だれかに話したくなる本の話

平和な家庭が一変…人生転落した少女の物語

『赤い靴~海を渡るメロディー~』(高津典昭著、幻冬舎刊)

人に騙されたり、利用されたり、虐げられたり。
生まれ持った性格の純粋さゆえに報われない道を歩む人がいる。「騙される方が悪い。人は疑ってかかれ」というのは世渡りにおける真実だが、どんな目にあっても死ぬまでその純粋さを持ち続けられる人がいたとしたら、その人はやはり人生の勝者と言えるかもしれない。

赤い靴~海を渡るメロディー~

赤い靴~海を渡るメロディー~

私、幸せになっちゃダメなんですか?

崩壊する家庭から逃げるように東京にやってきた少女・恵理。
出逢いと別れ、社会の厳しさに翻弄されながらも、懸命に新たな日々と向き合っていくが——。
運命の過酷さと家族の慈愛が胸を打つ長編小説。