新刊JP FEATURING「izumimirunのvege dining野菜のごはん」レシピの立ち読みもできます

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◆もともと料理大好きで。趣味で、毎日、台所遊んでいます(笑)

矢島
さて、今回は肉料理、魚料理の定番メニューが野菜だけで作れる超簡単レシピ集『izumimirunの「vege dining 野菜のごはん」』の著者、庄司いずみさんにお越しいただきました。庄司さん、今日はよろしくお願い致します。
庄司いずみさん(以下敬称略)
宜しくお願いします。
矢島
あの、こちらの『野菜のごはん』という本、大変話題になっているらしいんですけども、お友達とかご近所の方とか評判とかいかがですか?
庄司
えっと、友達には、「こういうことやってるよ」ってお話している人には、「よく頑張ったね」とか「作ってみたね、美味しかったよ」って言っていただいたりしますけれども、近所の方にはブログやっていることはお話してないし、皆さんご存知ないと思います(笑)。なので、特に反響はないんですけど。
矢島
あの、ブログの方の、読者さんというのかな、ユーザーさんというか、来てくれる人は結構、反響あったりしました?
庄司
そうですね。それはもう、本当に熱くいろいろ応援していただいて。あの、本当に、自分のことのように喜んでいただいて。本当に「自分の本が出たように嬉しい」って皆に言ってもらって、本当に本が出てすぐの頃は、毎日こう、涙ぐんじゃうくらい嬉しいコメントをいただいて、すごく嬉しかったです。
矢島
あのー、庄司さんはこういう料理の本を出されたので、最初は料理研究家とか、調理師とかと思っていたんですが、そうではなくて、フリーライターのお仕事を普段されているんですよね。
庄司
ええ、料理は全然関係なくて。雑誌とか単行本のお仕事をしています。
矢島
なるほど。主婦として、お料理とか家事はされているんですか?
庄司
ええ、子どもいますので、朝昼晩ちゃんと作っていますよ(笑)
矢島
じゃあ、料理がちょっと趣味という感じでブログを始めたという。
庄司
そうです。もともと料理大好きで。趣味で、遊びのようにして、毎日、台所遊んでいます(笑)
矢島
そういうお母さん結構世の中多いと思いますので、いいと思います(笑)。それで、本を出版されるようになったきっかけはなんだったのでしょうか。
庄司
もともと、お料理大好きってさっき言いましたけども、いつか料理の本を出したいなという夢はあったんです。けれども、私の料理は野菜だけの料理なので、そんなにニーズがあるとは思ってなかったんですね。でも、自分で作った料理を美味しかったなと思ってもなかなかもう1回作れないんですよ。調味料とかいちいちメモるわけではないんで、なかなか再現できませんよね。 それで、ただ作って美味しかったもの忘れてしまうのは勿体ないんで、記録の意味でブログを始めたんですね。自分の料理を記録したいって意味でブログを始めたいんですけれども、それがだんだん、いろんな方に声をかけていいただくようになって、「作ってみたよ、美味しかったよ」とか「あのー、こないだのアレ、凄く美味しそうでした」とか言っていただくようになって、だんだんだんだん、いろんな方に声をかけていただくようになったんですけれども、半年くらい経った頃、くらいでしょうかね、「是非本にしてください、いずみさんのレシピ集が欲しいです」みたいなことを皆さんに言っていただくようになって、それがすごく嬉しくて。 ライターの仕事をしてましたんで、出版の方とかと付き合いはあったんですね。で、「こういうことやっていて、いろんな方から声をかけていただくんですけども、なんとかならないでしょうか」みたいな相談、いろんな方にさせていただいたりしていたんですけども、そんななかで、扶桑社さんが「本にしましょう」と言ってくださって。
矢島
おおー。ついにブログの皆さん待望のレシピ集が出来た!ということですね。
庄司
はい!本当にもうラッキーだったと思います。

