だれかに話したくなる本の話

記者会見取材10年のベテランが「記者会見あるある」を教えるよ☆

こんにちは。編集部山田です。

日々「新刊JP」に流す記事を書いたり、いろんな人にインタビューをしたりするのが仕事です。

でも、それとはちがう仕事もありまして、記者会見などはその一つ。
もしかしたら、ほとんどの人にとって記者会見に行くということは珍しい経験なんじゃないだろうか。

ということで、今日はこれまで僕がこれまでの約10年間で参加した記者会見で見た「記者会見あるある」を紹介しますよ。

1.一人で行くとめちゃくちゃ大変。とにかく大変。

記者会見の仕事は大きく分けて二つ。会見中の写真撮影と、質疑応答を含めたネタ取りです。
写真は会場をあちこち動きながら撮ることもあるので、会見者の話をちゃんと聞けないことも。
「今度記者会見行くんだ」という人は、できるならカメラマンと記者の二人で行くのがいいと思います。

2.カメラマンは位置どりが全て

会見のカメラマンは場所取りが命です。
そうでなかったら命の次くらいです。通常、会見場は最前列がカメラマン席になっていますが、できれば演壇の正面のポジションを取りたい。

運悪く両サイドの席しか取れないと、会見中に正面まで動かなければいけないので「邪魔してる感」がすごい。
二人連れでやってくる媒体では、カメラマンは早めに来て場所取り、記者は開始直前にのんびりやってくる、なんてこともあります。

表紙

写真は橋本マナミさんです。キレイだったという月並みな感想しか出ないほどきれいでした。

3.思ったより報道陣が集まらないと椅子が2列くらい撤去される

報道陣がたくさん集まって欲しいという主催者側の意図が実らず、広い会場を抑えたのに全然報道陣が来ないこともあります。
PR系の会見は会場があまりにスカスカだとイメージが良くないので、報道の集まりが悪いと主催者が椅子を2列くらいごっそり持って行ってしまうことも。
一度、「最前列正面」といういいポジションを取ったのに、前二列がまるまる撤去されて場所取りをやり直したことがあります。無慈悲。

表紙

元ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカさんです。スペイン語で質問しようと挙手しまくっていたのに一度もさされなかったという悲しい思い出が。。

4.演壇脇の装飾品でカメラチェック(?)をする

たとえば何かの文学賞の受賞会見とかの場合、演壇の脇に花だとかその作家の前著だとかが飾ってあることがよくあります。
で、カメラマンはどの媒体も早く来て場所取りするものだから、席を取ってから会見までの時間を持て余して、みんな何となく自分のカメラをいじり出す。
そのうちに誰か一人が演壇の花を撮ると、なぜか次から次へとかわりばんこに花を撮り始めたりします。
各人顔見知りじゃないのでその間は無言です。この微妙な空気の時間が僕はけっこう好きです。

表紙

写真は『ダ・ヴィンチ・コード』で有名なダン・ブラウン氏です。

5.どんなに堅い会見でもカメラマンだけはカジュアル

どんなにお堅い会見でも、カメラマンだけは休日のお父さんのようなカジュアルさである。
ドレスコードがあるホテルが会見場所だったらどうするんだろう。。

6.記者会見初心者は機材にビビる

新刊JP編集部は取材ではデジタル一眼レフカメラを使っています。
そこそこいいカメラなのですが、僕らよりもずっと場数を踏んでいる新聞や雑誌の猛者たちはもっとずっといかついカメラを使っていますから、この仕事を始めたころは機材の貧弱さで気後れしたことも多々あります。
なんというか見た目の迫力に負けちゃうんですよね、バズーカみたいなんだもの。
しかし、そうした弱気は某重鎮の会見場でアイフォンカメラで写真撮ってた某紙記者を見た時に消えました。「あ、こんなんでもいいんだ」と。

今日は記者会見の取材について書きましたが、似て非なるものに「囲み取材(対象者を各媒体の記者が囲んで取材をする)」というものもあります。
「囲みは闇が深い」と別の編集部員が言っていましたので、よく囲みに行っている金井あたりがいつか「囲み取材あるある」を書いてくれるかもしれません。

ではまた。

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この記事のライター

山田写真

山田洋介

1983年生まれのライター・編集者。使用言語は英・西・亜。インタビューを多く手掛ける。得意ジャンルは海外文学、中東情勢、郵政史、諜報史、野球、料理、洗濯、トイレ掃除、ゴミ出し。

Twitter:https://twitter.com/YMDYSK_bot

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