だれかに話したくなる本の話

でんぱ組.inc夢眠ねむが「女性として読めてよかった」と絶賛する本とは?

■夢眠ねむが選ぶ「2016年に読んだ本3冊」を公開!

――最後におうかがいしたいのですが、夢眠ねむさんは読書が好きということで、2016年に読んで面白かった本を3冊選んでいただければと思います。こちらはタイトルを関係なく、また今年刊行された本以外でも大丈夫です。

夢眠:いっぱいあるんだよなあ…。今年読んだ本ですよね? まずは『愛のでたらめ』という本です。歌手の土岐麻子さんが書かれた本なんですが、独特の世界観が詰まったエッセイ集です。文章も長さもすごく短いものもあれば、ぎっしり長文もあったり、あとはイラストもあって。大切に読めました。

2冊目は…そうだなあ。昔の本なんですけど、何度も読み返している大好きな本があって、ミヒャエル・エンデの『モモ』です。私にとってのお守りみたいな一冊で、なんかこう「ああーっ!」って気持ちになるときがあるじゃないですか。そんなときに読むと、すごく元気が出るんです。

――『モモ』はモモという少女と時間泥棒のお話ですね。

夢眠:そうです。子どもの頃から読んでいて、昔は目をつぶったら時間泥棒がいるんじゃないかと思ってシャンプーできなかったんですよ(笑)。大人になっても胸に響く本なので、皆さんに読んでほしいです。

――では、ラスト1冊、いかがでしょうか?

夢眠:うーん、どうしよう。これは悩ましい! ちょっと待っててくださいね。

(熟考の末)川上未映子さんの『きみは赤ちゃん』というエッセイです。川上未映子さんと夫の阿部和重さんとは、谷崎潤一郎賞の祝賀会に呼んでいただいたときにお会いしたことがあって、すごく素敵な夫婦だなと思ったんですね。

それでこのエッセイを読んだら、本当に壮絶な夫婦生活なんですよ。それが赤裸々に書かれていて。女性が心から勇気づけられるというか、これを読んでおけば、この先何があっても乗り越えていけるような気がしました。

だから、女性の経験として読めて良かったということもありましたし、もちろん未映子先生の他の作品も好きなんですが、リアルな姿が書かれている本として印象に残っていますね。

――ありがとうございます。今日は「タイトルだけ大賞」への出演、お疲れ様でした!

夢眠:こちらこそ、ありがとうございます!

■夢眠ねむさんプロフィール

7月14日生まれ B型 三重県出身
キャッチフレーズ:永遠の魔法少女未満
アキバと世界を繋ぐ新しい時代のスーパーアイドル!映像監督やコラム執筆等、ジャンルに関係なくカルチャーを結ぶポップアイコンとして活躍の幅を広げている。

でんぱ組.inc 初のベストアルバム
『WWDBEST 〜電波良好!〜』12月21日リリース!


でんぱ組.inc公式サイト
http://dempagumi.dearstage.com/

まろやかな狂気―夢眠ねむ作品集

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でんぱ組.inc 夢眠ねむ、初の作品集

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金井元貴

1984年生。「新刊JP」の編集長です。カープが勝つと喜びます。
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audiobook:「鼠わらし物語」(共作)

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