生まれ。駒澤大学仏教学部禅学科卒業後、福井県の永平寺で3年余り修行。修了後は永平寺から群馬の自宅まで1か月かけて托鉢しながら帰宅する。その後、東京・東久留米のお寺を経て、ハワイのパールハーバーのお寺に赴任。お寺が財務公開していることや葬式の安さ(1回100ドル)などにカルチャーショックを受ける。
7年半ハワイで住職として過ごした後、日本に帰国し、実家の瑞岩寺の副住職に就任するも経営状況の悪さに愕然とし、まずは補助金をあまり当てにしない保育園経営に着手。
群馬県の保育園で初めてISO9001を取得するなど顧客満足度の向上に取り組み、当時56%だった顧客満足度が95%まで上昇。今では他県からも園児がやってくるほどの人気保育園となる。また、お寺の改革についても、お寺でコンサートやライブ、講演会を主催したり、周囲の大反対を押し切って収支計算書をホームページにアップし、財務諸表を檀家にペーパーで配布するなど、伝統的なお寺としてはありえない新奇の経営を断行。
モットーは、すべての人に「あなたに会えてよかった」と言われること。現在、「こまった時の聴きこみ寺」というポッドキャストの番組を持ち、人生相談・悩み相談も行っている。夢は、境内に特別養護老人ホームやデイケアサービスなどの複合施設を建立し、「生老病死」の四苦に寄り添うお寺を実現すること。


お坊さんが教える「悟り」入門

定価: 1,300円+税
著者: 長谷川俊道
出版社: ディスカヴァー・
トゥエンティワン
ISBN-10: 4799314688
ISBN-13: 978-4799314685

amazonでみる