だれかに話したくなる本の話

ストレスフリーな脳をつくるための3つの基本行動

普段の仕事や人間関係に加え、すでに1年以上経つコロナ禍での生活で、ストレスはたまる一方だろう。

そこで知りたいのがストレスフリーになる習慣だ。医師であり、脳科学者の有田秀穂氏の著書で、脳から出る3つのハッピーホルモンによってストレスを解消する方法がつづられた『「ストレスフリー」な脳の習慣』(青春出版社刊)を見ていこう。

■3つのハッピーホルモンでストレスフリーな脳をつくる

3つのハッピーホルモンとは、セロトニン、オキシトシン、メラトニン。
これらがストレスフリーな脳をつくる3本柱となる。

セロトニンは、脳内にあるセロトニン神経から分泌され、精神状態を健やかに保つ役割を果たしている。セロトニンが脳内にたっぷり存在していれば、ストレスにも動じることもない。

有田氏がこのセロトニンとセットで「ハッピーホルモン」と呼ぶのがオキシトシンだ。
オキシトシンは、母親が持つ、出産や育児に欠かせない「愛情ホルモン」として昔から知られていたが、2000年頃にストレス中枢の興奮を鎮める新しい働きが発見された。 ストレス中枢の興奮が鎮まれば、外部からストレスが与えられても、セロトニン神経がそう簡単に弱まることはない。ストレスを受け流して、気分よく生活していくことができるのだ。

そして、質のよい睡眠をもたらすのがメラトニンだ。脳内の松果体から分泌されると、ぐっすり眠ることができる。このメラトニンをつくる原料となるのがセロトニン。質のよい睡眠をとるには、昼間、セロトニンがたくさん出る生活をして、メラトニンの原料をしっかり蓄える生活をすることが不可欠なのだ。

これらの3つのホルモンが親密に関わりを持ち、ストレスフリーな脳をつくる要素となる。

では、よい睡眠を取るために重要なセロトニンを増やすにはどうすればいいか。
脳内のセロトニン神経を鍛えて、十分にセロトニンが分泌されるようにすることが一番だ。セロトニンを鍛える基本は以下の3つ。

1.太陽の光を浴びる
2.リズム運動
3.スキンシップ

日光浴やウォーキングがセロトニン神経を鍛える効果的な方法となるが、時間が長すぎると逆効果になってしまうので注意が必要だ。

トレーニングを始めてから5分ほどすると、どんどんセロトニンが分泌されていくが、疲労感が出る頃になると、今度はセロトニンの分泌量が減ってしまうと有田氏。なので、太陽の浴びすぎや歩きすぎには注意が必要で、「疲れたな」と思ったら、すぐにやめることが大切だ。

コロナの影響で今までのように外に出かける機会が減った反面、運動不足からウォーキングを日課にしている人も多いはず。本書から、脳のしくみを知り、脳の習慣を身につけてはどうだろう。ストレスフリーな脳で快適な日常を過ごせるはずだ。

(T・N/新刊JP編集部)

脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣

脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣

脳科学者である著者が、運動、睡眠、コミュニケーションなど、毎日の生活のひと工夫でできるストレス解消法を解説。

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T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

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