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「FGHファミ通ゲーム白書2008」内容紹介

Page3:2008年はゲーム業界にとって「審判の年」になる

矢島
ではですね、またちょっと質問が変わりまして、この『ファミ通ゲーム白書2008』なんですが、2008年はゲーム業界にとってどんな年になると思われますか?
上床
まず2007年の話をしますが、2007年というのは、「Wii」が本格的に離陸した年だったんですよ。で、さらにその前、2006年を見てみると、「ニンテンドーDS」が大爆発したり、そのちょっと前にリリースされていた、当時、新世代機と呼ばれていた「ニンテンドーDS」だとか「プレイステーション3」だとか、ちょっとまたその前に離陸していた「プレイステーション・ポータブル」、「Xbox 360」というようなものがどんどんどんどん出て来た年だったんですね。
矢島
そうですね。
上床
それぞれがいろいろ成功しながら、2007年というのは「ニンテンドーDS」が成功したあと、「Wii」が成功した、という感じだったんです。で、2008年ですね。2008年は多分、ある意味、そういうプラットフォームで考えると、審判の年、というか答えが出る年だと思うんですね。
例えば「ニンテンドーDS」というのはある程度成功したんですけれども、さらにこのあと、さらに拡大して、さらに成功をひきのばしていくのか。さっきの話じゃないですが、サードパーティーという、任天堂じゃないメーカーさんが出すゲームソフトがどんどん売れていく、そういう状況になるのか、それとも違うのかというところです。
「Wii」に関しては、去年ある程度成功したのですが、今のところ、成功の軌跡が「ニンテンドーDS」ととても似ているんですよ。だから、「ニンテンドーDS」の後を追うかたちで成功した「Wii」が、「ニンテンドーDS」のような大成功に至るかどうか、それの答えが出る年ではないかと。「プレイステーション・ポータブル」に関して言うと、「モンスターハンターポータブル 2nd」っていうのが2007年相当売れたのですが、その後を追うようなかたちで、「モンスターハンターポータブル 2nd G」というのが既に発売されていて相当数売れています。で、そのハード自体もですね、今、ものすごく売れているんですよ。これだけ売れている「プレイステーション・ポータブル」が今後、どういう機械になるのかってことですよね。「モンスターハンター」専用機じゃないですけれども、そういう風になるのか、他のタイトルもどんどん売れるようなものになっていくのか。
矢島
なるほど。各ゲームのプラットフォーム、いわゆる、ハードウェアが誕生して、そのハードウェアがこれから真価を発揮するのが2008年だという感じでしょうか。
上床
そうですね。当然「プレイステーション3」も注目ですね。
矢島
注目ですね。では、最後の質問になりますが、3年後とか5年後を見据えたときに、業界に関わる企業や人々、おそらく先ほどの話ですと、この本の読者さんだと思うんですけど、その読者さんはどのような考えをもって事業を行っていけばよいのでしょうか。
上床
それを私が言うのをおこがましいのですが(笑)、こういう風には考えています。ゲーム機っていうのは当然ゲームをする機械ですよね。でも、ゲーム機以外にも実はゲームが出来るものってたくさんあるんですよ。
矢島
それは例えばどんなものですか?
上床
例えば携帯電話。それから、昔からありますけれども、パソコンもそうですね。実は、今後そういうものになりえるだろうと考えられているものがたくさんあって、例えばiPodとか。とりあえずインターフェイスがあってディスプレイがあると、ゲームがコンテンツって必ずそこに浸透していくので、そういう意味で言えば、本当にゲーム機だけ見ていても業界の実態は分からないんです。
これは、『ゲーム白書』の5章にも「拡散するゲーム業界」という章があって、そこにも詳しく書いてあるんですが、そういうものをちゃんと見ていかないといけないのかな、と。
矢島
なるほど。今までのその据え置き型のゲーム機と携帯型のゲーム機以外のそのゲーム業界の拡散というのが、その章には書いてあるわけですね。

編集長プロフィール

上床 光信
mitsunobu uwatoko

株式会社 エンターブレイン
ファミ通ゲーム白書 編集長
(マーケティング企画部 チーフアナリスト)

エンターブレイン発足時の2000年より、マーケティング業務を担 当。
『ファミ通ゲーム白書』は、創刊時より編集長として関わっている。
好きなゲームは、ベタだが『ポケモン』シリーズ。