だれかに話したくなる本の話

支店長に嫌われた銀行員が背負う「外れない十字架」とは

『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記――このたびの件、深くお詫び申しあげます (日記シリーズ)』(目黒冬弥著、フォレスト出版刊)

同じ会社勤め、とはいえどんな仕事にもその仕事ならではの特色があり、人間模様がある。それは他の業界、業種、会社で働く人からすると、新鮮だったり、時には奇異に映る。

「サラリーマン社会」の極北といえば、銀行員である。近年実力主義に変わりつつあると言われているが、かつては上司に気に入られなければ出世の道は拓けず、ミスをして上司の顔に泥を塗れば数年間は冷や飯を食わされる世界だった。

メガバンク銀行員ぐだぐだ日記――このたびの件、深くお詫び申しあげます

メガバンク銀行員ぐだぐだ日記――このたびの件、深くお詫び申しあげます

M銀行は最近、世間を騒がせるいくつかの不祥事を引き起こした。
多くの行員がその対応、事後処理にあたり、私もその最前線にいたひとりだった。
ニュースで報じられる事件の裏側には、現場で汗を流し、時に罵倒され、頭を下げている人たちがいる。そんな生身の姿を知ってもらいたいと思った。
――四半世紀を超える銀行員生活で、語りたいこと、語らずにはいられないことがある。