だれかに話したくなる本の話

次の金融危機で「富の移転ゲーム」が始まる 勝つために必要なこととは

インフレによって通貨の価値は目減りし、銀行預金だけでは将来が心もとない。しかし物価高騰で投資に十分なお金を回せない。長く続いたデフレ経済がインフレに転じたことで、さまざまな問題が生まれている。

このインフレがどこまで進むのかわからないし、リーマンショックのような世界的な金融危機が来ないとも限らない。この不安定な時代に私たちはどう備えるべきなのだろうか。 る。

『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』(小林大祐著、KADOKAWA刊)はやがてくる「グレートリセット」に触れたうえで、そこから資産を守り、富を築くチャンスに変えるために必要な考え方と知識を授ける。今回は著者の小林大祐さんにお話をうかがい、富裕層がすでに始めているという次の危機への備えと、中流層の資産構築に必要なポイントについて語っていただいた。その後編をお届けする。

■次の金融危機で「富の移転ゲーム」が始まる 勝つために必要なこととは

――今回の本ではインフレにフォーカスされています。不動産投資はインフレに強い投資とされていますが、本の中では「不動産神話の崩壊」についての章で、今投資用不動産を持つことのリスクについて書かれていました。インフレ時代の不動産投資において注意すべきポイントについて教えていただければと思います。

小林:インフレでもデフレでも関係なく、不動産は「買った瞬間に勝負が決まる」と言っていい。言い換えれば、いつか売却するときに、最低でも買った時と同じ金額で売れるものを買わなければいけません。そして、その物件を「人のお金を使って、時間をかけて自分のものにする」というのが鉄則です。つまり、金融機関から融資を受けて、それを入居者からもらう家賃で払っていくということです。

じゃあ、買った時と同じ金額で売れる物件とはどんな物件かというと、たとえば1億円の物件が2つあったとして、Aの方は土地の実勢価格が1000万円で建物が9000万円、Bの方は土地が8000万円で建物が2000万円だったとします。建物の方は減価償却があるので保有すればするほど価値は下がっていくので、価格における土地の価格の比率が高いほど価値は減りにくいということになりますよね。

――土地の比率が高い物件を買うのが勝ち筋になってくるわけですね。

小林:それはもうマストですね。土地の実勢価格は調べればすぐにわかりますから、それを把握したうえで、建物の比率が低くて元本毀損しにくい物件を、人のお金で買って、時間をかけて自分のものにしましょうという話をしています。

家賃の方の話もすると、日本は賃料の改定が難しいのですが、インフレのおかげで賃料も上昇傾向にあるのはまちがいないです。

――「貯蓄から投資へ」という国の旗振りもあって、個人で投資活動している人が増えました。ただ、「新NISAを活用してS&P 500に機械的にお金を入れ続ける」というような、あまり思考が伴わないやり方をしているケースが多いようです。この種の投資手法の今後の見通しについてお話をいただければと思います。

小林:今回の本はそういった人に警鐘を鳴らす意味もあります。思考停止状態で投資することの危険さをわかっていただきたいです。

日本人にも投資という文化が醸成されたのは新NISAの功績が大きいですよね。それまでは極端な話、定期預金以外で金利がつくものは詐欺だと言われていたわけですから。

ただ、わかっていただきたいのは例えば新NISAでS&P 500を買い続けるということは、すなわち自国の通貨を売り続けているということでもあるということです。結果として円安が進んでしまうのはやはり国にとっていいことではありません。果たしてそれでいいのかというのは考えてみるべきだと思います。

また、その人の年齢や家族構成によって必要な金額が違いますし、それを達成するための投資も変わってきます。そこは先ほどのお話にあった「幸せの定義」に立ち戻って本当にやるべきことを考えてみていただきたいですね。

――直近ですと、金や銀の価格が大きく値下がりするなど、これまでの投資の常識が通用しないケースが生まれています。このような先の読みにくい時代では投資先を分散することがますます大事になってくるかと思いますが、たとえば投資に回せるお金が月に20万円ある場合、小林さんならどんな配分にしますか?

小林:仮に年齢が30歳で結婚していて、子どもはまだいないということにしましょう。そして共働きで世帯収入が700万円ほどだとします。そのくらいだと月に20万円投資に回すのは難しいかもしれませんが、私ならばまず中心部から外れた家賃の安い家に引っ越しますね。それで投資に向けられるお金を増やしたうえで非課税枠を使って新NISAを利用します。S&P 500のようなものではなく、個別株にドルコスト平均法で継続的に投資するでしょうね。

――銘柄の選び方についてアドバイスはありますか?

小林:それはもう情報を入れたうえで、好きな銘柄を選べばいいと思います。今の世界情勢であれば防衛関係の銘柄とか、ゴールドが値上がりしているのであれば、金鉱山にまつわる銘柄を探してみるなどですね。これはあくまで選ぶ際の視点の話で、実際に投資する際はご夫婦で話し合って決めていただければいいと思います。株式を買うのか社債を買うのかも、家族の状況とステージによって変わるでしょうし。

――グレートリセットは「富の移転ゲームのはじまり」というお話がありました。このゲームに参加して勝つためのポイントについて教えていただきたいです。

小林:視野を広げて物事を俯瞰的に見る訓練をすることです。日本で目にするニュースは世界で起きていることと連動しています。さまざまなことに興味を持って視野を広げたうえで考えることが大切だと思っています。

もう一つは物事の本質を捉えることです。ゴールドが値上がりしている理由は、一般の人が必要としているというよりも、国家がゴールドの備蓄を増やしているからです。つまり、国家が買い続けている限りゴールドは値上がりしていきますし、国が売り始めたら値下がりします。投資をするのであれば自分が参入しようとしている投資の本質を見極めることが必要です。

――最後に読者の方々にメッセージをいただければと思います。

小林:グレートリセット、つまり次の金融危機は必ず来ます。ただ決しておびえる必要はなくて、日本に住んでいることの利点を理解したうえで、視野を広く持って人生設計と資産戦略を組めば、グレートリセットはチャンスにもなります。

私は日本人は優秀な民族だと思っています。世の中のことや投資のことを理解して、危機への備えをしておけば、大きな富を築く人がたくさん出てくるのではないでしょうか。

2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産

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アメリカの関税政策、ウクライナやガザなどの地政学リスク、異常気象と資源の争奪戦…。
99%が恐怖で資産を手放すとき、1%の富裕層だけが、したたかに、そして冷酷に次の一手を打ち終えている。

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