だれかに話したくなる本の話

「本を選ぶ」ということと、あとは新井さんの引退について

提供: 新刊JP編集部

こんにちは、金井です。

さて、今週の火曜日、文化放送の朝の情報ラジオ番組「The News Masters TOKYO」に生出演し、本を紹介させていただきました。

私が出演したのは、毎朝8時25分頃からの「トレンドマスターズTOKYO」という、トレンドや今、知っておきたい情報をスペシャリストたちが説明するという5分間のコーナーです。

出演した回は9月10日までradikoのタイムフリーで聞けます

曜日ごとにジャンルが決まっており、本を紹介する「BOOK」は毎週火曜日です。
私以外にもたくさんの方が出演されており、最近ではこんな本が取り上げられています。

8月28日『Learn Better』(紹介者:ホンシェルジュ・東海林真之さん)
8月21日『富山は日本のスウェーデン』(紹介者:BOOKウォッチ・松本良一さん)
8月14日『成毛流「接待」の教科書 乾杯までに9割決まる』(紹介者:フライヤー・井手琢人さん)
8月7日『一私小説書きの日乗』(紹介者:楠木建さん)

ビジネス書に限らず、ノンフィクションや小説・エッセイなど幅広いジャンルの本が並んでいますね。

そんな中、今回私が選んだのは『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(亜紀書房)という本です。

この本、もともとノンフィクション作家の高野秀行さんがツイッターで「衝撃的」とご紹介されていて、気になって読んでみたら「すごい本」だったのでどこかで取り上げたいとずっと思っていました。
ちなみに、2018年上半期に出た中で面白かった本ベスト3を発表すると、下記の3冊になります。

『オリバー・ストーン オン プーチン』(文藝春秋)
『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(亜紀書房)
『ノモレ』(新潮社)

見事にノンフィクションばかりになりました。
最近は面白いノンフィクションが多くて嬉しいです。ぜひチェックしてみてください。

話を戻します。

この本は、人類学者の奥野克巳さんがボルネオのプナンという狩猟採集民と暮らした経験をもとにしたエッセイなのですが、この番組で紹介すべきかどうかについてはかなり迷いました。

というのもこの本、今のビジネス書とは対極にあるような本でして、ビジネス書で良いと書かれていることに対して疑問の視線を向ける契機になるような部分があるからです。つまり、向上心にあふれたビジネスパーソンにとって「劇薬」とも成り得るわけです。

今まではビジネスパーソンに役立つ本という枠の中で選んできました。その意味でこの本はどう作用するだろう、と。

ですが、内容については本書をぜひ読んでいただければと思うのですが、社会が違えば常識も違います。「こんなのありえない」と考えるのではなく、「確かにこういう環境ならそういう考え方になるよな」という柔軟さは持ち合わせていたいものです。

一人の人間の言うことがすべてではなく、たくさんの視点を持って見てみる。その中からバランスを意識して選ぶ。あとはそれを他者に押し付けない、ということでしょうか。大事なことは。

そういう理由で悩んだ挙句、「単純に面白かったし、この本を通して得られることはたくさんある」と思い、放送作家さんに伝え、当日の生放送にのぞみました。

結果、取り上げて良かったという結論になりました。
生放送出演直後、「滑舌が悪い」という指摘を編集部のヤマダからもらいましたが、「読んでみたくなった」というコメントも多数いただいたことは励みになります。

今後また出演する機会をいただけたなら、誠実な気持ちで本を取り上げたいと思います。
また、この場をお借りして、自分を呼んでいただき、さらに自由に選書をさせてくださる「The News Masters TOKYO」スタッフの皆さんや、放送中、話を広げてくれるタケ小山さん、西川文野アナウンサー、コメンテーターの皆さまにも御礼を申し上げます。ありがとうございます。

出演した回は9月10日までradikoのタイムフリーで聞けます

今までの出演時の写真はこちら。

■新井さんの引退について

広島東洋カープの新井貴浩選手が今季限りの引退を表明しました。ここからは新井選手を愛称である「新井さん」と呼ばせていただきます。

2007年オフ、新井さんが「辛いです…」と言いながらFA宣言をしたその日、大学院の授業に行こうと大学に向かっていたら、速報でその情報が流れてきてあまりのショックに家に引き返し、その後一日寝込みました。そして、2014年オフ、復帰が決定したときに「あのFAのときの涙はなんだったんだ」という気持ちになったのは正直なところですが、新井さんがいなければこれまでの2連覇はなかったと思います。偉大な選手です。

選手や監督・コーチの中のコメントの中で、ひときわ愛情を感じたのが東出輝裕コーチのこのコメントです。

「ここまでできると誰も思っていなかったでしょう。一緒にいっぱい怒られた思い出しかないです」
(サンスポ.com「広島・緒方監督「最初は驚きというより…」より」

あの時代があったからこその栄光。ずっと見続けてきたカープファンにとっては、新井さんの引退は、他の選手とはまた違う感情があるのではないでしょうか。

今年こそ日本一。新井さんの活躍に期待しています。

ではまた。

【ダイエット速報】


一時、63.5kgまで減りました。最近は64kg台前半で安定しています。あともう少しで目標達成!

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新刊JP編集部

この記事のライター

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金井元貴

1984年生。「新刊JP」の編集長です。カープが勝つと喜びます。
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