だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1885回 「鬼譚 ~闇のホムンクルス~ 」

神忌鏡多郎は「山獄伝奇」という作品で名を馳せた小説家だったが、度重なる不運とスランプにより、日々の生活すら危うい状態になっていた。そんな時、神田学陽書房の小池美弥子という女から仕事の依頼が舞い込んだことで、大きく運命を動かされていく。
一方、丹沢山中にある養沢村では、村内に建てられた脳病院の不審な噂が広がっていた。病院内では何か恐ろしいことが行われている、と。
長尾誠夫が贈る暗黒伝奇、開幕!(提供・朝日メディアインターナショナル)

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巨大な脳病院に潜む鬼の影

こんにちは、ブックナビゲーターの木村希美です。

新刊ラジオで長尾さんの作品をご紹介するのも、はや3回目。

今まで紹介してきた物語はどれも良い意味で奇抜な内容でしたが、果たして今回はどのようなストーリーなのでしょうか。

早速内容を見ていきましょう。

舞台は明治後期。

一時期は期待の新進作家として注目を浴びていた神忌鏡多郎(かむいきょうたろう)は、度重なる不運とスランプにより、日々の生活すら危うい状態に陥っていました。

芸妓の妻を迎えたことで、師匠と義絶。

以降、仕事が来なくなったことにより、妻は羽振りの良い男の元へ去り。

唯一の取り柄だった文才も、振るえなくなってしまう始末。

そんなとき、一通の手紙が鏡多郎の元に届きます。

その内容は、雑誌の随筆依頼。

「鬼伝承」をテーマに、全国に散らばっている鬼の伝承を紹介し、それにまつわる解釈や感想を怪奇幻想譚を得意とする鏡多郎に書いて欲しいという旨が綴られていました。

さて、この手紙が届いたのと同じ頃、丹沢山中にある村では、不気味な出来事が相次いでいました。

その原因は、5年前に建てられた巨大な脳病院。その病院からは、絶えず患者のうめき声のようなものが聞こえていました。

鬼伝承を調べることになった鏡多郎と、不審な脳病院。

これらが交わることで、物語は未曾有の災厄に飲み込まれていきます。

といったところで、今回も物語の一部をドラマにしましたので、どうぞ本編をお聴きください。

◆電子書籍販売サイト
http://honto.jp/ebook/pd_28098990.html

◆著者プロフィール
長尾誠夫さんは愛媛県生まれ。 1986年に文芸春秋『源氏物語人殺し絵巻』で第4回サントリーミステリー大賞読者賞受賞。歴史ミステリ、時代小説、ホラーなど幅広く手掛けています。 他著に『邪馬台国殺人考』『黄泉国の皇子』 『柴田勝家』『前田利家』『神隠しの村』。 2014年には新刊ラジオにて『子規と漱石のプレイボール』、2015年には『源氏物語人殺し絵巻』をご紹介させていただきました。