だれかに話したくなる本の話

雑談のテッパン「天気の話」を最大限活用する会話術

どんなに技術が発展しても、ビジネスの世界に人と人のやり取りは残る。普段の人間関係がいざという時に身を助けるというのは、きっと今後も変わらない。

それがわかっている人ほど、人間関係づくりを大切にする。むやみに人脈を広げるというのとは違う、ビジネスで役立つのは広さだけでなく「深さ」のある人間関係である。

◾️これぞ一流!「天気の話」を最大限利用する話術

そして人間関係のきっかけづくりも、維持も、秘訣は雑談にある。そして「一流」と呼ばれる人ほどその成功パターンを熟知している。『雑談の一流、二流、三流』(桐生稔著、明日香出版社刊)はそんなことを教えてくれる。

たとえば、雑談のとっかかりは、誰でも迷うもの。だからこそ天気の話など「あたりさわりのない話題」から切り出す。

ここまではまちがっていない。しかし、「天気の話」をどう次の会話に繋げるかが、一流と二流、そして三流を分けるという。どういうことだろう?

本書によると「今日は暑いですね」と天気の話を単純に語りだす人は三流。これでは「そうですね。本当に暑いですね」と返されたら、沈黙するか、別の話題を改めて振らなければならなくなる。これでは天気の話を切り出した意味がない、というわけだ。

では「二流」はどうかというと「今日は暑いですね。30℃を超えるそうですよ」と具体的な数字を出して、相手が話に乗りやすくする。これはこれでいいのだが、これも「30℃ですか、どうりで暑いと思った」くらいしか、相手は話すことがない。

これらの二流と三流の話には抜けている視点がある。それは「人は天気の話などさして興味がないこと」、そして「人が一番興味があるのは自分だということ」である。

人は自分に一番興味があり、自分のことを話したいと思っている。だから、天気の話題を出すにしても、相手が話しやすいテーマを織り込む。これが一流の人の雑談である。

「今日は本当に暑いですね。ちょっとエアコンが効きすぎですかね?大丈夫ですか?」
「今日は30℃を超えるそうですよ。夏バテとか平気ですか?」

こうした問いかけには、相手が自分について語る糸口が織り込まれる。相手がそれに乗って話し始めれば、自然に会話は続いていく、というわけだ。一流の雑談は、どんな話題でも相手に焦点を当てることから始めるのである。

◾️三流の人は「あいさつ」でチャンスを逃す

ただ、「天気の話」は正確に言えば雑談の最初ではない。雑談にはもっと前がある。そう「挨拶」である。

三流の人の挨拶は、「こんにちは」「はじめまして」など、挨拶だけで終わる。もちろん会話は続かない。だから、気の利いた人はそこにひとこと付け加える。「はじめまして。お会いできて光栄です」といった具合だ。

ただこれではまだ一流ではない。「こちらこそ」と返されて、その後沈黙してしまうケースが多々あるからだ。

一流はひとことではなく「ふたこと」付け加える。
「はじめまして。お会いできて光栄です。噂はかねがねお聞きしております」
「こんにちは。いつも元気そうですね。私も見習わなきゃ」

この二言目の追加によって、会話のエンジンがかかりやすくなるのである。

会話で相手の心を掴んだり、信頼を得たりできるかによって、ビジネスの結果や規模、そしてキャリアの広がりは大きく変わってくる。

本書では、一流の人はどうやってそれを成し遂げているのかにフォーカスし、その秘訣を解説。会話下手から抜け出したい人のための教科書となる一冊だ。

(新刊JP編集部)

雑談の一流、二流、三流

雑談の一流、二流、三流

この本は、「なぜ人間関係がうまくいかなかったのか」その理由がわかり
そして「あなたと話しているととても楽しい」と言われる人に進化するための、起爆剤になる一冊です!

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