だれかに話したくなる本の話

「初めての書き方をした」 万城目ワールド全開『あの子とQ』はどのように生まれたのか

『あの子とQ』作者の万城目学さん

友情あり、恋あり、そして謎あり。まさに「ミラクル」な青春物語だ。

高校2年生の女の子・弓子は実は吸血鬼。でも人間の血は吸わない。人間社会に完全に溶け込み、今日も親友のヨッちゃんと田んぼに挟まれた一本道を自転車で突っ切る。
そんなある日、17歳の誕生日に行われる「脱・吸血鬼化」の儀式を間近に控えた弓子のもとに、黒くてトゲトゲした謎の物体があらわれる。「Q」と名乗り、儀式まで弓子を監視するという。
Qとは一体何者なのか? そして恋するヨッちゃんに協力してダブルデートをすることになった弓子は、その行先で大事故に遭遇。ヨッちゃんの想い人を助けるために弓子はある行動に出るのだが…。

刊行当初から「万城目ワールド全開」という声があがっている万城目学さんの新作小説『あの子とQ』(新潮社刊)。その物語はいかにして生まれたのか。コロナ禍で深く沈んだ心にユーモアと明るい光を差し込む本作について、作者の万城目さんにお話をうかがった。

あの子とQ

あの子とQ

見た目は普通の高校生、でも実は吸血鬼。
平穏な日々を送る嵐野弓子のもとに「Q」が出現、試練と冒険の幕が開く!