だれかに話したくなる本の話

部下を本気にさせるリーダーがやっていることとは

リーダーという存在に対して「引っ張る人」「まとめる人」という固定概念を持っている人は多いだろう。

しかし、引っ張り型のリーダーシップからは、会社が持続的に成長していくためのイノベーションは生まれにくい。むしろ今求められているリーダー像とは、人の個性や強みを認め、引き出し、メンバーそれぞれの強みを活かすことができる人なのだろう。

とはいえ、初めて部下を持った人は、どうしたら部下を育成し、活用して組織の成果を上げることができるのか、わからないことも多いはず。

『はじめて部下を持った人のための 超リーダー力』(大西みつる著、ぱる出版刊)は、これまで4万人の管理職に向き合ってきたリーダーシップ開発のプロ・大西みつる氏が、マネジメントやリーダーシップスキルを向上させる方法を解説した一冊だ。

■人を育て、活かすリーダーがすべきこととは

部下の話を遮って指示するリーダーの元では、部下は本気にならない。リーダーシップは、リーダーとメンバーとの関係性の構築があってこそ、その効果が発揮される。だから、リーダーとして相手の心情をより理解しようとする態度を取り続ける必要だ。

リーダーがメンバーに一方的に「指示命令」+「恫喝」するだけでは、相手に任せることも、自発性を引き出すこともできない。相手の心、情動に寄り添えてはじめて「人の上に立つ」ことができ、人を育て、人を活かすことができるというわけだ。

そのために必要なのが、聴き上手になること。そして、人の話を聴くときに意識すべきことが、アクティブ・リスニング(積極的傾聴)だ。注意深く真剣に話を聴いている姿勢を、言葉と態度を通して積極的に表現することによって、相手が話しやすい場をつくり、よりよくサポートしていける。

相手をしっかり視野に入れながら、相手の話を否定せず、最後まで聴くことを心掛ける。リーダーが熱心に話すのではなく、熱心に聴くこと。聴き上手が人を育て、人を活かすのだ。

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リーダーシップは実践経験を通じて学ことができるものと大西氏は述べる。本書から「求められるリーダーの行動」の基礎を学び、実践することが、チーム、そして自分自身の成長につながっていくはずだ。

(T・N/新刊JP編集部)

はじめて部下を持った人のための 超リーダー力

はじめて部下を持った人のための 超リーダー力

はじめて部下を持ったリーダーは何をすべきなのか?

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T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

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