◆あのマドンナも食べていないんだったら、私もそれでもいいんじゃないかと。

矢島
この『野菜のごはん』なんですけども、本当に野菜をたくさん使っているというか、野菜しか使っていないんですが、こういった野菜のごはんを作ろうと思ったきっかけとか、理由はあるんですか?
庄司
野菜のごはん、野菜のごはん…野菜だけにしようと思ったきっかけですよね。
矢島
はい。
庄司
えーっと、きっかけは出産の頃のことなんですけれども、子どもが生まれてすぐに乳腺炎って、おっぱいのトラブルが起こったんですね。あの、バーンとおっぱいが腫れちゃって、詰まっておっぱいが出なくなっちゃうんですよ。炎症を起こした状態で。そのときにあの、助産婦さんに肉魚、あとは脂っこいものとか、そういうものをしばらく控えるようにと言われて。実際食べたらバーンとおっぱい張って痛くなっちゃうんですよ。 で、しばらく控えていたんですけども、おっぱいって血液から出来ているらしいんですよ。てことは、肉とか魚とかを食べるとそんだけ血液がドロドロになっちゃっているのね、っていう風に思ったりなんかしたりして、だんだん食べる気もなくなってきたというか。と言うと、なんか健康目的みたいで、偉そうな感じなんですけども(笑)。というよりは、ちょうどその頃、マドンナがマクロビオティックやっているとか。
矢島
流行ってましたねー、マクロビオティック(笑)
庄司
(笑)あの、外国のモデルさんがベジタリアンだとか、そういう話をいろいろ耳にするようにもなってきて。もともと魚が嫌いだったんですよ、子どもの頃から。大人になってやっとお刺身が食べられるになんとかなったという感じで、本当にもう偏食な子どもだったんですけども、お肉もそんなガシガシ食べたいほうではなかったし、できれば食べないで済むんだったら食べたくないなというくらいの感じだったんですけども、食べなきゃ身体に悪いかな、と。「好き嫌いしちゃ大きくなれませんよ」って言われて育ってきたんで、頑張って食べていた感じだったんですけれども、あのマドンナも食べていないんだったら、私もそれでもいいんじゃないかと。
矢島
そうですよね。確かに野菜ばっかりって健康的なイメージはありますけども、肉と魚とか全く食べなくて大丈夫なのかなーって、いわゆる栄養のバランスとか、そういった習慣としても、ちょっと心配だなっていうのはあるんですけど、そのあたりどうですか? 肉、魚を使わなくても大丈夫っていうのは…。
庄司
あの、私は栄養士ではないので詳しいことはよく分からないんですけれども、本なんかで見てみた感じだと、タンパク質なんかは例えばお豆腐だとか、大豆製品…あの、高野豆腐とか納豆とかいろいろありますよね。そういうものでも充分補えるし、あとはそうだな、カルシウム? 牛乳飲まなきゃ駄目なんだじゃないかとか思われるかも知れないですけど、それも小松菜とかヒジキとか海藻類ですね。緑のお野菜とか海藻類からしっかり摂れるみたいで、私もあのちゃんと骨密度もはかっていますけども、20歳そこそこの骨密度をちゃんとキープしているらしいですよ(笑)。
矢島
へー、なるほど。それはすごいですね!
庄司
「優等生です」って褒められています、骨密度に関しては。貧血もないですね。
矢島
貧血ないんですか?
庄司
貧血ないですね。
矢島
女性でないって、逆にそれすごいですね。
庄司
あぁ、そうですね。そういえばそうですね。若い頃のほうが肉とか魚食べていたけど、貧血でしたね。なんでだろう。
矢島
なんででしょうね。あの、お子さんを産んで体質が変わったっていうのもあるかも知れませんけども、『野菜のごはん』でもやっぱりレシピとか見る限りではいろんなものを使ってるなぁという。
庄司
そうですね。魚とか肉食べない…超偏食だと思うんですけど、野菜海藻類とかそういうのは全然好き嫌いなくて、もう馬のよう食べるんで(笑)
矢島
ははははは(笑)
庄司
なんか肉とか魚って食べるとお腹いっぱいになっちゃうじゃないですか。
矢島
そうですね。満腹になっちゃいますからね。
庄司
だから逆になんか、もしかして野菜でたくさん食べられるから、栄養がしっかり万遍なく摂れているかも知れないですよね。
矢島
ちょっと分かる気がします。肉とか魚って買ってきて調理しようと思っても、基本的には肉もちょっと縮むくらい魚もちょっと縮むくらいで買ってきた大きさそのままなんですけども、野菜とかってこんなにたくさんボールにあったのに、いざ炒めると「あれ?」みたいな。
庄司
「こんだけ?」みたいな。それ分かります(笑)
矢島
最初料理したとき、それでつまづいたんですよね。野菜炒め作ろう!と思ってやったら、キャベツかなんかを入れたんですけど、どんどん小さくなっちゃって。あれ?って(笑)。最初このお皿一杯だったのになぁ。
庄司
そうそう。ちょっとしか食べてないようでも、すごいたくさん食べているから、それで栄養を摂れているのかも知れないですね。
矢島
そうですね。逆に肉とか魚をたくさん食べる人っていうのは、ひじきとか海藻類とか意外と摂ってないことってありますからね。
庄司
そうですよね。お腹いっぱいになっちゃって、ちっちゃいおかずとかまで手に回らなかったりしますよね。
矢島
分かる気がします、それ。僕も気をつけなくちゃと思ってしまいました(笑)
庄司
いえいえ。

