新刊JPトップ > 特集 > 後藤 克也 『「YES」と会社に宣言したら、欲しかった人生がおとずれた!』
後藤 克也 プロフィール

 1974年神奈川県生まれ。大学卒業後、大手紳士服販売店に入社。営業及び経営管理部門での業務を経て、2002年、(株)レストランエクスプレスに転職。宅配寿司『銀のさら』の直営店トレーニング担当、数値管理部門での業務の傍ら、同社の新事業として宅 配釜飯『釜寅』を開発、普及に務める。その後、加盟店を支援するスーパーバイザー、営業部長となり、現在は加盟店を支援するFCサポート部部長。新たに、街の銘店・人気店の味を自宅やオフィスに届ける新しいデリバリー代行サービス『ファインダイン』を開発し、 さらに順次エリア拡大するなど、宅配業界の活性化に取り組んでいる

インタビュー

 前編 : 『「YES」と会社に宣言したら、欲しかった人生がおとずれた!』について
 後編 : 宅配御膳「釜寅」について


『「YES」と会社に宣言したら、欲しかった人生がおとずれた!』について

―まず、『「YES」と会社に宣言したら、欲しかった人生がおとずれた!』という書籍タイトルが非常に印象的なのですが、どのようにこのタイトルをつけたのですか?

後藤克也さん(以下後藤):元々は『すごい社内起業』というタイトルの予定だったんですよ。でも、「釜寅」を社内起業で立ち上げて…という私自身の経験を書いていたのですが、少しありきたりだなと思いまして。そこで考えてみたところ、今の若い人たちって会社勤めが嫌だと言う人が多いじゃないですか。でもそれは勿体無いと思うんですよね。自分自身が悪いところにばかり目を向けていると悪印象ばかりが焼き付いてしまいますが、逆に良いところに自分から目を付ければ、相手もそれに応えてくれるんですよね。


著者写真

―確かにこちら側から好きと言わないと相手も応えてくれないですよね。

後藤:そうです。そこで、この本のターゲットである20代の若い社員にどういったタイトルが良いか聞いてみたんですね。

その結果、「キーワードは『YES』ですよ」という答えが返ってきまして。良いことも悪いことも「はい」と主張することで後藤さんは人生を切り開いてきましたよねと言われたんですね。確かにそうだ、と。そうした紆余曲折があって(笑)、『「YES」と会社に宣言したら、欲しかった人生がおとずれた!』というタイトルが生まれたんです。


―では本書は20代などの若いサラリーマンの方々に読んで欲しいということですね。

後藤:そうですね。入社して3年目から5年目くらいの、ちょうど転職を考えていたりですとか、そういった方々に読んで欲しいですね。内容もすごく読みやすいですから、だから本を普段あまり読まない人もスラスラ読めると思います。


―私自身、ちょうど読んで欲しい層に当てはまるのですが、学生時代の友人と飲み会をすると仕事の愚痴が会話のほとんどを占めることが多いですね。

後藤:愚痴は言っても大丈夫なんですよ。愚痴を言うということは、まだ仕事に意欲があるということですから。でも、その意欲をくんでくれる人がなかなかいないという現状があるんです。その愚痴となっている原因を、自分なりにどう改善させるかというのが楽しいのであって、『こうしたい!』と言って、いかに会社に『いいよ』と言わせるか。その方法が本書には書いてあるんですね。


―この本を執筆したきっかけは何だったのでしょうか。

後藤:実は私自身も飲み屋で愚痴ばかり言っていた人間なんです(笑)。大企業もベンチャー企業も経験してきましたが、大企業に勤めれば幸せになれるかというとそうではなく、大企業も上が詰まっているんですね。だから、頑張っていてもあまり給料も変わらず、このまま大企業でサラリーマンをしていても豊かになれないと思っていました。

でも、ようやく最近になってその答えをつかんだ気がしたんですよね。悩んでいたことが解決された直後なんで、そのリアルさを伝えられるかなと。


―今のビジネス書や自己啓発書は独立志向を促す本が多いように思うんですね。そういう中で本書はタイトルからしてそれとは逆のことを言っているのかなと思うのですが、その一方でそうした本とも共通点がたくさんありましたね。後藤さんは社内起業をされたそうですが、社内起業についてどのようにお考えですか?

