だれかに話したくなる本の話

手術9回、合計191針!元ヤクルトスワローズ・館山昌平はなぜ心が折れなかったのか

『自分を諦めない 191針の勲章』(館山昌平著、長谷川晶一執筆、ワニブックス刊)

2003年に東京ヤクルトスワローズに入団し、投手として最多勝、カムバック賞などのタイトルを獲得し、右のエースとして活躍。2019年に現役引退した館山昌平氏。引退後は東北楽天ゴールデンイーグルスの二軍投手コーチを経て、2022年シーズンから岩村明憲氏が監督を務めるルートインBCリーグ・福島レッドホープスの投手チーフコーチに就任。BSフジ・フジテレビONE・仙台放送の野球解説者の活動も続けている。選手のいいところに注目し、積極的に褒める解説には「今っぽさ」がある。

自分を諦めない - 191針の勲章 -

自分を諦めない - 191針の勲章 -

「もう一度、手術をして、必ず神宮のマウンドに戻ろう」――三度目のトミー・ジョン手術に僕を踏み切らせたのは、〈ケガに敗れて引退はしたくない〉という思いだった。絶対に故障を理由に野球から離れることはしたくなかった。適切な手術をして、正しいリハビリを行えば、必ず復帰できる。僕には、それを証明する義務と責任があった。〈本文より〉

2004年、2013年、2014年と3度にわたってひじにメスを入れリハビリに苦しむ一方、不死鳥のように必ずケガから復帰し「最多勝」「カムバック賞」などタイトルも獲得した館山昌平。
絶頂と絶望を味わった名投手は、何を糧に厳しい世界を17年間生き抜いたのかーーヤクルトの先輩の石川雅規投手、大学の同級生で現読売ジャイアンツコーチの村田修一、大学の同級生で元マネジメント会社勤務の本橋伸一郎、両親……時代時代における5人の視点と証言をもとに、より館山昌平という投手の半生を多角的かつ重層的に探っていく。