だれかに話したくなる本の話

経理・会計業務に携わる人のキャリアを変える「社外CFO」という新しい道

日本企業の99.7%を占める中小企業。
経営者たちは、日々「お金の見通しをどう立てるか」という壁に直面しています。
そのため、会社を成長させたいと願う一方で、事業や会社の状況を客観的に見てアドバイスをくれる「伴走者」を求めています。

そこで今、新たなキャリアとして注目されているのが、「社外CFO(最高財務責任者)」です。「社外CFO」とは経営者の伴走者となるのですが、中小企業の多くはこうした役割を担う人材がいないという問題があります。

『社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法(すばる舎刊)は、経理・会計の経験者や税理士事務所での業務経験者などが、「社外CFO」として経営者を支える存在になれるとしています。

今回は本書の著者で、自身も社外CFOとして活動している長友大典さんにお話をうかがい、今中小企業経営者が求めている人材や、「経理・会計」と「財務」の違い、社外CFOに求められる資質などについて語っていただきました。

■経理、会計経験者のキャリアアップの新しい道「社外CFO」とは?

――まずは本書をお書きになった動機についてお聞かせいただければと思います。

長友:私自身、コンサルティングや今回の本で書いているような社外CFO業務を始めて10年近く経って、自分の経験を伝えたいということで「中小専属CFO養成アカデミー」という講座を立ち上げました。そして次に目指しているのは「日本一のCFOコミュニティをつくること」です。かつては私自身も、経営者として「お金の問題」に何度もぶつかりました。同じように悩む経営者や、財務を担う人たちを次は私が支える番だと思ったんです。

すでに北海道から沖縄まで様々な方が参加してくれているのですが、今後もっと増やしていって、全国の都道府県にCFO仲間がいて、中小企業で起きている問題やその解決策などを共有できるようになったら、結果として日本の中小企業は元気になっていくと思うんです。最終的にはこのコミュニティの貢献度だけで日本のGDPを1%アップさせたいと思っていて、そのための足掛かりとしてこの本を書きました。

――今おっしゃっていた「中小専属CFO養成アカデミー」には何人くらいの卒業生がいるのでしょうか?

長友:8期生が終わった時点で312人ですね。

――なぜCFOのコミュニティを作ろうと考えたのでしょうか?

長友:企業における財務は、会計や経理が会社の「過去」を扱うのとは反対で、「未来」を扱うものです。その性質上、明確な答えが存在しない課題について考えることが多くなります。それならば、一人の知恵よりも集合知を引き出せた方が有利になりますよね。つまり、みんなの経験や知識を共有できた方が絶対に強いんです。

――本書でも指摘されていましたが、社外CFOは単なる外注スタッフではなく役員クラスです。いかに企業の経営者の信頼を得るかというところが肝要だと思いますが、彼らが求めている人材や、どんな人を信頼するのかについてお聞かせいただきたいです。

長友:社外CFOとは「経営者のパートナー」です。極端に言えば財務うんぬんよりも、まず経営者にパートナーとして信頼されることが大切なわけで、ではどんな人が信頼されるのか、もっというとどんな人が信頼されないのかと考えると、たとえば常に偉そうだったり、社長に対してマウントを取ってくる人はまず信頼されないですよね。だから偉そうにする人は、社長から信頼されません。CFOは“先生”ではなく“参謀”です。隣で悩み、同じ景色を見る姿勢が信頼を生みます。逆に、社長の話を聞いていったん受け入れてくれる人は信頼を得やすいんです。

そのうえで財務そのものの話になるわけですが、中小企業の経営者は「このタイミングで新店舗を出していいのかな」とか「人を採用したいけど、大丈夫かな」と言った具合に、ずっとお金のことを考えているんです。そこを一緒に考えてサポートしたり、アドバイスしてくれる人であれば、信頼を得やすいはずです。

――会社の経営をされている方は、お金にも詳しいのではないかと思っていましたが、決してそんなことはないと本の中で書かれていましたね。

長友:社長歴が長い人は財務についてわかっている人もいますが、創業して5年以内の会社だと、むしろお金周りのことがしっかりわかっている経営者の方が少ないのではないでしょうか。

というのも、会計や税務、財務がやりたくて起業する人はいないんですよ。基本的に起業をする人って営業は得意なんですけど、お金周りのことはあまり知りませんし、金融機関との交渉もしたことがない人がほとんどだと思います。

――それはそうだと思います。起業をする方は新しいサービスや商品を世に出すというのが一番やりたいことでしょうからね。

長友:そうですね。その結果、何が起きるかといったら、お金周りのことはすべて税理士に丸投げしてしまうわけです。でも、税理士はクライアントを何社も掛け持ちしていますから、一社に割ける時間は月にせいぜい2、3時間くらいになってしまいます。

だから、社長個人の財布と会社の財布がごちゃごちゃになってしまって、その後銀行の融資が必要になった時に困ってしまう、ということが多いんです。

(後編につづく)

社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法

社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法

CFOとは、「最高財務責任者」のこと。
社外CFO(CFO代行)とは、社外の中立的な立場から、「中小企業の社長の財務面の相談相手」となることで、月額50万円以上の報酬を見込めるビジネスである。
その専門性から一見、税理士や公認会計士など士業やコンサルタントにしかできない仕事に思われるが、実は、そうした資格を持たない人であっても、お金の仕事に適性さえあれば誰でも始められる仕事である(もちろん、資格があればより有利)。実働時間も短いことから、副業として取り組むことさえ可能だ。
事実、本書の著者もこれといった資格は持たず、また別のビジネスの経営者としても働きながら、月額50万円の社外CFOの契約を5社と同時に結んでいる。
本書は、「高単価」「高付加価値」であり、大いなるブルーオーシャン市場でもある、そんな社外CFOになるためのノウハウを惜しげもなく紹介する1冊だ。通常、著者が80万~150万円で提供している講座「中小専属CFO養成アカデミー」の内容を公開し、高単価なセールスやコンサルティングに自信がない方に向けて、“コンサルティングの進め方”、“銀行からの資金調達の具体的な進め方”、“紹介の仕組みづくり”、“高単価セールスの実践手法”までを懇切丁寧に網羅・解説している。
これらのノウハウを身につけて、2件から社外CFOとしての受注ができれば、本書のタイトルに示すように月額50万円X12ヶ月X2社=年収1200万円を実現できる。
あとは、一歩を踏み出す読者の覚悟と決断次第である。読者諸氏の、奮起を願っている。

※記事で取り上げている書籍を購入すると、売上の一部が新刊JPに還元されることがあります。

この記事のライター

新刊JP編集部

新刊JP編集部

新刊JP編集部
Twitter : @sinkanjp
Facebook : sinkanjp

このライターの他の記事