後藤:どんな企業も発展するために経営されていると思うんですね。でも、発展するためにどれもこれもやるというのは、実は許されないんですよ。企業に理念があるとすれば、その理念から外れることは出来ないわけですよね。

社内起業したいという人ってまずアイデアが先行すると思うのですが、そのアイデアが企業の理念から外れていることが多いんです。だから社内起業の仕方として、まずは企業が向かっているところを知るということが必要です。

社長がどう発展していきたいと思っているのか、それをしっかりと知るということが大事で、アイデアがそれに相反するものであれば、何でそう思っているのか、本質を知ることが重要だと思います。


―企業の理念しっかりと認識した上で、自分のやりたいことを考えるということですね。でも逆にやりたいことがない人もいますよね。

後藤:実は本書を出版してから一番多く質問されたことが「やりたいこと」についてです。次はこれをテーマ本で書きたいですね(笑)。

結局、やりたいことがない人というのは、単に深く考えていないだけだと思います。歌手になりたいという人はたくさんいますけど、なぜ自分は歌手になりたいのか、その本質を突き詰めて考えるべきなんです。単に目立ちたいならば他に手段はいくらでもありますし、歌が好きならば歌手の他にも道はあるかも知れない。突き詰めて考えれば色んなことが分かってきます。

それは社内起業の話もそうですけど、もしやりたい企画があるとしたら、具体的に実行に移した上でちょっとワガママにならないといけませんよね。


―確かにやりたいことをやっている人は、あまり人の言うことを聴かないですよね。

後藤:アドバイスは当然聞きますよ。でも、新規事業の失敗例で一番多い失敗原因が、会社が過去の成功体験に捉われすぎていることなんですね。弊社のサービスの宅配寿司「銀のさら」が成功した理由が、圧倒的な味のクオリティの高さやチラシのデザインであったりしても、それが新規事業の「釜寅」に通用するかという必ずしもそうではないんです。


―でも、後藤さんのお話を聞いていたら、内容が「会社にYESと宣言する」ことから大分反れた感じがしてきました(笑)

後藤:気付いてしまいました? ああいうタイトルをつけましたが、実は頑固と言われます(笑)。


―本書のキーワードである「YES!」という言葉も、会社に言われることをそのまま「YES!」と肯定するのではなく、会社からあなたはこれが好きなんだよねと言われて「YES!」と答える、自己肯定のための「YES!」のような気がしました。

後藤:そうですね。自分自身を好きになることが大事です。自分が好きになると、怒られてもあまりクヨクヨしなくなりますよね。


―後藤さんにとって「仕事」とは何でしょうか。

後藤:自己表現ができる場ですね。私の目標として、サラリーマンの新しい生き方を作りたいと思っているんです。

サラリーマンって、上の人間に従う人生がほとんどじゃないですか。でも、上が言ったことも完璧ではないわけで、何度も何度も諦めずに挑戦すれば突破口は開けると思うんです。私自身、最初に「釜寅」を立ち上げたいと言ったときも、タイミングがまだ早いと言われたんです。そして、そのタイミングが来るまで必死に待って、すぐに手をあげましたね。


釜飯の写真

―本書を通して一番伝えたいことは何ですか?

後藤:サラリーマンってすごい競争社会に晒されていると思うんですよ。でも、特に大企業なんかはポストも決まっていますから、そこには能力の高い人や意欲の高い人から収まっていくのは当然ですよね。そういうときにどういう風に勝ち取るか。ポストをそのまま目指すのもいいですし、別の方法もありますよね。社内起業もその1つです。競争を抜け出して新しいものを生み出してもいい。

いろんな可能性があるので、それを実感して欲しいですね。


後編:宅配御飯「釜寅」について へ続く
「YES」と会社に宣言したら、欲しかった人生がおとずれた!書籍画像

「YES」と会社に宣言したら、
欲しかった人生がおとずれた!


著者名:後藤 克也
出版社:学研パブリッシング
価格:1,365円
ISBN-10:4054044212
ISBN-13:978-4054044210

本を購入する 解説を聴く

はじめに 不安定な時代だからこそ、最強のサラリーマン、OLを目指せ!
第1章 あなたは会社に「YES!」といえますか?
―今、求められるサラリーマンの新しい生き方
第2章 「会社を好きになること」が、出世の最短ルートだった!
―「やりたい人」から「任せたい人」になるために
第3章 会社が「YES!」といってくれる仕事術
―会社はあなたの、ココを見ている!
第4章 「経営者感覚」こそ、最強のサラリーマン最大の武器―あなたが社長なら、あなたをどう評価するでしょう?
第5章 今日からできる「社内起業」術―人を引き寄せ、会社を巻き込む、ちょっとしたコツ
あとがき 「たった1秒の想い」