だれかに話したくなる本の話

考える力を引き出すメモの活用法

良いアイデアが浮かばない。考えることが苦手。日々忙しくて考える時間がない。
そんな悩みを持っているならば「メモをとること」をおすすめしたい。

もちろん、ただメモをとるだけではない。メモを最大限に活用することで、やるべきことが整理され、考える力を深めることができる。
『想像以上の結果をだし、未来を変えるメモの取り方 ロジカルメモ』(村本篤信著、アスコム刊)では、そんなメモ術を紹介している。

例えば人の話や思いついたことをただ書き留めただけのメモは、備忘録や伝達手段としての役割しか果たすことができないので、それだけでは生産性が低い。しかし、ロジカルメモの手法を活用すれば、メモが「第二の脳」「アイデアの泉」に変わり、「考える力」を引き出してくれるという。

ロジカルメモは次の3つのステップで「思考のコンパス」をつくることを目的としている。

■ステップ1 ふつうにメモを書く

まずは、ノートを開いてふつうにメモを書いていく。ノートは見開きの左のページを「ふつうのメモゾーン」、右のページを「文章化ゾーン」として使い分け、メモは左のページに書こう。

左のページに書かれた「ふつうのメモ」は、単なる情報の羅列だが、実はこれこそがアイデアの泉であり、無限の可能性がある。
ここで大事なことは、メモを書くときに「ゴール」を設定すること。ゴールを設定すると、何を考えるのかが明確になる、打ち合わせ後にやるべきことが明確になる、といったメリットがある。

■ステップ2 自分の言葉で言いかえる

ここではノートの見開き右ページの「文章化ゾーン」を2分割して使う。

まずは、「文章化ゾーン」の左側の欄に、ふつうのメモゾーンの内容を自分の言葉で言いかえ、書き込んでいく。例えば、メモに書かれている情報を整理したり、自分なりに重要だと思った点を書いたり、追加で調べたい点、どこがわからないかを書いたりするのでもいい。

次に、文章化ゾーンの右側の欄に、新たに気づいたこと、感動したことを書いていこう。自分自身が感じたことを、素直に自分の言葉で書いていくことで、それまで「他人ごと」だった情報や人から聞いた話が「自分ごと」に変わり、自分の思考を深めていくことにつながる。

■ステップ3 ふせんに「思考のコンパス」をつくる

ふつうのメモの内容を自分の言葉に言いかえた中から、1つか2つ、特に大事だと感じたことをふせんに書く。このふせんが「思考のコンパス」となる。

「思考のコンパス」には、会議や打ち合わせなどで聞いた話、得た情報のうち、何が自分にとって最も重要なのか、何を自分がこれから考えるべきかが明確に書かれている。これをつくることによって、自分がやるべきこと、考えるべきことを絞り込むことができるのだ。

「考える」とは、頭の中身を言語化、文字にすること。3つのステップを踏み、最終的に思考のコンパスをつくることで、やるべきことが整理され、すぐに実行に移せるようになる。

著者の村本氏が出会ってきた「仕事のできる人」の共通点は、メモをうまく活用している人だという。ロジカルメモで、考える力をつけ、決断のスピードを上げ、仕事に活かしてみてはどうだろう。

(T・N/新刊JP編集部)

ロジカルメモ 想像以上の結果をだし、未来を変えるメモの取り方

ロジカルメモ 想像以上の結果をだし、未来を変えるメモの取り方

打ち合わせ、会議、日々の考え事、自己分析、目標設定、どんな場面でも使えるすごいメモ術。

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T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

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