だれかに話したくなる本の話

あのサイゲン大介が語る、どんなレシピにも書いてない「料理で最も大事なこと」

この秋、TBSラジオで冠番組『うしろシティ星のギガボディ』(AM954+FM90.5・水曜日 24:00~)がスタートしたお笑いコンビ「うしろシティ」。

学校や病院など、“ベタなシチュエーション”に、個性的なキャラが登場するコントへの評価が高く、『キングオブコント』ではこれまで3回、ファイナリストに選出されている。

メンバーの阿諏訪泰義さんは、『あのニュースで得する人損する人』(日本テレビ系)に「サイゲン大介」の名前で出演中だが、とにかく料理の腕がスゴイ。某チェーン店のカレーや牛丼など、有名店のメニューを次々と完璧に再現することに成功しているのだ。

そんな阿諏訪さんにとって初めてのレシピ本となる『リストランテasuwa-予約の取れないレストラン』(ワニブックス刊)が10月に出版された。彼はどんなこだわりを自身の料理の中に詰め込んでいるのだろうか?

お話をうかがっていると、「うしろシティ」のお笑いに通じる言葉が飛び出してきた。

■サイゲン大介が、どんな味も再現できる秘密

――特技の料理をきっかけに番組のコーナーが人気となり、レシピ本を発売することになりました。阿諏訪さんの料理の腕はいつどこで身につけたものなのでしょうか?

阿諏訪:芸人になったばかりの頃に、月に2回くらいしか仕事がなくて、それだけじゃ食っていけないからって始めた厨房のアルバイトがきっかけですね。「なだ万」の店長だった人が東京で出した店があって、包丁も握ったことなかったのに色々教えてもらいながら6、7年勤めました。

――6、7年というと、修業の域ですね!

阿諏訪:料理が好きだったんですよ。好きなことには手を抜かないので、そこで料理の腕が鍛えられたのかもしれません。

仕込みの時間は大きな厨房に一人でいることが多かったんですけど、そのときは店で出すわけでもないのに勝手に色々作って(笑)、先輩に食べてもらったりしてました。当然、周りが全員プロの料理人なので、本格的なアドバイスを受けたりしながら、料理に関する色々なことを教わりました。

――阿諏訪さんといえば、有名店の味を再現するその料理の腕前です。これには特別なコツがあるんですか?

阿諏訪:僕は料理を始めた時から、「とにかく味見をしろ」と言われてきたんです。何か入れる前には味見して、入れたらまた味見して。1分でも煮込んだらまた味見して…って。

調味料ひとつにしても、「何でここで入れるんだろう?」と考えて、味を作る過程や仕組みを学んだので、漠然とですが、頭のなかに味の設計図みたいなものがあるんですよ。

――味の設計図ですか。

阿諏訪:何か食べたときに、「あ、この部分が足りないな」っていうのを感じるんです。この部分、急に細くなっているな…足りないのは砂糖かな? とか。味を作るときは、何度も味見をしながら、足りない部分を補っていく作業みたいなイメージです。

リストランテasuwa - 予約の取れないレストラン -

リストランテasuwa - 予約の取れないレストラン -

作ってみたい料理がいっぱい!