だれかに話したくなる本の話

「ちゃんとしなきゃ」がストレスのもと 心の疲れを楽にする方法

国内の新型コロナウイルスの感染拡大はようやくひと段落。かと思いきや「第二波」が心配されているし、生活が元通りになるのがいつかもわからないし、そもそも本当に元通りになるの?っていう疑問もあるし……。

こんな終わりの見えない状況に、個人的な悩みや心配事が重なれば、そりゃあ心は疲れます。モヤモヤっとした気分が続いていたり、何もやる気になれなかったりするのなら、それは心がS O Sを求めているのかも……。

心配事、悩み事の根本的な原因を取りのぞくことはできなくても、今の気持ちや暮らしを軽くすることはできます。それは、知らず知らずのうちに染み付いている「ちゃんとしなきゃ」をやめること。

ここでは『「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本』(小田桐あさぎ著、WAVE出版刊)で見つけた、気持ちや日々を楽にする方法を紹介します。

■疲れている時の「したいこと」は99%幻想!

やらないといけないことがあるのにやる気が起きず、結局やらないまま1日終わってしまい、猛烈な後悔と自己嫌悪に襲われた経験は誰にでもあるはず。こんな精神状態の時って、ふと「あー何もかも忘れて海外に行きたい。海が見たい」「たまには後先考えずニンニクてんこ盛りのステーキが食べたい!」と、なんの脈絡もなく「やってみたいこと」が思い浮かんだりするものです。

でも、そんなのは、疲れた心とだらだら一日過ごしてしまった自分への自己嫌悪が生んだ幻想です。何もやる気が起こらないような疲れた状態では、まともな思考は浮かびません。

「疲れている時の「したいこと」は99%幻想!」

まずは休んでエネルギーを蓄えること。疲れた心と体で始めたことなんて長続きしませんし、疲れていると本当は嫌なことを嫌と言えずに「まあいいか」で済ませてしまったりします。やる気が起こらないなら、自分を責めたりせず、何も考えずに休みましょう。

■削っていいのは仕事・生活・家事育児

「ちゃんとしなきゃ」と考えるのはやめましょう。「ちゃんとしなきゃ」を捨てられない人ほど、どんなに疲れている時でも、普段やっていることをこなすために「睡眠」を削ろうとします。当たり前ですが、こんなことをしても余計疲れるだけです。

削るべきは「普段やっていること」の方。そう、仕事・生活・家事育児です。疲れたままこれらをこなしていてもジリ貧になるだけ。ならば、一度そちらを削って、まずは自分の時間を確保すべきです。

「削っていいのは仕事・生活・家事育児」

親や同僚・ママ友などなど、身近な人が普通にこなしていることだからといって、それを常識ととらえることはありません。自分ができることをやればいいし、できなければ少し休めばいいんです。

仕事も家事育児も、サボったら生活が破綻するのではないかとつい考えてしまいますが、疲れている時に必要なのは気持ちの余裕。一度これらをストップすることで、リフレッシュして仕事に臨めたり、子どもや夫との関係が良くなることもあるのだとか。

■ブレるのは進化の証

「ちゃんとしなきゃ」が頭にあると、「ブレること」「飽きて途中でやめること」「妥協すること」が気になります。首尾一貫していた方がちゃんとしている感じがしますもんね。

でも、ブレたのは新しい考えに出会ったからかもしれませんし、飽きたのはもっと自分に向いているものがあったからかもしれません。ブレるのも変わるのも、悪いことではないのかも。むしろ、自分が進化している証かも。

「首尾一貫=正しい」「初志貫徹=正しい」
こんな考え方を捨てられたら、それはあなたが「ちゃんとしなきゃ」から離れられているということ。新しい暮らし方が求められている今は特に、肩の力を抜いていきましょう。

『「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本』には、ここで取り上げたもののほかにも、仕事・生活・家事育児が楽になる方法、心が軽くなる言葉が紹介されています。

「ちゃんとする」をやめるのは自分勝手だと思われがちですが、それが自分も周りも幸せになるための近道になるということを、この本は教えてくれます。

「ちゃんと全部読まなきゃ」と身構えなくても大丈夫。最初のページから最後のページまでがんばって読み通そうとせず、ぱらぱらとめくってみて、目に止まった言葉があったらそこをじっくり読んでみるだけでも、新しい発見があるはずです。

(新刊J P編集部)

「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本

「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本

女性としてちゃんとしなきゃ、母親としてちゃんとしなきゃ、娘としてちゃんとしなきゃ、と
“頑張る教"“ちゃんとしなきゃ教"にかかっている多くの女性を救う本。

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