書評

 みなさんは普段のスキンケア、どのようにしていますか?
 初夏から真夏にかけての今の時期は、エアコンによる乾燥や紫外線など、肌にとって非常に厳しい季節。特に念入りにケアしているという人も多いでしょう。しかし、ちょっと待ってください。そのスキンケア、本当にあなたの素肌を美しくしていますか。
 実はスキンケアについての正しい知識がなければ、せっかくのケアも、逆に素肌を痛めてしまう可能性があるのです。

「塗りすぎ」が肌体力を衰えさせる

 高級な化粧水、美容液……とにかく塗りたくることで安心していませんか。スキンケアで大切なのは、肌のコンディションに合わせた必要十分なケア。毎日何も考えずにフルラインナップでお手入れをすることは、肌を甘やかして本来の力を低下させる上、別のトラブルも招きかねません。
 さらに悪いことに、その日の汚れをしっかり落とせていないところに、スキンケアグッズを塗りこんでしまうという悲惨な例も。肌に汚れが残っていたり角層が厚くなっていると、化粧水や美容液は浸透しません。せっかくの高級なスキンケアグッズも無駄になってしまいます。肌は自ら美しくなる力を持っていますが、自らの力で汚れを取り除くことはできません。まずは正しい洗顔で肌の汚れを取り除いてあげる必要があるのです。

「落とし過ぎ」が繊細な素肌を傷つける

 汚れを落とすことが大切と聞くと、力強く洗顔をしてしまいがちですが、それこそ本当に危険なスキンケアです。わずか0.02ミリの角層は、ちょっとした摩擦でもすぐに傷ついてしまいます。ゴシゴシ洗いは肌のバリア機能の低下を促す上、くすみや色素沈着といったトラブルも招いてしまいます。
 洗い方だけでなく、洗顔剤にも注意しなければいけません。洗浄力の高い洗顔剤は、肌のバリアとなる皮脂を取り過ぎてしまうことも。また、「汚れを全部落とす!」と何回も洗顔したり、洗顔剤に使われる合成界面活性剤が肌に残ったりすると、残すべき角質まではがれてしまいます。
 これらは、乾燥肌の原因になるほか、肌のベタつきや毛穴の開き、ニキビのトラブルに発展することがあるので、洗浄力の高い洗顔剤を使うことは控えた方が良いでしょう。

外側からのケアだけでは美肌はつくれない

 ところで皆さん、スキンケアを肌の外側からのケアだけだと思っていませんか。それではせっかく正しいスキンケアをおこなっても、素肌美人はつくれません。あなたの食事や生活習慣が、美肌づくりを妨げているかもしれません。

 例えば女性の多くがチャレンジしているダイエット。炭水化物や肉などを避けて行う過度なダイエットは、体重とともに筋肉が落ち、それと一緒に肌もたるんでしまう危険性があります。身体は脳や内臓などの生命維持に関係する場所へ優先して栄養を送るため、髪や爪、肌に充分な栄養が届かずに衰えてしまうのです。
 また、ホルモンバランスによって、肌も変化をしています。そのため、生理周期に合わせてスキンケアも変えていく必要があります。
食事と生活習慣の改善が、内側から美肌づくりを助けてくれるのです。

間違ったスキンケアを続けないためには

 このように、いくらスキンケアを頑張っていても、その方法が間違っていると肌は確実に老けていきます。ではどのようにケアをすれば良いのでしょうか。

 『素肌美人をつくる トータルスキンケアBOOK』(千堂純子/著、幻冬舎/刊)は、たくさんのイラストや図表を使いながら、スキンケアのイロハを教えてくれる一冊です。
 素肌美人になるための肌のしくみから、「最近なんとなく化粧ノリが悪い」「くすみが気になる」「シミ、しわが増えた」といった悩みの解決方法まで、幅広いニーズに対応しているのでぜひ参考にしてみてください。

(新刊JP編集部)

著者プロフィ―ル

著者プロフィ―ル写真

千堂 純子(jyunko sendo)

