
雑談力トレーニング監修
箱田忠昭(はこだ ただあき)
インサイトラーニング代表 年間300回近くの講演・研修をこなすカリスマインス
トラクター。
日本コカコーラの広告部マネージャー、エスティ・ローダーのマーケティング部」長、パルファン・イブ・サンローラン日本支社長を歴任、その間、米国で著名な、話し方、 リーダーシップ、人間関係のセミナーであるデール・カーネギー・
コース公認インストラクターとしてビジネスマンを指導。プレゼンテーション、ネゴシエーション、セールス等のコミュニケーションに関する専門家として、企
業人の教育研修に専念。
また、経営者から新入社員を対象とした講演活動を行う。 著者に『「できる人の」聞き方&質問テクニック』、『「できる人の」話し方&コミュニケーション術』
、 『「できる人の」仕事術&目標達成テクニック』 (以上、フォレスト出版)ほか多数。
◆「人生は自分で決められるものではない」
―箱田さんが監修し、昨年12月に出版された『仕事にいかす!雑談力トレーニング』は、ビジネスでの人間関係を円滑に進ませるためにとても効果的です。
この本を手に取る人は、職場での人間関係に何らかの悩みを持ってる人が多いと思いますが、そういった方々にアドバイスをいただけませんか?
「『自分の人生は自分が決めている』というのは必ずしも当たってはいないんです。
人生で大事なことを他人が決めている場合がたくさんあります。
たとえば自分の給料の額や転勤の辞令も他人から下るわけです。 もらえるお金の額や住む所を他人が決めている。 このことを認識することがすごく重要です。
ですから他人との関係の持ち方はすごく大事です。他人との関係を決定づけるのは日頃のコミュニケーションであり、 コミュニケーションに雑談は欠かせません。 感じの悪いやつだと思われたら飛ばされる可能性は高くなるだろうし、 感じのいいやつだという印象を与えればそんなことは起こりにくい。 これは昔から変わっていませんね」
― 今月に出版される予定の新刊『一目置かれる! 質問力トレーニング』ではさまざまな聞き方・質問のしかたが紹介されています。
箱田先生ご自身が社外の方と面談して「この人はできる」と思った質問がありましたら、 教えていただけませんか?
「専門的な質問を投げかけてくる人はできる人と言えるんでしょうけど、逆に専門知識があればできることだとも言えます。
専門的でありながらも、いかに他人といい関係を築くかということを踏まえて質問をしてくる人は本当にできると思います。人をいい気持ちにさせる質問。 それには常日頃から人をほめることを考えていることが必要だと思います。」
◆「トータル的なコミュニケーション能力を身につけることが大事だ」
― 箱田先生が代表取締役をしていらっしゃるインサイトラーニング株式会社ではプレゼンテーションやビジネスディベート、プロジェクトリーダーシップなど多彩なセミナーを開催していらっしゃいますが、箱田さんの中で「最終的にこういった人材を 育てたいな」、という理想はございますか?
「“Communication is everything.”といってもいいくらいコミュニケーションは大事です。せっかく能力があったり実績があったりしても人に認められなくて悩んで いる人がたくさんいる。また、どんなに仕事で実績を上げても出世できない人もいれば、大した実績がないにもかかわらずどんどん出世する人もいる。
そういうときにものをいうのがコミュニケーション能力です
。 私はネゴシエーションやプレゼンテーションをセミナーで教えていますが、とにかくトータル的なコミュニケーション能力を身につけろと言っていますね」
― 時間的、地理的な問題でセミナーに来られない方にとって、 箱田さんの著作は大きな意味をもつと思います。
タイトルに「できる人」というフレーズがつく著作が多いのが特徴ですが、箱田さんにとっての「できる人」というのもコミュニケーション能力と結びつけられているのでしょうか?
「もちろん仕事そのものの能力も大事だということは言うまでもありません。『できる人』というのは目標を持ってそれを達成できる人のことです。たとえば今季一億円売ろうと。どうやって売ったらいいか、まず計画を立てる。
目標を立ててそれを実行する。ただ言われたことをやるだけでなく、自ら目標を立てて、計画して、実行に移し、フォローアップをする。ここまでやって『できる人』だと思います。
―インサイトラーニング株式会社ホームページの「今月のエッセイ」を拝見したのですが、箱田さんは「自分の自分になれ」というタイトルで 座禅の修行について触れておられました。
その中に「こだわらない、とらわれない、かたよらない」という言葉がありましたが、 そのように視野を広く持つコツがおありでしたら教えていただけませんか?
