だれかに話したくなる本の話

日本一並ぶ宝くじ売場で賢くサマージャンボを買うウラ技

提供: 新刊JP編集部

連日の猛暑でとろけてしまっている新刊JP編集部のオオムラです。
年々、夏の暑さは厳しくなっていますが、くれぐれも熱中症には気をつけたいものです。

しかし、そんな暑さを物ともせず、行列ができる場所があります。

有楽町にある宝くじ売場「西銀座チャンスセンター」です。

7/9(月)から8/3(金)まで、およそ一ヶ月に亘り、サマージャンボ宝くじが発売されております。 その当選金は、一等前後賞合わせて7億円! 私のような一般庶民からすれば、まさに夢のような金額です。

さて、もはや有楽町の夏の風物詩といっても過言ではない宝くじの行列。
実は、以前、私はこの行列の整理をする臨時警備員をやっておりました。

休憩があるとはいえ真夏の炎天下に一日中立っているのですからなかなかに厳しいお仕事でしたが、せっかくなのでその経験を活かして、サマージャンボ宝くじの賢い買い方をお教えしてしまおうかと思います。

「たかだか宝くじを買うのに、賢い買い方も何もないだろう」とお思いの方もいるかもしれませんが、西銀座チャンスセンターに限っては、知っておいた方がいいことが結構あります。 (ちなみに、私が警備員をやっていた頃のハナシなので、今は少し状況が違うこともあるかもしれません)

というのも、まず行列がハンパではないのです。
もっとも並ぶ「一番窓口」は、1時間、2時間待つのは当たり前。

大安吉日が重なる土日ともなれば、その行列は4時間を超えることもあります。
(ちなみに、私が知っている限りでは、6時間半の待ち時間ということもありました)

お客さんの案内のため、行列の最後尾に立っていると、

お客さん「何時間待ち?」
私「今だと、○時間待ちですね」
お客さん「うそー!?」

なんて会話をよくしたものです。
そんなやりとりの後によくされたのが、**「すいている時間はないの?」「並ばずに買える売り場はないの?」**という質問。

この二つの質問、答えは両方とも「ある」です。

■宝くじを買うならどの時間が狙い目?

あくまで西銀座チャンスセンターは、ということになりますが、長蛇の列ができているのは基本的に「1番窓口」です。
この行列、丸一日立っているとわかるのですが、特に混み合う時間と、列が少なくなる時間というのがあります。
大まかにいうと、朝一番から列が増え始め、昼間にピークを迎え、夜にかけて徐々に人が引いていきます。

多くの人が狙いに来るのが「朝一番」です。
実は、朝一番は、熱烈な宝くじファンの方が押し寄せるため、発売開始(9時)の2時間前には人が並んでいます。
この時間帯に多いのは、ご年配の方です。
早乗りして並んでも、発売開始までは待たなければいけませんから、朝一番で行列の先頭についても、最低でも2時間待ちはしなければいけません。
また、発売開始時に最後尾につくと1〜1時間半程度の待ち時間。場合によっては、やはり2時間近い待ち時間になることも。

そこから家族連れ、若い人などが並び始めて徐々に待ち時間は増え、ピークは11〜15時くらい。この時間帯は2時間を超えることもあります。

そんな流れの中、肝心の「すいている時間」ですが、答えは「閉店間際」です。

西銀座チャンスセンターは20時まで営業しており、夕方を過ぎると並ぶ人が減っていきます。
経験上、18時を過ぎると多くの人は帰り始めるので、行列も30分程度になっていることが多いです。
そして、閉店間際の19〜20時は10分程度で買えることがザラなのです。

なので、どうしても「一番窓口で買いたい!けど、できれば並びたくない!」という人は閉店間際を狙っていくと、すぐに買えます。

■並ばずに買える売り場はないの?

ピークの11〜15時でも、比較的待たずに買える売場はあります。
そもそも、西銀座チャンスセンターは、販売窓口が「1番〜7番」まであります。

「1番窓口」は、「一等」にあやかりたい人が多いのでとんでもなく並びますが、それ以降の番号の窓口は比較的すいています。
ただし、「7番窓口」は、「ラッキーセブン」で験を担ぐ人が多いので、それなりに並びます(長い時で1〜1時間半くらい)。

狙い目は、2番〜5番窓口です。
験担ぎになりにくいのと、1番と7番の行列に挟まれて窓口があるのが見えにくいため、並ぶ人が少ないのです。

ちなみに、西銀座チャンスセンターの窓口は、

1番(1)、1番(2)、2番、3番、5番、7番

という形になっています。
元々、この窓口は

1番、2番、3番、5番、6番、7番

……という構成でした。
4番がないのは、忌み数字だからです。
1番に並ぶ人があまりい多いので、販売をスムーズにするため1番窓口を二人の売り子さんで対応することになった、という経緯があり、結果、窓口番号がスライドし、6番窓口が消滅しました。

