だれかに話したくなる本の話

猫と人はいつから一緒に暮らし始めたのか?

猫のことをもっと知りたい。なんで猫はあんな行動を取るのだろう?
そんな猫好きのための一冊が『猫が幸せならばそれでいい』(入交眞巳著、小学館刊)だ。

本書は、猫好きの獣医が猫の行動学から猫の気持ちを読み解いていく一冊。猫愛溢れる「愛猫バイブル」である。

では、いつから猫と人は一緒に暮らしはじめたのだろうか。
本書によると、2004年地中海のキプロス島で見つかった9500年ほど前のお墓から人と子猫の骨を見つかったという調査チームの報告があるという。もともと地中海の島には猫は生息していないので、人が持ち込んだと考えられている。
日本では、2008年に長崎県壱岐島にある弥生時代中期のカラカミ遺跡から、人に飼われていたと考えられる猫の骨が見つかっており、これが日本最古のイエネコとなる。

もともと猫の祖先であるヤマネコは縄張りを持ち、ごはん、寝床、安全性を確保して生きてきた。その中で、人の穀物倉庫の周りで暮らしはじめたのがイエネコの祖先たち。穀物倉庫からはネズミがたくさん出るので、獲物が豊富だったのだ。
そして、おそらく縄張りを誇示するより、人のそばで暮らした方が獲物もたくさんあると考え、ヤマネコたちは次第に社会性を持つイエネコになっていったと考えられているという。

猫の歴史や行動学からみる猫の習性など、本書を読むと、これまで以上に猫との親交も深まるきっかけにもなるだろう。そして、猫との暮らしも豊かなものになるはずだ。

(新刊JP編集部)

猫が幸せならばそれでいい: 猫好き獣医さんが猫目線で考えた「愛猫バイブル」

猫が幸せならばそれでいい: 猫好き獣医さんが猫目線で考えた「愛猫バイブル」

猫好き獣医さんの「愛猫バイブル」

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