だれかに話したくなる本の話

「置かれた場所で咲くのはしんどい」 芸人ヒロシを救った“逃げる”生き方

「ヒロシです……」
哀愁たっぷりの自虐ネタで大ブレイクを果たしたお笑い芸人のヒロシさん。
活躍の場をテレビからYouTubeに移し、ひとりでアウトドアを楽しむ「ソロキャンプ」で再び注目されています。

現在ヒロシさんは、50歳を手前にして未婚。彼女はもちろん友達もなし。
そういうとネガティブなように聞こえますが、それがどんなにラクで楽しいものか、著書『ひとりで生きていく』(廣済堂出版刊)の中で語っています。

■「ひとりで生きる者」はイージーな環境に逃げるべき

一時は月収が4000万円を超える超売れっ子芸人だったヒロシさん。しかしその後バラエティ番組から消えてからは、「一発屋」と揶揄されてしまう事も少なくありません。
しかし、テレビ以外で活動するという選択は、ヒロシさんならではの「ひとりで生きる」ための術でもあったようです。

テレビという第一線にいると、活躍できる芸人でなければスタッフから不当な扱いを受けたり、「ひとつのキャラクターばかり押しつけられてしんどい」といった不満を抱えがちです。
**「『置かれた場所で咲きなさい』といわれても正直しんどい。そんなことができるのは好戦的な人だけだ」**と語るヒロシさん。
我慢を重ねてふんばり続けることができない人は、心や体がボロボロになってまでも固執すべきではないというのが考えです。

テレビほど大きな市場ではない場所へ「逃げた」ことが、結果としてソロキャンプの分野での成功へとつながりました。
これは芸人だけではなく会社員も同じで、組織の中で生き抜く事は競争社会をサバイブすることだとヒロシさんは言います。人付き合いが苦手で、かわいがってくれる先輩も親しく話せる友達もいないような「ひとりで生きる者」は、極力戦わないで済むイージーな環境へと逃げるべきだというのです。

■自分が咲きやすい場所へと「逃げる」

人並みの就職や結婚、家族をもつことなどを当たり前とする同調圧力は、そこから外れた者に対して不安を与えがちです。
もし、そうした重圧であなたが苦しんでいたとしたら、今いる環境が合っていないということ。「逃げる」ことも必要でしょう。本書には、ひとりで生きるうえで重要なこととして「逃げる」というワードが繰り返し登場します。
周囲と違う自分でも、そのままで気持ちよく生きるために、自分が咲きやすい場へと「逃げる」事は決して悪い事ではありません。

ひとりで生きるのは何かとつらい世の中ですが、同時に身軽で自由でもあります。
仕事に満足がいかなくても、お金がなくても、恋人がいなくても、好きなようにやっていける生き方を探してみることが大切。そして耐えきれないものからは逃げてしまえばいい。こういう発想こそが、本当の意味でのサバイバル力だとヒロシさんは主張します。
ひとりで生きる自由な生き方へのヒントを、ヒロシさんの生き方から見つけてみてはいかがでしょうか。

(新刊JP編集部)

ひとりで生きていく

ひとりで生きていく

絶望せずに生きる、独り身社会の処方箋。

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