
30歳の平凡な会社員だった後藤さんは現在、東京、仙台にてワークショップ講座や「センダイ自由大学」で講座を開催、まさに「なりたい自分」になっています。後藤さんの人生が劇的に変わったのは、1枚の「自分名刺」を持ってから。
『「2つの名刺」を持ちましょう』はその熱い想いがつまった一冊。今回は後藤さんにインタビューを行い、その全貌を語っていただきました。

―本書のテーマである「自分名刺」を持つようになったきっかけから教えてください。

―では「会社名刺」と「自分名刺」の違いについて教えてください
「一般的に会社名刺は所属を表すものですね。ですが“自分名刺”は自分ブランディング。作る前に、これから自分がどんな人と出会いたいのか、どんな自分でありたいのかを見つめることで、ブレない自分軸を引き出し、それを名刺に落とし込んでいきます。作る過程で、ありのままの自分に気づき、それを受け入れることで、知らなかった自分や本当にやりたいことを見つけ出す――それが、私が辿り着いた“自分名刺”作成術です」
―「自分名刺」づくりを経て、『「2つの名刺」を持ちましょう』を執筆するまでは?
「“自分名刺”を持って、いろいろな方と名刺交換するたびに、『あなたのような名刺、お金を出すから私用に作ってくれませんか?』と言われるようになった。皆さん自分の名刺の中身に何を書いたらいいのか迷っていることがわかった。作り方を説明すると、『棚おろしを一緒にやってくれるとありがたい』『小さい頃から現在、過去、未来を振り返る、まるでセラピーみたいですね』という話があった。そこで“名刺セラピー”という言葉が生まれたんです。巷の本でも『●●セラピー』が流行っていました。それからは名刺セラピーとして、いろいろな方に“自分名刺”づくりをセミナー中心で伝えていきました。しかし、それだと回数や人数が限られる。もっと多くの皆様に知ってもらいたいという思いが強くなり、本書を執筆したのです」
―「本を出そう!」と思って、実行してしまうところがスゴいですね。
「この1年くらいでしょうか、自分のノウハウを『もし本にできたらなあ』と漠然と考え始めていました。去年の4月1日(エイプリルフール)に、本に見立てた名刺をメールに添付して、仲間内に「本を出しました」って冗談で送ってみたんです。すると、いろいろな人から『amazonで探しても買えない』『書店にないんですけど?』といった反応がきました。その反応を見て、“出したい”という気持ちから、“出してもおかしくないのかな?”に気持ちが変わった。その後、週末起業フォーラムが主催する「出版企画コンテスト」を目にして応募し、今に至っています。名刺の中に「こういうことをしたい」「こういうことやりたい」と書いて、実際に叶ってしまった。名刺でもブログでも、自分を表現することをしていくという、いわばガイドラインです。できないことは言ってはいけない、それに向かって頑張らなければという、行動につながる部分があるんだと実感しましたね」

―本書のテーマである「自分名刺」を持つようになったきっかけから教えてください。

次に、相手のリアクションが変わりました。自分名刺にはその時、その場に合わせた言葉を名刺に書いて、相手にフックがかかるようにしています。軸は変えず、言葉を変えていくのです。会社名刺は1回作れば普通は変えていいと思いませんが、自分名刺はそれができる。例えばラブレターって渡す相手によって変えるでしょ(笑)。名刺もそれと同じだと思います。もともと名刺は縁を広げるためのもの。何かしらの行動、覚えてもらう、問い合わせをもらう、つまりアクションが起こる。今までは『広告屋さん?間に合ってます』で終わりでしたが(笑)。自分表現の部分を名刺に出すことで、状況が大きく変わりました。どれだけ自分を出していけるか――そうすることで相手のリアクションが変わりましたね」
―「本を出そう!」と思って、実行してしまうところがスゴいですね。
「もう1つの大きなメリットは紹介が増えたこと。『こういう人間がいるよ、会ってもらえる?』『紹介しといたからよろしく』などのお声がけが多いです。名刺交換をした相手が私の自分名刺を見て覚えていてくれます。その人がどこかで誰かに物事を頼まれる時、その人が解決できなくても後藤に紹介、という流れが多いですね。名刺や広告の相談をはじめ、最近ではセミナーの相談が多くなっています。1枚の自分名刺が営業の部分を担っている。こちらが必要としてくれる人が来るので、仕事が楽になりました」