「みんな何かしらこだわりを持っている。他人の眼を気にしているわけです。自分がどのように生きるか、ということよりも、自分は他人からどう見られるか、ということを気にしてしまう。「自分の自分になれ」というのは、周りを気にするな、自分が正しいと思う道を堂々と歩ける勇気を持ちなさい、という意味。
「こだわらない、とらわれない、かたよらない」というのもそういった意味です。先ほど申し上げたように、他人が自分の人生に大きくかかわってくることは 当然認識しないといけませんが、だからといって卑屈にならず、堂々と生きない といけません。
―いつ頃そういった考えに至ったのでしょう?
「私は大学を出てから外資系の企業で営業マンをやっていたのですが、何年か勤めて部下ができました。当時私が考えていたことといえば売上、売上、売上。 売上のことばかり考えていました。部下にもきつく当たったりして、本当にいつ もカリカリしていましたね。そんな時に私の師匠である方に一喝されたんです。
「こだわるな!今のおまえは泥棒猫みたいな目をしている。」『自分の自分になれ』という言葉をその時に言われてハッと我に返りましたね。」
―これからも本の執筆やセミナーを続けていかれると思いますが、今後の本やセミナーをどのようなものにしたいですか?
「本を読んで人生が変わることはあり得ると思うんです。
私は自分勝手に生きてきましたが、ある時、D・カーネギーの『人を動かす』という本を読んで、目が覚めたという経験があります。私もそういう本を書きたいなと思っています。
時間管理術だとか勉強法のハウツー本も大事ですけど、私はハウツー本を少し超えたところで感動を与えられるような本を書きたいな、と。 セミナーも同じで、受講者が人生変わりそうだな、と思えるような講義をしたい。 講師は基本的に知識の切り売りをするわけですが、私はそれを少し超えて人の人生に少しでも感動を与えられる講義をしたいと思っています」
◆取材後記
ご自身の著作のことだけでなく、30年以上も続けている禅の修行に関する質問にも答えてくださった箱田氏。対人関係のことはもちろん、趣味であるサーフィンにも造詣が深い、とても多趣味な方でした。今月出版予定の「一目置かれる! 質問力トレーニング」も ぜひチェックしてみてください!
(インタビュアー・記事/山田洋介)
―箱田さんが監修し、昨年12月に出版された『仕事にいかす!雑談力トレーニング』は、ビジネスでの人間関係を円滑に進ませるためにとても効果的です。
この本を手に取る人は、職場での人間関係に何らかの悩みを持ってる人が多いと思いますが、そういった方々にアドバイスをいただけませんか?
「『自分の人生は自分が決めている』というのは必ずしも当たってはいないんです。
人生で大事なことを他人が決めている場合がたくさんあります。
たとえば自分の給料の額や転勤の辞令も他人から下るわけです。 もらえるお金の額や住む所を他人が決めている。 このことを認識することがすごく重要です。
ですから他人との関係の持ち方はすごく大事です。他人との関係を決定づけるのは日頃のコミュニケーションであり、 コミュニケーションに雑談は欠かせません。 感じの悪いやつだと思われたら飛ばされる可能性は高くなるだろうし、 感じのいいやつだという印象を与えればそんなことは起こりにくい。 これは昔から変わっていませんね」
― 今月に出版される予定の新刊『一目置かれる! 質問力トレーニング』ではさまざまな聞き方・質問のしかたが紹介されています。
箱田先生ご自身が社外の方と面談して「この人はできる」と思った質問がありましたら、 教えていただけませんか?
