だれかに話したくなる本の話

No1ホストが語る一流の条件「三流は話す、二流は聞く」では一流は…

売れれば年収1億円も夢ではないとされるのがホストの世界。
イケメンなら人気者になれそうに思えますが、イケメンであれば人気が出るほど甘い世界ではありません。

イケメンは確かに有利かもしれませんが、「かっこいいだけのホスト」が人気が出るのは一瞬。最終的に「売れるか否か」は見た目ではなく、「信用」が決めるもの。ホストはお客様に対して誠実か否かが、売れる第一条件なのです。そして、お客様に「信用」してもらい、「誠実」と思ってもらう方法はたった1つ、心の通った会話をすること。

歌舞伎町の元№1ホストとして15年もトップを走ってきた信長氏は、著書『№1ホストが明かす心に残る話し方』(WAVE出版刊)で、ビジネスに広く応用できるトークのスキルを明かしています。

信用されるかどうかは、ビジネスでも極めて重要なこと。氏いわく、相手から誠実だと思われる話し方の第一条件は「自分から話さないこと」だといいます。なぜならほとんどの場合、人間は自分の話を聞いてほしいのであって、他人の話を聞きたいわけではないからです。

しかしそれなのに、一生懸命に頑張って自分から話そうとする……。
ホストクラブなら、お客様は怒って帰ってしまうか、次から指名してもらえなくなるか、そのどちらかになります。

また、信長氏は「三流は話す、二流は聞く」とも綴っています。

では一流とは? その答えを信長氏は「引き出す」と即答しています。

「会話中に話が途切れて気まずくなった」という経験は誰にでもあるはず。こういった状況に陥らないために、信長氏が紹介しているのが「無限会話術」です。

「無限会話術」のポイントは、相手の示した「好き」に、自分の「好き」を乗っけていくこと。とくに会話が苦手な人にとっては、自分から話題を広げるのはけっこうハードルが高いもの。広げるよりは、最初に見つけたポイントをどんどん掘るほうがやりやすいはずです。

たとえば、話相手から「最近、ニュージーランドに行った」という話題が出たとします。
明らかに「ニュージーランドについて話したい」ということですね。
ここで「いや、僕は行ったことがなくて~」などと切り出したら、そこで会話が終わってしまいます。ここで「無限会話術」の出番です

「ニュージーランドかー。自然が綺麗なんだよね。どこか行った?」
「〇〇に行ってきたんだー。知らなかったけど、いいところなんだろうね! ほかにはどこに行った?」
「××にも行ったんだ。俺も行ってみたいなあ。何がとくによかった?」

こういった形で、1つの話題を掘って褒める、掘って褒める……を、5W1Hを意識して繰り返しましょう。ただし、単に掘り下げ続けるだけでは尋問になってしまうので「ひと掘りごとにひと褒め」が鉄則です。

人は、自分の好きなことなら、ずっと語ることができます。しかも好きなことを話せる相手にも好意を抱きます。こうして、相手から情報と好意を引き出すのです。

ホストは自分語りをするものだと思われがちですが、実際にはこのとおり全くの逆。売れっ子のホストほど、お客様に話して頂き、お客様の語りにどうリアクションを取るかで、その後のリターンが違ってくるのです。

■営業トークはホストに学べ

これって、どの職業でも通じると思いませんか?
たとえば、商品の説明をする営業マンより、お客様のニーズを引き出す営業マンのほうが、絶対に売れるはずです。

そう頭ではわかっているのに、多くの方が、なぜか実行できない理由は、「これをやらなきゃ」「あれもやろう」と、会話中・雑談中に自分が「やること」ばかり考えているから。実際には「やること」ではなく「やらないこと」を考えるべきなのです。

「やること」ばかり意識すると、つい余計なことをしてしまいます。
人間、「言わなくて後悔した」ことより、「言って後悔した」ことのほうが多いもの。
本書では「ついやってしまっているNG言動」を、項目別に「やらないことリスト」として紹介しています。

たとえば、相手が「犬が好き」と言ったとき、即答で「私は猫派ー」とか言っていませんか?
あるいは、相手が上司の愚痴をこぼしているときに、「結局それってこういうこと?」と勝手にまとめていませんか?それか「いや、それは上司の気持ちもわかるよ」と言ってしまったりしていませんか?

この本では、先ほどご紹介した「無限会話術」以外にも、信長氏が№1ホストになっていく過程で身につけた、40を超える秘策を伝授していきます。
どれか一つでも試してみれば、仕事でも、プライベートでも、役立つ場面は多いはずです。

(新刊JP編集部)

№1ホストが明かす 心に残る話し方

№1ホストが明かす 心に残る話し方

売れるホストほど喋らない。
相手から「語り」を引き出す最強の雑談術!

会話では「やること」より「やらないこと」を意識しよう!

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