会社員のための不動産投資必勝法 注目すべき立地は?
貯蓄だけではなかなか資産が増えない昨今、安定した資産運用をするための選択肢として不動産投資を考えている人は多いはず。都心部には旺盛な賃貸需要があり、きちんとした戦略に基づいて不動産を取得し、運営することで、貯金よりもはるかに効率的に資産を増やしていくことができる。「最低2000万円必要」とされる老後資金も、不動産投資を行うことで達成への道筋は見えやすくなる。また節税や生命保険機能など、資産形成以外のメリットも多い。
不動産は高額な商品であり、取得するには勇気が必要だが、リスクを極限まで抑えて運用する方法はある。その手法を教えてくれるのが『不動産投資の最適解~家賃収入×節税効果で手取り額を確実に増やす方法~』(パノラボ刊)だ。
「普通の勤め人」にとって不動産投資はどの程度リスクがあるのか、そして収益を出すにはどのように物件を取得すべきなのか。入ってくるお金に対して出ていくお金はどれくらいなのか。持ち出しはどのくらいなのか。今回は著者の大石啓太さんに、本書を読んで抱いた感想と疑問をぶつけた。その後編をお届けする。
■不動産投資なら貯蓄よりも圧倒的に確実に「老後2000万円」を実現できる
――「東京に中古区分のマンションを複数購入する」という手法は、どの程度の年収の方を想定されていますか?
大石:節税効果という点では、もちろん年収が多ければ多いほどメリットは大きいです。ただ、不動産投資は節税目的だけではなく、資産運用という目的もあるわけで、その意味ではたとえば年収500万円とか600万円の方もやる意味はあると思います。
「老後2000万円問題」というのが以前に話題になりましたが、毎月少しずつ貯金して老後までに2000万円貯めるというのは現実的ではないという方も多いはずです。でも、不動産投資であれば、先ほどの説明にもあったように、家賃収入からローンや管理費を引いて、実質1万数千円の出費で将来的に無借金のマンションを持てるわけです。資産を作るという意味では当然そちらの方が効率がいいので、年収にかかわらず不動産は持っていただいていいのではないかと考えています。
――投資する側としてはつい新築物件を買いたくなってしまうのではないかと思いますが、中古を勧める理由について教えていただきたいです。
大石:車でも不動産でも同じですが、「新品」というだけでプレミア価格がつくんですよ。少しでも使ったら、そのプレミア価値はなくなって、そこから先は価値の下落は緩やかになります。ならば、そのタイミングにある物件を買った方がいい、という理屈です。
――立地や築年数なども含めて、物件選びは素人にはなかなか難しいものがあるかと思いますが、東京都内のどのような場所がねらい目、という基準はありますか?
大石:たとえば築10年で、都心から少し外れた練馬区や板橋区などを探すと、賃貸需要があり、なおかつ手の届く価格帯の物件が見つかりやすいといえます。かならずしも山手線の内側のような「一等地」じゃないと借り手がつかないわけではないんです。むしろ、ワンルームを賃貸する人のボリュームゾーンを考えると、会社勤めをしていて独身の方、しかも平均的な年収の方でしょうから、山手線の外側の方が需要はあるでしょう。
だから、かならずしも東京である必要もなく、都心へのアクセスを考えると、川口や浦和、あるいは川崎などを候補にしてもいいと思います。
――ローンの金利が今後上がっていく可能性が指摘されていますが、金利問題は不動産投資にどの程度影響を与えますか?
大石:金利が上がればローンの返済額は増えますから、金利問題が不動産投資に与える影響はゼロではもちろんありません。一方で、金利が上がるタイミングってその他のものの物価も上がっているタイミングでもあるので、不動産そのものの価格も上がっていますし、家賃相場も上がっている。となると金利が上がっても同時に家賃収入も増えているケースが多いのではないかと思います。
また、今後もどんどん金利が上がり続けるかというと、個人的には疑問です。投資マンション向けのローンというのは金融機関にとっても大きな収益源ですからね。特に今物価が上がり、家賃が上がって、不動産にとっていい条件が揃っている時期ですから、金融機関からしたら案件をどんどん増やしていきたいはずで、それなのに今金利を上げてしまったら、当然顧客は他の金融機関に行ってしまう。だから自分のところだけ金利を上げる、ということはしにくいですし、上げるとしたらある程度周りと揃えて上げるということになると思います。
――最後に、会社員でありながら副業で不動産投資を考えている人に、アドバイスやメッセージをお願いできればと思います。
大石:本の中でも書いているのですが、やはりやってみないとわからない、動いてみないと始まらないんですよね。不動産投資ってやはり金額が大きいですから、リスクがすごく高いと思われがちです。
でも、それって業者さんと会ってみたり、自分でシミュレーションをしていない状態で漠然と感じている不安なわけで、物件を探してみたり、業者さんと話してみたらまた違った印象を持つかもしれません。不動産を買う買わないはその後に検討すればいいわけで、興味があるのであれば、一歩踏み出してみていただきたいです。この本がその助けになったらうれしいですね。