◆自分の家にあるものだけで作っているんで。それも、皆さんに「簡単に作れて嬉しい」みたいな。

矢島
ではですね、レシピの本があるんですけども、今この時期にお勧めのメニューって何かありますか?
庄司
だんだん暑くなってきましたから、夏野菜でしょうかね。
矢島
夏野菜ですよね。
庄司
トマトとかキュウリとかナスとかね。えーっと、そうすると、この「カッパな☆丼」って、キュウリのどんぶりなんですけどね。
矢島
えーっと、本の何ページでしたっけ。
庄司
57ページに載っています。
矢島
「しっかりごはん」という項目ですね。
庄司
そうです。キュウリのどんぶりなんですけども、これすごくさっぱりして、お茶漬け感覚でサラサラって食べれて美味しいですよ。
矢島
これ、面白いですね(笑)
庄司
ええ、本当に作り方も簡単で、キュウリをザクザクって叩き割るくらいの感じで切ってですね、あと、しいたけかな。しいたけもザクザク切って、そのキュウリとしいたけをザッと、あ、あとショウガですね。ショウガ少々刻んでおいて、ザザッと炒めるわけですよ。で、薄い昆布茶ぐらいの感じの昆布茶を入れておいて、それにお醤油と料理酒でちょっと味をつけて、それがタレなんですよ。炒めてそれをジャっと、あんかけみたいな感じにして、片栗粉でちょっととろみをつけて、それをご飯にかけるんですけども。
矢島
なるほど。味はじゃあ若干和風ですけども、ごま油が少し入っているので、それでコクというか旨味というか。
庄司
ちょっと中華などんぶり?って感じですね。美味しいですよ、これ。
矢島
これ美味しそうですねー。
庄司
飲んだあとの〆なんかにもピッタリだし、食欲ないときでも、これ真夏でも美味しいですけど、今、暑いですからね。お勧めです、これ。
矢島
これいいですね。僕、実家に帰れば昆布茶以外は材料全部揃っているので、是非作ろうかなと思って(笑)。
庄司
あ、でも昆布茶は手抜きなんで、昆布茶じゃなければ普通に「だしの素」とか。
矢島
「だしの素」でもいいんですか?
庄司
大丈夫です。「だしの素」とかで普通にお吸い物みたいな感じで味をつけといて、自分の好みの味付けをしてジャっと入れる。
矢島
なるほど、それなら大丈夫です!実家に全部売ってます(笑)
庄司
それは良かった。ちょうど良かったです(笑)
矢島
ではですね、もう1つちょっと聞きたかったんですけど、卵を使わないオムレツとか、お肉を使わないハンバーグとか、結構僕らから見たら「卵使わなきゃオムレツじゃないじゃん」とか、「お肉を使わなかったらハンバーグ作れないじゃん」というような、驚きのメニューがたくさん載っているんですけど、これどうやって思いつくんですか?
庄司
えーっとですね、マクロビオティックとか精進料理とか私、お料理の本大好きで山のように持っているんですけども、だから、そういうマクロビオティックとか精進料理の本でもやっぱり「もどき料理」、ハンバーグもどきとか卵焼きもどきとか出ているんですよ。ただ、材料がちょっと特殊だったり、雑穀を使った卵焼きとか、大和芋を丁寧にすり鉢ですって、とか作り方が面倒くさかったりとかして、私なんか面倒くさがりなんでなかなか手が出ないんですけど、もっと簡単に作れないかなって思って、冷蔵庫にあるものでいろいろ実験するのが趣味みたいなものですね。出来ちゃったよ、みたいな(笑)。
矢島
そうですね。そういう意味だと、この本に載っているレシピのほとんどが、僕、八百屋の息子ですけども、「あー、そういえばうちの店にあったなー」というのが結構あってですね。
庄司
そうなんです。どこの家にもあるもので。てかまぁ、うちも普通の家なんで、特殊なものは置いてないんで。自分の家にあるものだけで作っているんで。それも、皆さんに「簡単に作れて嬉しい」みたいな。
矢島
そうなんですよね。たまにこういうレシピ集とかの本で、ナッツとか豆類とかですか。結構特殊な、「それはなんていう名前なんだ?」っていう、見たことないのがあるので、そういう意味ではどこの日本の家庭にもあるんじゃないかなっていうものが材料になっているので良いんじゃないかなと思いました。
庄司
ええ、すごく気軽に作れるものばかりですよ。