株式会社ヴァーナル代表取締役。20年以上に渡ってスキンケア製品の開発に携わる。2011年4月、株式会社ヴァーナルの代表取締役に就任。以後、洗顔美容による素肌美づくりや美しく生きるためのメッセージをさまざまなメディアにて発信。鋭い洞察と軽やかな語り口調で好評を得ている。

目次

chapter.01 About Skin
  • 素肌美人になるために、肌のしくみを知りましょう
  • 肌はどんな役割を担っているの?
  • 美しい肌の条件とは
  • 肌の奥はどうなっているの?
  • 肌は菌と共生していた!
  • 肌を老化させる3大要因とは?
  • 自ら美しくなろうとする肌の3つの力
  • 【よくあるQ&A】 肌のしくみについて
  • 赤ちゃんの肌が美しい理由
chapter.02 Washing
  • 正しい洗顔こそが美肌づくりの基本
  • 肌は自分では汚れを落とせない
  • 洗顔剤はどうやって汚れを落としているの?
  • 界面活性剤と上手につき合う
  • 洗顔剤の種類と特徴
  • 洗顔によるトラブルが多いワケ
  • アルカリ性と弱酸性、肌にいいのはどっち?
  • せっけんがいい5つの理由
  • せっけんならなんでもいいの?
  • 美肌づくりには「ダブル洗顔」
  • 美肌のための正しい洗顔
  • 【よくあるQ&A】 正しい洗顔について
  • 話題の酵素洗顔って?
chapter.03 Skincare
  • 洗顔後のお手入れは肌の力を引き出すケア
  • 大切なのは、肌の状態に合わせたケア
  • 美肌は菌でつくられる
  • 肌の力を引き出すケア
  • 1.化粧水
  • 2.美容液
  • 3.乳液&クリーム
  • 日中のケア1 UVケアのために紫外線量を知る
  • 日中のケア2 日焼け止めの種類と選び方のポイント
  • 日中のケア3 UVケアの正しいお手入れ方法
  • スペシャルケアにはシートマスクと美顔器を
  • 【よくあるQ&A】 「肌の力を引き出すケア」について
  • 無添加化粧品、ナチュラルコスメとは
chapter.04 Lifestyle
  • 食事と生活習慣の改善が、内側から美肌をつくります
  • 美肌をつくる栄養素
  • 美肌をつくる副栄養素
  • 抗酸化食品を上手に摂って老化を食い止めましょう
  • 油と発酵食品が美肌をつくる
  • 肌悩み別 美肌レシピ
  • 睡眠と肌の関係
  • ホルモンバランスと美肌の関係
  • 運動習慣が血流を上げて肌を健康に
  • うるおい肌をつくる水分の取り方
  • 効果抜群! 今すぐできるストレス解消法
  • 老廃物を溜めない体づくり
  • 【よくあるQ&A】 内側からのケアについて
  • 女性ホルモンと上手に付き合うために
chapter.05 Trouble
  • お悩み別の肌トラブルを解決しましょう
  • 見えないところでつくられて、ある日突然現れる素肌美の宿敵!シミ
  • 見た目年齢をあげるNo.1トラブル シワ
  • まだ気にならない?いえ、一刻も早くケアを始めて!  たるみ、ほうれい線
  • そのカサつきこそ、多くの肌トラブルの元凶!乾燥
  • ケアすればするほど目立つ!?やっかいな肌トラブル毛穴
  • 二度と見たくないのに、繰り返す…、跡が残る…ニキビ
  • せっかくアイメイクをキメても、お疲れ老け顔に… クマ
  • 肌色が冴えないと、気分までどんより  くすみ
  • ボディケアもぬかりなくボディのお悩み解決法
  • 1.乾燥対策
  • 2.パーツ別トラブルケア
  • 3.パーツ別ニオイケア
  • 【よくあるQ&A】 肌トラブルについて
  • 化粧品のレシピ、全成分表の見方
Epilogue
  • あなたの肌に変化が訪れ、素肌美が開花し、そして人生までも明るく輝きますように。
  • スキンケアBOOK用語 INDEX
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