だれかに話したくなる本の話

現代をしなやかに生き抜くための「自分勝手さ」とは!?

「自分勝手」という言葉には、わがままや傲慢といったネガティブなイメージを抱くかもしれない。けれど、自分勝手とは個として生きることであり、他人や環境に流されず、ぶれない強さを備え、強く生きていくことでもある。

集団の傘の下にいるばかりでなく、個として感じ、考え、行動しなければ、今の時代は生き延びることはできない。個として生きるということは、自分勝手に生きるということだ。

■元NHKアナウンサーの「自分勝手」のすすめ

そう述べるのは『自分勝手で生きなさい』(下重暁子著、マガジンハウス刊)の著者である元NHKアナウンサー、作家の下重暁子氏だ。

人間関係においても、下重氏は自分勝手を貫き「いらないつながり」を整理整頓しているとしている。下重氏の人間関係は、「信頼できるごく少数の友達」と「仕事などの利害関係のある人たち」に大別される。前者は何があっても揺るがない気持ちのつながりがあるので、まめに連絡を取る必要もない関係。後者は「縁が切れてもいい人たち」なので、なりゆきに任せているという。

友達というのは会社の同僚、ママ友、学生時代の同級生などの枠を一切取り払って、心でつながれる人を指す。何らかの枠や属性でつながっている人は、友達のようで実はそうではない。そんな人間関係にあれこれ気を使い、動向を気にしてなんとなく足並みを揃えて、ストレスを募らせたり、落ち込んでいては自分勝手に生きられない。ストレスが溜まるほどに無理をしなければ付き合えない人とは縁を切ってしまえばいいのだ。

ただし、下重氏の縁を切るというのは絶縁状を叩きつけたり、喧嘩をするということではない。自分の意思をはっきりさせれば、自動的に整理整頓されていくのだ。みんなが美味しそうと言うから、それに合わせて「おいしそう」と言わない。自分が思った通りに発言し、行動すればいい。その発言が嫌な人は勝手に離れていくだろうし、心地いいと思う人は残るだろう。

また、人の動向をSNSなどでいちいち知ろうとしないことも大切だ。人の情報を追いかけて、自分と比べたりしていると、誰でも不安になってしまうもの。人は人、自分は自分と考えるのが、自分勝手というものなのだ。

人にどう見られているか、どう思われるか、を気にしてしまう人は多いだろう。そんな生き方を窮屈に感じているのならば、「自分勝手」になってみてはどうだろう。もっと自分らしく、楽しい人生を送れるようになるはずだ。ただ、くれぐれも「傲慢に生きること」とは違うのでご注意を…。

(新刊JP編集部)

自分勝手で生きなさい

自分勝手で生きなさい

自分勝手とは、個として生きること。自分で判断し、自分らしく行動すること。これからは、自分勝手に強く生きよう。

この記事のライター

現在調査中…

T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

このライターの他の記事