これについては、並んでいるお客さんからよく「1番が二つあるのはおかしいのでは?」と言われたり、「どっちが本当の1番なの?」と聞かれたものです。(なので「どっちが本当の1番なの?」という質問に対しては、「元々の窓口から考えると、向かって左側の窓口」ということになります)
中には、暑さから来るイライラでお客さんから罵倒されることもありましたが、警備員としては「こういうことなんです」と説明することしかできないのが申し訳ないところでした。

話を戻しますが、「並ばずに買える売り場はないの?」ということについては「2番から5番の窓口が狙い目」です。
ただし、大安吉日が重なる土日のピーク時間は、2番から5番でも30分以上は並びますので、ご注意を。

せっかくなので、もう一つウラ話的なことがあります。

宝くじを買う人の中には、会社の人たちや友人知人との「グループ買い」をする方もいます。
その場合、当然、買いに行く役目を任される人がいるわけですが、その際に「1番窓口で買って来ること!」と厳命される人もいるようです。

正直、買いに行く役目は任されたものの「あんな行列には並びたくないなぁ」という人もいるでしょう。
そんな人にこっそりお教えしたいのが**「宝くじを買った窓口番号まではわからない」**ということ。
宝くじの入った封筒に、窓口番号までは記載されていませんので、すいている窓口で買って「いや〜、◯時間も並びましたよー」と言ってもわからないのです。

ただし、買い求めた際のレシートに窓口番号が書かれている、という可能性もあり得ますので、売場の人に「どの窓口で買ったかわかるものですか?」と前もって聞いておきましょう。
「そこまではわかりませんよ」ということであれば、こっそりすいている窓口で買って、涼しいところでティータイムを楽しむのがいいと思います。

■「大安吉日」と「土日」は行列が倍増

ここまででも少し触れていますが、やはり**「大安吉日」と「土日」は人が多くなります。**

警備員として立っていた感覚的には、平日の大安吉日は、通常の平日に比べて1.5倍増し。通常の土日は、平日に比べて数倍増しという感じです。
この二つが重なると、それはもうお祭り騒ぎです。よくメディアなどで言われる「4時間待ち!」みたいな状況は、大安吉日と土日が重なった時に起こるわけです。
ちなみに、発売開始初日と販売最終日も混み合います。

さらに、あまり知られてはいませんが**「一粒万倍日」**という日も少し混み具合が増します。
これは、蒔いた種が後になって万倍になって返ってくるとされる吉日で、ご年配の宝くじファンの方などは、この日を狙いにくることもあるようです。

■結局、並ぶと当たるの?

警備員として行列の整理をしていてよく聞かれたのが**「1番窓口は当たりが出やすいの?」**ということ。

これはあくまで私見だと断った上で書きますが**「特に1番だから当たるということはありません」**とお客さんにはお答えしていました。

西銀座に限らず、大きな売場では「◯人の当選が出ました!」という宣伝がありますが、それは購入者数の分母が大きいからという背景があります。
ジャンボ宝くじの当選確率は理論値で1/1000万ですが、購入者数が多ければ、それだけ「当選人数」の数が多くなる確率も増えます。 単純に「100万人が買う売場」と「1万人が買う売場」では、当選者がでる確率は100倍違うわけです。

……というのが理屈なのですが、そうお伝えしても行列に並ぶ人はやっぱり並びます。
なぜかと言えば、それはもう「気分」の問題です。

宝くじの当選は、100%運任せなので「当たりそうなところで買いたい」というのが人情。 そこに理論的な根拠なんかなくても、本人の「ここで買いたい!」という気持ちを削ぐのは、野暮というもの。

そこで私は「確率的には変わらないかもしれませんが、お祭りだと思って並ぶのが楽しいかもしれませんね」とお客さんとお話しすることもありました。 そうすると、お客さんも笑いながら「そうだよねぇ」と言ってくれる人が多かったのが印象的でした。

ともあれ、真夏の行列に並ぶのは、暑さと体調を考えておくに越したことはありません。 「夢半ばで倒れた」なんて言うと格好良さげに聞こえますが、笑い話にもなりませんから。

【新刊JP編集部日記はこちらから】

新刊JP編集部

この記事のライター

大村佑介

大村佑介

1979年生まれ。未年・牡羊座のライター。演劇脚本、映像シナリオを学んだ後、ビジネス書籍のライターとして活動。好きなジャンルは行動経済学、心理学、雑学。無類の猫好きだが、犬によく懐かれる。

このライターの他の記事