◆本当に野菜は美味しいです。力いっぱい言いますけど。

矢島
あの、レシピの中に卵を使わないオムレツってあったんですけども、僕、小さい頃、実は長男なので、長男ってアトピーとか出やすいじゃないですか。
庄司
長男って出やすいんですか?
矢島
長男出やすいらしいんですよ。前にちょっと別の医学系の本を紹介したときに見たんですけど、卵アレルギーを少し持ってたんですよ。なので、卵アレルギーの子っていうのかな、たいてい克服しますからね。たまに克服できない人いますけども、オムレツとかを食べられないと思うんですけども、逆に卵を使わないオムレツってアレルギーにいいんじゃないかな、と。
庄司
そうでしたね。本に出しているんですけど、卵なしのオムレツとか、卵なしの卵焼き、あと茶碗蒸しも出していますね。本当にこういうレシピって、私みたいなベジタリアンが「なんちゃって」って、喜ぶのは私だけかなと思っていたんですけど、本当に本出した後にいろんな方から「うちの子、卵食べたくてずっと可哀想だったんですけど、やっと食べさせてあげることができました」って言って頂いたりして、それは意外な反響で嬉しかったです。
矢島
そうですね。これ、ちょっと感動的な話ですね(笑)。卵が食べたかった子どもにね、卵みたいな食感を味あわせてあげられた、と。卵焼きはあれですね黍(きび)…餅黍。
庄司
そうです。これは黍を入れて、あとは木綿豆腐ですね。お豆腐と黍で焼き付けるんですけど、これは見た目も卵焼きですけど、味もしっかり卵焼きです。その上に、同じページで載っているオムレツなんですけど、これは長いもと木綿豆腐で作るんですけど、こっちもトロッとして本当にオムレツみたいで美味しいですよ。
矢島
ちょっと味が想像できました。美味しいそうだなー。
庄司
トローンとして美味しいですよ。
矢島
というわけで、アレルギーを持っているお子さんがいるお父様、お母様、こちらのレシピ見てみてはいかがでしょうか。 では最後に、著者である庄司さんのほうからですね、新刊JPを見ている皆さんや、『野菜のごはん』をこれから買おうと思っている皆さんに一言お願い致します。
庄司
「本当に野菜だけで美味しいものが作れるのか」とか、「お腹いっぱいになるのか」とか、「満足できるのか」とか思われるかも知れないんですけども、本当に野菜は美味しいです。力いっぱい言いますけど。
矢島
そこは僕も言います。野菜は美味しいです(笑)!
庄司
野菜は美味しいです(笑)!本当に野菜だけで充分満足できるものが作れますし、さっき言ったみたいにハンバーグみたいなガッツ系のものが食べたい場合でも、野菜だけでしっかりボリューム出すことができますので、本当にもう、本をご覧頂いて、騙されたと思って作ってみて頂けれたらなと思います。
矢島
はい、というわけでした。ハンバーグはね、豆腐のハンバーグはよく聞きますけど、ナスのハンバーグはちょっとビックリしました。
庄司
あー、これは本当に美味しいですよ。本当のハンバーグかって言われたら、まるっきり肉のハンバーグってわけじゃないんですけど、肉よりもジューシーな感じ。オートミールが入るんで、ちょっとひき肉っぽい食感と甘みも出るし、ナスのこのジュワっと柔らかいところがもう最高なんで。
矢島
そろそろナスが美味しくなる季節なので、是非お試しあれ、という感じだと思います。

著者プロフィール

庄司いずみ

庄司いずみ

東京在住、一女の母。料理とはほど遠いフリーライターの仕事をしつつ、自分の ため、家族のために子供のころから大好きな料理を楽しむ毎日。出産をきっかけ に自然食や菜食に興味を持ち始め、肉や魚を使わないベジタリアン料理を実践。 試行錯誤しつつ作ったオリジナルの野菜料理レシピを、昨年2月に立ち上げたブ ログ『vege dining 野菜のごはん』で紹介。「ユニークでとっても簡単、かつ おいしい」と評判を呼ぶ。ブログランキングでも常に上位の常連に。

著書ブログ「vege dining 野菜のごはん