他責思考から自責思考に変えることで起こる人間関係の変化とは?
職場の上司とウマが合わない、取引先との関係作りがうまくいかない、家庭ではパートナーにイライラしっぱなし…。人間関係のストレスは生活の充実感を曇らせてしまいます。でも、そのストレスはもしかしたら自分自身が作り出してしまっているのかも。
『話し方も、見た目も、特別じゃなくていい 一瞬で好かれる人になる技術』(原田康子著、アチーブメント出版刊)は、周囲の人と良好な人間関係を築く力は性格や才能ではなく、技術だということを教えてくれます。ちょっとした意識や考え方で人間関係は驚くほど変わるもの。その秘訣はどこにあるのでしょうか。今回は著者の原田康子さんにお話をうかがいました。その後編をお届けします。
■自責思考で人生を自分の手に取り戻す
――他責思考より自責思考の方が周りに好かれるのは納得できます。なんだかんだと周りや誰かのせいにしたくなることが多いなかで自責思考を保つ秘訣を教えてください。
原田:本ではそう書きましたけど、私も今だって他責になることはあります。そんな時は、信頼のおける人に一度全部吐き出すようにしています。理不尽だと思ったこともがっかりしたことも、悲しかったことも、一度吐き出して聞いてもらうだけで結構すっきりするものです。
そうして気持ちが落ち着いたら「結局、自分はどうしたいんだっけ?」と自分に問いかけてみることが大切だと思います。そうすると、相手がどうというところから「自分に何ができるのか」というところに戻れるんです。
自責思考に戻るためにもう一つおすすめなのは、自分と相手の間に「理想の〇〇さん」を置いてみることです。たとえば、職場で上司との関係に悩んでいるとしたら、「この上司は嫌い」と考えるだけではなくて、「理想の部下だったらこんな時どうするんだろう」と自分に問いかけてみる。夫婦関係でも同じです。パートナーに腹が立った時は相手を責めるのではなく「理想の夫婦関係ってどんな関係?そのために自分ができることは?」と問いかけてみる、という方法ですね。
自責思考は自分を責めることではなくて、人生の主導権を自分で握ることです。この考え方に変わってから人間関係が驚くほど楽になりました。
――自分に変えられるところとどうにもできないところを整理することの効果についてお聞きしたいです。
原田:一番はメンタルが安定して、自分の機嫌を自分で整えられるようになります。そうなると結果的にストレスが少ない状態を作れるようになります。ストレスは自分では本来変えられないものを何とかしようとすることで生じるので。
人間関係でいえば、「他人」って結局変えられないんですよ。上司やパートナーに腹が立っても、相手の行動や考えを変えることはできません。そこにエネルギーを使い続けてしまうからストレスが溜まるわけで、それならば自分に焦点を当てる方が消耗は少ない。消耗が減ると自分の人生に使えるエネルギーが戻ってきます。
――対人関係について、「相手のありのままを受け止める」ことの大切さを説かれていました。でも、家族や友人など長い付き合いの人にはついアドバイスしたりひとこと言いたくなってしまう場面もあるかと思います。相手に干渉するタイミングについてアドバイスをいただきたいです。
原田:これはもう「アドバイスは相手から求められたらする」に尽きます。まずは相手の話を聴くことが大切です。聴いていると言いたいことはたくさん出てきますよ。でも、そこで口を挟まずに最後まで聞く。そのうえで「私にできることはある?」と問いかけるようにしています。そこでアドバイスや意見を求められたら言えばいいので。
――自分に余裕がない時ほど周りにイライラしがちです。余裕には「お金の余裕」もあれば「時間の余裕」もありますが、原田さんは余裕をもった生活をするためにどんな工夫をしていますか?
原田:計画的な人生を送るということではないでしょうか。毎日朝早く起きて、その日の計画を立てて一日をスタートさせることがすごく大切だと思っています。
長期的にもそうで、一年のはじまりに今年のシナリオを大まかにでも作ってみることをおすすめします。「ここは旅行に行く」「ここは仕事をする」というように決めておけば、突発的に入った用事に流されずに済みますからね。
――本書をどんな人に読んでほしいとお考えですか?
原田:真面目にがんばっているのになぜか人間関係だけがうまくいかなかったり、仕事では成果が出ていて、責任も果たしているのになぜか心が疲れていたり、人生にある種の違和感がある人に読んでほしいと思います。
人間関係というのは才能や性格で決まるのではなくて、自分で学んで磨いていくことができるものだということを伝えられたらうれしいですね。
――最後に読者の方々にメッセージをお願いいたします。
原田:人はいつからでもどこからでも必ず良くなれます。じゃあ変わるために何が必要かというと、無理をすることでも自分を責めることでもなくて、自分自身を理解して大切にしたうえで人と関わる技術を身につけることです。それだけで人生も人間関係も軽やかになっていきます。この本が、たくさんの人が自分の人生を取り戻すきっかけになったらうれしいです。
