だれかに話したくなる本の話

「アラビア語=難しい」説への多少の反論(終)

こんにちは。
お忘れかもしれませんが、今日はプレミアムフライデーですね。

前回前々回と書いてきたアラビア語についての記事も今日で一区切りです。ちなみにまだ一文字もアラビア文字を書いていません。

■「機械的にできること」が少ないのがアラビア語の難しさ

「アラビア語の難しさって結局何なのか」という疑問ですが、僕個人としては「不規則性」だと思っています。

名詞の複数形ひとつとっても、英語であれば単数形に**「s」をつけたり、もしくは「yを取ってies」**をつければ複数形になります。きわめて機械的です。日本語の複数形は「々」「たち」くらいで、しかも厳密に使わなければいけないものではない。

アラビア語名詞にも、そうやって規則的に対処できるものはあるのですが、「そうじゃない不規則なもの」がものすごく多いからややこしい。

表紙

一応、その不規則さの中にも一定の規則があったりはしますが……という説明は置いておいて少し実例を。

たとえば「ミカン」を英語的に複数形にすると「ミカンズ」になるけども、アラビア語的にやると**「アムクン」だったり「ムカヌン」**だったりします。

勘のいい人はわかると思いますが、「アムクン」にしても「ムカヌン」にしても、元の「ミカン」の子音「mkn」は保存されて、母音が変わったり、頭に一文字追加されたりしています。

「不規則さの中に一定の規則が…」と書きましたが、この活用のさせ方のパターンは20種類以上あります。

「タンス」の複数形が**「トゥヌース」だったり、「トカゲ」複数形が「アトゥクーグ」だったり、「カーテン」の複数形が「カワーティヌ」だったり、「為替」の複数形が「キワス」**だったりする日本語を想像してみてください。めちゃくちゃ面倒です。

こういう風に名詞それぞれに複数形の作り方が違って、それを全部覚えないといけない。機械的にできる部分が少ないのが、アラビア語の難しさだと思います。

三回にわたり書いてきたアラビア語についての日記ですが、今回でひとまずおしまい。 連載形式は楽だったのですが、次回からまたネタを探さねば・・・!

アラビア語は何かと手間ひまかかる言語ですが、読めるようになってくると結構達成感があったりもします。「できるだけ難解で、実用性が薄く、なおかつ時間がかかる趣味」を探しているならいいかも。

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