だれかに話したくなる本の話

ギスギスした今だから際立つ人情ドラマ『小節は6月から始まる』誕生秘話(1)

『小節は6月から始まる』(幻冬舎刊)

人は自分に余裕がない時ほど、他人に対して寛容になれず、優しさを持てないもの。ギスギスした言葉が飛び交う今だからこそ、身の回りにいる人や、自分の想像の外にいる「誰か」に優しくありたいものだ。

『小節は6月から始まる』(幻冬舎刊)は、シングルマザーとして喫茶店を切り盛りしながら幼い子どもを育てる主人公が、彼女を私心なしで支える周囲の人々との交流を通して成長していく様子を描く。本来持っていたのに、いつのまにか忘れがちになった優しさや気づかい、思いやりについて思い出させてくれる一冊だ。

今回は著者の青山太洋氏にインタビュー。この物語に込めた思いについて語っていただいた。

小節は6月から始まる

小節は6月から始まる

あの旋律とともに、新しい命、新しい愛が生まれ、育まれる。
思い合いがもたらすミラクル・ヒューマン・ドラマ。
母を早くに亡くし、男手ひとつで育てられた主人公未代は、急死した父の喫茶店を引き継ぎシングルマザーとして働いている。
父が夢に現れたときから、未代の周りに不思議なことが――。