新刊ラジオ第1346回 「夢をかなえる中学受験物語」
教師次第で、子供の成績はぐんと変わる! 本書は、中学受験の名門塾「早慶道場」の塾長が、「受験の心構え」をアドバイスする一冊です。成績不良の少年が、難関中学受験に合格するための物語を通して、成績を伸ばすために“本当に必要なものは何か”を伝えてくれます。
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
中学受験にどうしても失敗したくない人へ
大学受験とは違い、親子二人三脚で挑まないと、なかなか上手くいかないのが、「お受験」です。 親である自分が経験していればまだしも、自分自身が「お受験」未経験の場合、何をどうやっていいのかわからなくなってしまいますよね。
「夢をかなえる中学受験物語」(ロングセラーズ/刊)は、中学受験の名門塾「早慶道場」塾長が、子どもの中学受験を成功に導くために必要なノウハウや、両親の心構えを教えてくれる一冊です。
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● 著者は中学受験のカリスマ塾長 野田英夫さんは、中学受験専門の進学塾「早慶道場」塾長。教育カウンセラー。家庭教師を経てワセダアカデミーへ入社後、長年トップ講師として難関中・高への圧倒的な合格実績を残してきた方です。 本書において、野田さんがこれまで培ってきた、中学受験をクリアするためのノウハウや心構えを、物語仕立てでアドバイスしてくれます。
● ストーリーあらすじ 小学五年生の大輝君は、成績優秀でクラスの人気者。少年野球では4番を任されるような、誰もが羨む優等生。しかし、「中学受験」が近づくにつれ、学校や塾の授業についていけなくなり、成績は落ち、野球も辞めさせられ、学校に行くのが苦痛になってしまいました。 そんなある日、連れて行かれたある塾で運命の出会いがありました。 塾の代表・織田先生は、それまでの「成績だけで判断する講師」とは違い、まず「何故受験するのか?」ということを聞いてきます。 思いもよらぬ展開に困惑する大輝君でしたが、そこからでの受験との闘いが始まるのです。
進○ゼミのマンガ風? モチベーションが上がる物語
本書のストーリーは、展開や心情描写が非常にわかりやすく描かれています。 大輝君と織田先生の出会いのシーンの要約をご紹介します。 ※ラジオ本編では、ラジオドラマでご紹介しました。
大輝 今、僕は、今まで通っていたのとは違う塾の面談室にいた。 お母さんは塾を変えれば、また成績が上がって受験出来ると思っているのだろう。 でも、僕は半分諦めていた。これ以上、勉強なんかしても意味はない……。
面談室のドアが開いた。
織田先生 こんにちは! はじめまして! この塾の代表取締役をしている織田英利です。 やあ、キミが大輝君かな? この塾で教えてる織田ってもんだ。よろしくな!
男は手を伸ばしてきた。
大輝 え? これって握手を求めてるの?
織田先生 元気ないな。もっと元気だせよ!
大輝 いきなりの握手で僕は面食らってしまった。 でも、この握手で、僕は織田先生に完全にペースを握られた感じがした。
かつて僕は、早稲田実業を第1志望にしていた。 あの学校の高等部は野球の名門で、甲子園の常連校でもある。 夏休み、テレビで甲子園大会を見ている時から、僕の第1志望は早稲田実業と決めていたんだ。 でも、お母さんは、「あの学校を受験するのは諦めている。他の塾でも無理だと言われたから……」と言った。
その瞬間、先生の目つきが変わり、厳しい口調になった。
織田先生 お母さんが無理だと思っていて、子供は本気で勉強しようと思いますか? 目標をなくして本気になれるわけがない! お母さんは子供のことを信じるべきだ! ……いや、失敬。大きな声を出してすみません。 お母さんのおっしゃりたいことは大体分かりました。 では、大輝君のこれまでの勉強をちょっと拝見します
進○ゼミのマンガ風? モチベーションが上がる物語2
織田先生 つらかったんだな……。
大輝 ??? 最初、なんて言ったのか分からなかった。 塾の先生なんて、成績の良い時はチヤホヤして、合格が難しくなったらお払い箱。 そう信じていた僕は、その言葉を素直に受け止めることが出来なかった。 塾では、黒板に解説を書くだけで生徒が分かっているかなんて見ようともしなかった。 解説は何を言っているか分からないし、質問すれば「テキストを見直してこい」と言われるか「ちゃんと授業を聞いてれば分かるはず」と怒られるだけ。 急いでノートを取らないとすぐに消されてしまうし、焦れば文字を機械的に写すだけ。 宿題だってやろうとしていたけど、授業が分からないからやろうにも出来なかったんだ。 前の塾でつらかったことが、一気に胸を駆け巡った。 そんな僕の気持ちを理解できるはずがない…………。
織田先生 大輝君……わかっているよ。
大輝 えっ?!
織田先生 きみは、なんで中学受験するんだ?
大輝 僕の全身に電流が走った。衝撃だった。だって今まで「なんで中学受験するか」なんて考えたこともなかったからだ。 僕はなんで中学受験するんだろう?
織田先生 今日はこれで終わりにしましょう。 受験する本人が、どうして受験をするか理解していないと、授業を始めても無駄ですからね。 大輝君、君の中にいるもう1人の君とじっくり相談して、答えを聞かせてくれ。 では失礼します。大輝君またね。
大輝 先生の表情は真剣そのものだったが、目の奥は優しく穏やかだった。 塾の先生たちは、成績の良いときは笑顔で接してくれた。 でも今思えば目は笑ってなかった。 この先生はまったく逆だった。
まとめ&全章チェック
「なぜ受験するのか?」 著者の野田さんが大切にしているのはこのことだと言います。 その受験の目的が何かということを、本人が理解していないと、「やらされている勉強」になってしまい、つまずいたり、挫折する原因になるからです。そういう子どもがとても多いのだそうです。
だからこそ、「将来○○になりたいから」「あの学校で勉強したいから」といった目的意識を子どもが持てるよう、まずはしっかり話し合うことを大切にしているといいます。 これは、二人三脚で「お受験」に挑む、両親の義務なのかもしれませんね。
夢をかなえる中学受験物語
どんな先生に習うかは重要だと思います。 |
目次 ●教育カウンセラー/野田英夫のポイントチェック 小学五年生になって、成績が下降する子は多い 意識を持つことが受験の第一歩 受験は目標ではなく通過点 ノートは「自分専用参考書」 夢中になれる時間をつくる 「子ども先生」という学習方法 長時間勉強すりゃあ、いいってもんじゃない 実際に学校を見に行く意味 焦りは禁物、いかにペースを守れるか 受験校の特徴を知り、親子で目標を共有しよう 中学受験に必要なのは、生徒最優先主義の先生 受験は競争を経験できる貴重なチャンス 精神的に追い込まれる季節 万全の態勢で受験をするために
●第一章 春 突然の出会い 君はなんで中学受験するんだ? ノートの重要性 その他
●第二章 夏 本気モードの夏 尽きない勉強への不安 夏の学習予定表 その他
●第三章 秋 過去問をやる意味 偏差値で志望校を決めてはいけない 受験生の闇 成績の踊り場 その他
●第四章 冬 将来の夢 誤った受験 勉強しない一日 決戦!勝負の時 その他