だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1795回 「史上最強の大臣 (小学館文庫)」

今までの政権は二軍だった!?
北朝鮮のミサイル騒動を経て、衝撃の事実が明るみになった日本。
「本物の内閣」である二条内閣は、前回の騒動後、現在の政権に取って代わるわけでもなく、そそくさと京都へ帰ってしまった。
しかし、実力派たちの最強ぶりを目の当たりにした国民は、二条内閣のカムバックを求めていた!

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現政権は二軍だった!?

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

今回ご紹介するのは『史上最強の大臣』という小説。

実は、『史上最強の内閣』というヒット作品がありまして、本作はその続編にあたるわけですね。

となると、前作から読まないといけないんじゃ? と考えてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。

こちらからでも十分お楽しみいただける内容となっています。

さて、タイトルからインパクトのある本作、いったいどのような内容なのでしょうか。

えー、まず物語の設定からお話しましょう。

前作『史上最強の内閣』にて、北朝鮮は日本へ向けたミサイルに燃料注入を開始し、当時政権を握っていた自由民権党・浅尾総理が支持率低迷と経済問題で打つ手がなくなってしまったことから始まります。

能力の限界を国民に告げた浅尾総理は、今までずっと隠してきた事実を明かしたのです。

その秘密とは、現政権が二軍であり、「本物の内閣」が京都に存在しているということでした。

その内閣は国家的な有事の際に動く本当の実力派で、閣僚たちは全国各地から選りすぐられた精鋭たち、すなわち「史上最強の内閣」なのです。

その内閣は、総理の二条友麿(にじょうともまろ)を筆頭にして、ダイナミック かつ最短距離で問題解決へと導きました。

しかし、二条内閣は大喝采の中、現政権にとって代わるわけでもなく、そそくさと京都に帰ってしまいました。

そして、再び二条内閣が活躍するのが本作「史上最強の大臣」です。

問題解決後、京都へ帰ってしまった内閣。現在はどのようなことをしているのでしょうか。

と、一通りあらすじをご説明しますとこんな感じになります。

……えー、この設定でうすうす気づいている方もいるかもしれませんが、 本作はですね……言葉を選ばないで言わせていただくと、相当ぶっとんだ内容の エンタメ小説なんです!

二条内閣のとんでもぶりもさることながら、登場する人物の名前も心あたりありすぎて、思わず笑ってしまいました。

パロディ要素が色濃いので、ぜひ気軽に読んでいただきたいですね。

では、物語の一部をドラマにしましたので、どうぞ本編をお聴きください。

◆著者プロフィール 室積光さんは、1955年、山口県生まれ。 映画・テレビの俳優を経て、作家となりました。 2001年、『都立水商!』でデビュー。 著書に『ドスコイ警備保障』『記念試合』などがあります。

史上最強の大臣 (小学館文庫)

史上最強の大臣 (小学館文庫)

史上最強の大臣 (小学館文庫)

今までの政権は二軍だった!?
北朝鮮のミサイル騒動を経て、衝撃の事実が明るみになった日本。
「本物の内閣」である二条内閣は、前回の騒動後、現在の政権に取って代わるわけでもなく、そそくさと京都へ帰ってしまった。
しかし、実力派たちの最強ぶりを目の当たりにした国民は、二条内閣のカムバックを求めていた!