だれかに話したくなる本の話

日本の殺人の半数は家庭で起きる…「家族間殺人」の知られざる実態

日本の殺人の半数は家庭で起きる…「家族間殺人」の知られざる実態(*画像はイメージです)

「あたたかさ」や「ぬくもり」、そして「絆」。
こういう肯定的なイメージで語られることが多い家族や家庭だが、近年「毒親」という言葉が広く認知されたように、自分の親だからといって必ずしも好きになれるわけではないし、我が子とソリが合わない親もいる。

もっといえば「家族と折り合いがよくない」というだけでは済まないこともある。あまり知られていないが、家庭が殺人事件の舞台になることは思いのほか多いのだ。

日本で起こる殺人の半数は家族間で起きています。(『家族間殺人』(P3より)

『家族間殺人』(阿部恭子著、幻冬舎刊)は、不幸にも家庭という場で起きてしまった殺人事件の動機や背景に迫る。

家族間殺人

家族間殺人

家族に悩まされた経験を持つ人は少なくないだろう。
配偶者のモラハラや支配的な親きょうだいの言動に「いっそのこと……」と思ったことはないだろうか。
実際、日本の殺人事件の半数は家族間で起きている。
家族の悩みは他人に相談しにくく、押さえ込んだ感情がいつ爆発するかわからない。
傍から幸せそうに見える家族ほど、実は問題を抱えていることも多い。
子どもへの度を超えた躾、仮面夫婦や夫と姑の確執、きょうだい間の嫉妬による殺人など理由はさまざまだが、そこに至る背景には一体何があるのか? 多くの事例から検証し、家族が抱える闇をあぶり出す。