だれかに話したくなる本の話

何もかもが上手くいかなくて毎日がつらいという人に贈りたい、幸せへの3つのアドバイス

仕事についていけない。やる気が出ず、達成感もない…。 心も体も疲れ切っているのに、「それでも頑張らなきゃ」となんとか自分に鞭を打って心を動かしている。そんな風に無理をしていませんか?

そのまま無理をしていても、心は病んでいくだけ。頑張ることをやめるのも手ですが、性格的に気楽に考えられない人もいるでしょう。

そんな限界寸前の心を優しく包み込み、確かな助言を与えてくれるのが、慶應義塾大学大学院で「幸せ」の研究をする前野マドカさんと前野隆司さんが執筆した『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』(WAVE出版刊)です。

著者の2人は、誰もが幸せになれる可能性を持っていると説き、知らず知らずのうちに頑張りすぎていたあなたに、そっと助言を伝えてくれます。
また、本書の特徴として、掲載されている50の幸せになれる習慣すべてに、科学的な根拠があります。そうしたアドバイスたちは、きっと疲れてしまった心を前向きにする手助けをしてくれるはずです。

ここでは、「もう何もかもがつらい」と八方塞りに陥った筆者が、この本を読んで響いたアドバイスを3つ、抜き出してご紹介します。

■「やらねばならないこと」をやめてみる

私たちは「やらないといけない」ことに囲まれています。料理を作らなきゃいけない、良いものを着ないといけない。メッセージに早く返信しなきゃいけない。しかし、それが自分の生活を窮屈にしてしまっているかもしれません。

アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズのファッションは、いつも黒か紺のタートルネックでした。それが彼にとって心地よいからです。「服を選ぶ」ことをやめて、シンプルに生きる。それを実践していたのです。

もし今、「やらねばならない」に囚われているならば、「やらねばならないリスト」を作ってみてください、そしてそのリストを冷静に眺めましょう。意外に「誰かに任せられること」「無理をしてやらなくていいこと」がたくさんあるはず。そして、「やらねばいけない」と囚われていたことをひとつずつ減らしていければ、心は前向きになっていきます。

■迷ったときは「これでいっか」と妥協してみる

「人は選択肢が多すぎると不幸さを感じる」という研究結果があります。選択肢がたくさんあったほうが確かに自由さを感じられますが、その一方で「なにが最良の選択か」が分からず、悩んでしまうということもあるでしょう。

そんな現代においては、「なにが最良の選択か」にこだわるよりも、「だいたい、これでいいや」という、いい意味の妥協が、あなたを幸せへと導いてくれます。「どこかに最良の選択があるはずだ」と考え込まずに、気を楽にして選択していきましょう。

■ネガティブなことをポジティブにとらえてみる

「ありがとう」と言うところを、謙遜して「すみません」と言ってしまうことはないでしょうか?物事をネガティブに考えたり、謙遜をしたりしてしまいがちな人は、想像力を働かせて、ネガティブをポジティブに変換する練習をしてみましょう。

上司に叱られたら成長の機会になったととらえる、イライラしている人がいたら「きっと忙しいのね」と共感するなど、ポジティブ思考が身に付き、幸せを感じやすくなるはずです。

 ◇

もし、心が疲れていると思ったときは、「頑張りすぎ」な状態かもしれません。ここで一つ自分の心に問いかけてほしいのは、そのあなたの頑張りは「幸せを感じる頑張り」か「幸せから遠ざかる頑張り」か、ということです。

今取り組んでいることを3つのうちのどれでやっているか考えてみてください。

〈1〉やりたくてワクワクしてやっている
〈2〉やらなきゃいけない責任感でやっている
〈3〉やりたくないのにやらされ感でやっている

〈1〉はワーク・エンゲージメント(仕事に対してポジティブであるということ)が高いといえますが、〈2〉〈3〉を選んだら「頑張りすぎ」を自己認識し、「もっとワクワクしよう」と気持ちを切り替え、やり方を変えていくことが大切です。

「もっと気を楽にして考えなよ」と言われても、苦しんだり、もがいたりしているときにそう考えるのは難しいことです。だからこそ、そう考えられるための土台をつくる必要があります。

本書はまさにそのための一冊。何よりも大事なのは、自分の幸せのために生きること。その習慣をつくるためのヒントが詰まっています。

(新刊JP編集部)

なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣

なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣

「今日もいいことなかったなぁ」
仕事に家事にSNSに、毎日をこなすのに疲れてしまった人へ。
少しずつ自分を大切に、満たしてあげるコツを教えます。

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