だれかに話したくなる本の話

「株が売れずに困っている人は少なくない」 保有する非上場株式が人生を苦しめる?

家族や親戚が中小企業を経営しており、その株式の一部を保有しているが、配当金も出ないため、売却したい。身内が持っていた中小企業の株を相続することになったが、巨額の相続税が発生しそう。

実はこうした非上場株式の存在に悩む人は少なくないと語るのが企業再生コンサルタントの喜多洲山氏だ。

今回は非上場株式を換価するための方法を解説した『少数株主のための非上場株式を高価売却する方法』(幻冬舎刊)を上梓した喜多洲山氏にお話をうかがい、そのなかなか知られていない実情について語っていただいた。

(新刊JP編集部)

■実は売却できずに困っている人が多い「非上場株式」

――『少数株主のための非上場株式を高価売却する方法』についてお伺いしていきます。まずはどんな方に向けた本なのでしょうか。

喜多洲山氏(以下洲山):何らかの事情で親や祖父・祖母から非上場株式を相続したり、共同で創業したけれど途中で袂を分かちあったり、家族に経営者がいて、自分は経営にタッチしていないけれど、それなりに株式を持っていたりというような方々がいます。

彼らは自分の持っている株を買い取ってほしいけれど、何らかの事情で会社が買い取ってくれないというケースがあります。そういった方々に、株式を換価できるということを啓蒙する目的でこの本を書きました。

――なぜ自分の持っている株を買い取ってほしいのでしょうか。

洲山:株価はそれなりの価値があるけれど、配当金が出ない。経営に携わっていないので役員報酬がもらえないといった理由ですね。

また、もう一つの読者ターゲットとしては、未上場株式を持っている方と関わりのある税理士や弁護士の先生方です。私は事業再生をメインとする経営コンサルティング会社を15年経営しており、そこで築き上げた非上場株式を高い価値で換価できるノウハウを基に「株式買取相談センター」という非上場株式の買取を専門とする組織を設立しました。この本ではその非上場株式換価のノウハウを明かしています。

――株式の売買に知識がない方向けに、上場株式と非上場株式の売却方法の違いについて教えてください。

洲山:上場株式は証券会社に持ち込めば誰でも株式を売却できます。ただ、非上場株式はそうした場所がないんです。証券会社に持ち込んでも扱ってはくれません。だから、非上場株式の場合は、発行している会社に買ってもらうか、会社から買取人を指名してもらう場合が多いです。

――個人間で売買をすることはできないのですか?

洲山:株式譲渡の原則に基づいて、株は誰でも自由に売買可能です。ただ、非上場株式のほとんどは譲渡制限がついています。これは売買をする際に、取締役会や株主総会など、会社の承認が必要であると定款で定められた株式のことです。認められないと、株主としての権利を主張することができない。

――なるほど。経営者の権力を守る作用が大きい。

洲山:そうです。変な人が経営に入り込んできたら困るでしょう。一方で株主にも権利があります。一株持っているだけで、株式代表訴訟もできてしまうわけですから、株を持たれるって実は大ごとなんです。株式比率3%以上になると、会計帳簿の閲覧権も主張できます。

――非上場株式を持っていることのデメリットはなんでしょうか。

洲山:最大のデメリットは、株は資産になるので相続時に税金がかかることです。同族企業で株を持っている親戚が亡くなり、株を相続することになった。その資産が例えば6億円以上であれば、55%の相続税が発生するわけです。仮に1億円なら40%の相続税が発生するので、4000万円持っていかれる。それをどうやって払うのかということです。

――なるほど。株を売ろうともなかなか換金しにくい。

洲山:株券で相続税を払うことはできません。現金を用意しないといけない。ここが一番のデメリットポイントであり、最大のリスクなんです。

また、同族企業の場合、経営に関わっている場合は役員報酬がもらえますが、まったく携わっていないのに株だけ持っているケースだと、税金を払わされて終わりですからね。

――非上場株式を持っている人は困っているケースが多いということですね。

洲山:そうです。価値算定されて1000万円の価値があると言われても、買い取る人がいなければそれはただの紙切れに過ぎません。だから、非上場株式を持っている自分が亡くなった場合、相続する側が苦労することも考えられるんです。自分の相続で、子どもが家を売らないといけないとなるのは本末転倒ですよね。

――本書には様々な事例が登場します。今おっしゃられていた相続時のトラブルであったり、同族企業でやっていたのに関係のこじれから追い出されてしまったり。これらは実例をもとにしているんですか?

洲山:はい。もちろん、実例そのまま書くと守秘義務上問題になるので、実例をベースにしたフィクションを入れています。**

――今は洲山さんの運営する「株式買取相談センター」がありますが、そこを介して非上場株式の売却先が見つかることがあるんですね。

洲山:そうです。この本でも書きましたが、基本的には我が社が(株式を)換価できると思えば買い取ります。お客様からの資料をいただいて、「これくらいの額ならば我が社が買い取ります」という提示をするんですね。

――非上場株式の売却について詳しく知るにはどうすればいいのでしょうか。

洲山:非上場株式の売却方法についての本はおそらくこの本と、牛島信先生の『少数株主』という本くらいしかありません。牛島先生の本は小説仕立てで理解できるようになっているので、この2冊を読むといいと思います。

あとは、弁護士や税理士さんにご相談するという方法もありますが、少し敷居が高いと思います。我が社は面談も株価鑑定も無料で受け付けていますので、気軽にお使いいただいています。

(後編に続く)

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