だれかに話したくなる本の話

インスタで話題! 心がほっこり「猫との暮らし」つづるイラストエッセイ

愛猫が天に召されて以来、意気消沈の日々を送っていた。
「もう二度、動物と暮らすことはない」――そう思っていたのに、不思議なめぐり合わせから、3匹の猫と暮らすことに。

「猫がいるしあわせを改めて感じている」

そう語るのが、猫との暮らしをほのぼのとしたテイストでつづり、Instagramで話題沸騰の駒猫さんです。

その生活の主役は3匹の猫。

「駒」は3歳の女の子。3匹の猫の中では一番のお姉さんで、その自覚があるのか遠慮がちで、みんながいないところで甘えたがります。スーパーの袋の中にすっぽり入るのが好き。

「べロアちゃん」(ベーちゃん)は1歳の女の子で好奇心旺盛。チロッと舌を出すのが特徴で、あっかんべーをしているように見えるため、「べーちゃん」と名付けられています。

「わび助」は2歳の男の子で、頭がいい頭脳派。体は大きくて面白い行動をすることも。外の世界を見るのが大好きなのだそう。

そんな3匹との生活を一冊の本に収めたのが『猫がいるしあわせ』(アチーブメント出版刊)です。心が温まる23の物語が収録されており、発売から1ヶ月足らずですでに重版が決まる人気ぶりです。

さて、その23の物語の中には数ページにわたって続く長編のストーリーがあります。その一つが「ベーちゃん大脱走28時間」です。

これは、末っ子のベーちゃんの28時間にわたる大脱走と、ベーちゃんを心配して探す飼い主を描いた、ちょっとスリリングな物語。

ベーちゃんがちょっとした隙に家を飛び出したのは深夜23時。「すぐに見つかるだろう」と考えていた駒猫さんでしたが、いくら探しても姿を現しません。翌日も朝早くから近所を探しまわり、狭い場所をのぞきこみ、名前を呼び続けます。草木が覆い茂っている所にも踏み入れた駒猫さんの足には、普段「バカ」と呼ぶ植物の種がいっぱい付いていました。

一向に手掛かりはなく、落ち込む駒猫さん。もしかしたら、という思いで家の周りにトイレの砂をまき、玄関先にご飯と毛布が入ったキャリーケースを置き、玄関のドアを少し開けたまま寝ようとすると――深夜3時、リビングのドアを開けるとベーちゃんの姿があったのです。
家族全員、そして他の2匹の猫も大喜び。ベーちゃんは背中に「バカ」をたくさんつけながら、「とても楽しかったよ」といわんばかりに生き生きとした表情。「どんな冒険だったんだろうか」と想いを巡らせる駒猫さんなのでした。

こんなトラブルもありながらも、3匹は毎日健やかに楽しく、駒猫さんのもとで暮らしています。その日々を通して、猫がすぐ側にいる生活の豊かさを教えてくれます。

また、本書はイラストだけでなく、3匹の猫の写真も掲載。豊かな表情を見せてくれています。夏バテでなかなか調子が上がらないこの季節、個性豊かな3匹から元気を分けてもらってはいかがでしょうか。

(新刊JP編集部)

猫がいるしあわせ

猫がいるしあわせ

平凡な毎日に君たちがいるだけでどうしてこんなにしあわせになれるんだろう?

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