
工藤昌幸(くどう・まさゆき)
旅行会社にて業務渡航の企画営業添乗などを経験。その後、飲食業界にて接客サービス、バーテンダー、店長、統括部長などを歴任する。さまざまなかたちで人と接する仕事に従事し、コミュニケーションの大切さと難しさを自らが体感してきた。2002年6月に人材育成会社「アンドワークス」を創立。日本全国はもちろん、海外なども含め、組織作りや接遇指導、リーダーシップ指導、講演など、幅広く活躍している。
これまでに自身もコミュニケーション能力、説明力という課題にぶつかり、克服してきた。 その経験も活かして、コミュニケーション能力、説明力を課題とする人を教育している。なかでも身を持って習得してきた「きちんと伝える・伝わる説明力の身につけ方」がシンプルでわかりやすいと、多くのクライアントから好評を得ている。著書に『繁盛飲食店の3ステップ接客サービス お客様の気持ちをくみとる法則』(こう書房)、『誰も教えてくれないカフェの始め方・儲け方』(ぱる出版)などがある。

松井寿夫(まつい・としお)
1974年、大阪府堺市生まれ。幼少期より人と話すことが大好きで、サービス業への憧れを抱く。アミューズメント業界にて、コミュニケーション力を活かして現場で活躍。接客・部下育成中心の業務のなかで、話し方次第で相手の理解度が大きく変わることを知る。「話す」ことの本質を知り、相手に伝わるための説明力に磨きをかけ始める。
(株)アンドワークス入社後、講師、セミナー業務を担当することで、説明に必要なノウハウを学ぶ。その後も人材育成コンサルタントとして多くの社員・アルバイトスタッフを育成。相手に合わせた伝え方・説明のしかたの指導手法を用い、全国を駆け巡りながら活躍中。
- 松井
- 「工藤さん、できあがった本の問題を自分で解いてみましたよ!」
- 工藤
- 「そうなんだ~。やってみた感想を聞かせてよ」
- 松井
- 「やっぱり説明上手になることができるな~って実感できましたよ! それと、いちばん感じたのは、過去の自分ができなかったことが、いまはできるようになった~ということですね。むかしは、この本に書いてあることがまったくできてなかったですから。やっぱり多くの失敗を繰り返して、人って成長するんですね」
- 工藤
- 「そんなにたくさん失敗した?」
- 松井
- 「ラベリングで失敗したのは鮮明に覚えていますよ。社長と工藤さんと僕の3人のミーティングのときに、ラベリングでてこずっていたんですよ! 僕が考えたラベリングを、社長はものすごく賛同してくれたんですけど、工藤さんが納得しなかったんですよ」
- 工藤
- 「そんなことあった?」
- 松井
- 「ありましたよ~! 多数決でいくと僕のラベリング案が通るはずだったんですけど、工藤さんがわざわざ後輩2人を呼んで、『このラベリングって、わかりやすい?』ってたずねたんですよ。そしたら、その後輩は『わかりにくい』って答えて、僕のラベリングは結局、却下されましたからね。社長と僕の2人はヘコみましたよ~」
- 工藤
- 「あ~、たしかにそんなこと、あったね」
- 松井
- 「結局あのときは、2人の後輩がラベリングしてくれたんですよ! 僕の先輩としての面子は丸つぶれでしたよ~。まぁ、あのときの失敗があったから、より的確なラベリングを考える習慣がつきましたけどね」
- 工藤
- 「僕が松井さんのラベリングを却下した狙いは、はじめから松井さんを成長させることだったんだよ~」
- 松井
- 「本当ですか・・・目的を後付けしていませんか・・・」

- 松井
- 「僕が工藤さんに教えてもらっていちばん感動したのは、『整理の重要性・方法』ですね」
- 工藤
- 「感動してくれたの?」
- 松井
- 「はい。工藤さんが僕にある仕事の説明をしてくれたとき、僕はまったく理解できなかったんですよ。工藤さんは、その僕の顔を見て『理解できていない』と判断したみたいで、いきなり図を書き出したんですよ。その図を見ながら説明を聞いていたら、理解できたんですよ! 僕はそのあと、『工藤さんの頭の中ってこうなってるんだ~』って思いましたよ」
- 工藤
- 「あぁ~、たしかに図はたまに書いて説明するね」
- 松井
- 「説明上手な人って整理のしかたがうまいんだ~って感動しましたよ! あれから頭の中で文章や図を用いて整理する習慣が身につきましたからね!」
- 工藤
- 「それは、うれしいね。ついでに、自分のデスクを整理する習慣をつけてくれると、さらにうれしいな~」
- 松井
- 「デスクは整理できてなくて、すみません・・・」