「専門的な質問を投げかけてくる人はできる人と言えるんでしょうけど、逆に専門知識があればできることだとも言えます。
専門的でありながらも、いかに他人といい関係を築くかということを踏まえて質問をしてくる人は本当にできると思います。人をいい気持ちにさせる質問。 それには常日頃から人をほめることを考えていることが必要だと思います。」
◆「トータル的なコミュニケーション能力を身につけることが大事だ」
― 箱田先生が代表取締役をしていらっしゃるインサイトラーニング株式会社ではプレゼンテーションやビジネスディベート、プロジェクトリーダーシップなど多彩なセミナーを開催していらっしゃいますが、箱田さんの中で「最終的にこういった人材を 育てたいな」、という理想はございますか?
「“Communication is everything.”といってもいいくらいコミュニケーションは大事です。せっかく能力があったり実績があったりしても人に認められなくて悩んで いる人がたくさんいる。また、どんなに仕事で実績を上げても出世できない人もいれば、大した実績がないにもかかわらずどんどん出世する人もいる。
そういうときにものをいうのがコミュニケーション能力です
。 私はネゴシエーションやプレゼンテーションをセミナーで教えていますが、とにかくトータル的なコミュニケーション能力を身につけろと言っていますね」
― 時間的、地理的な問題でセミナーに来られない方にとって、 箱田さんの著作は大きな意味をもつと思います。
タイトルに「できる人」というフレーズがつく著作が多いのが特徴ですが、箱田さんにとっての「できる人」というのもコミュニケーション能力と結びつけられているのでしょうか?
「もちろん仕事そのものの能力も大事だということは言うまでもありません。『できる人』というのは目標を持ってそれを達成できる人のことです。たとえば今季一億円売ろうと。どうやって売ったらいいか、まず計画を立てる。
目標を立ててそれを実行する。ただ言われたことをやるだけでなく、自ら目標を立てて、計画して、実行に移し、フォローアップをする。ここまでやって『できる人』だと思います。
―インサイトラーニング株式会社ホームページの「今月のエッセイ」を拝見したのですが、箱田さんは「自分の自分になれ」というタイトルで 座禅の修行について触れておられました。
その中に「こだわらない、とらわれない、かたよらない」という言葉がありましたが、 そのように視野を広く持つコツがおありでしたら教えていただけませんか?
「みんな何かしらこだわりを持っている。他人の眼を気にしているわけです。自分がどのように生きるか、ということよりも、自分は他人からどう見られるか、ということを気にしてしまう。「自分の自分になれ」というのは、周りを気にするな、自分が正しいと思う道を堂々と歩ける勇気を持ちなさい、という意味。
「こだわらない、とらわれない、かたよらない」というのもそういった意味です。先ほど申し上げたように、他人が自分の人生に大きくかかわってくることは 当然認識しないといけませんが、だからといって卑屈にならず、堂々と生きない といけません。
―いつ頃そういった考えに至ったのでしょう?
「私は大学を出てから外資系の企業で営業マンをやっていたのですが、何年か勤めて部下ができました。当時私が考えていたことといえば売上、売上、売上。 売上のことばかり考えていました。部下にもきつく当たったりして、本当にいつ もカリカリしていましたね。そんな時に私の師匠である方に一喝されたんです。
「こだわるな!今のおまえは泥棒猫みたいな目をしている。」『自分の自分になれ』という言葉をその時に言われてハッと我に返りましたね。」
―これからも本の執筆やセミナーを続けていかれると思いますが、今後の本やセミナーをどのようなものにしたいですか?
「本を読んで人生が変わることはあり得ると思うんです。
私は自分勝手に生きてきましたが、ある時、D・カーネギーの『人を動かす』という本を読んで、目が覚めたという経験があります。私もそういう本を書きたいなと思っています。
時間管理術だとか勉強法のハウツー本も大事ですけど、私はハウツー本を少し超えたところで感動を与えられるような本を書きたいな、と。 セミナーも同じで、受講者が人生変わりそうだな、と思えるような講義をしたい。 講師は基本的に知識の切り売りをするわけですが、私はそれを少し超えて人の人生に少しでも感動を与えられる講義をしたいと思っています」
◆取材後記
ご自身の著作のことだけでなく、30年以上も続けている禅の修行に関する質問にも答えてくださった箱田氏。対人関係のことはもちろん、趣味であるサーフィンにも造詣が深い、とても多趣味な方でした。今月出版予定の「一目置かれる! 質問力トレーニング」も ぜひチェックしてみてください!
(インタビュアー・記事/山田洋介)
